ご自宅のダウンライトが切れてしまい、交換しようとした際に「これは自分で交換できるタイプ?それとも業者が必要なタイプ?」と、戸惑った経験はありませんか。ダウンライトには照明器具と電球が一体になったものと、電球だけを交換できるものがあり、その見分け方は意外と知られていません。
この記事では、ダウンライトの一体型と交換型の特徴と見分け方をはじめ、交換型と一体型のメリットデメリットを徹底比較します。また、交換型の寿命はどのくらいもつのか、一体型で後悔した人の理由や、気になる費用の違いについても分かりやすく解説します。
さらに、LEDは一体型と交換型ならどっちがお得なのかという疑問に答え、おすすめの交換型ダウンライトやおすすめの一体型ダウンライトの選び方、一体型と交換型でよくある質問にも触れていきます。

この記事を読めば、あなたの家に最適なダウンライトを選び、失敗なく交換するための知識が身につきます。
【記事のポイント】
1.一体型と交換型の、明確な見分け方がわかる
2.それぞれのメリットデメリットと、費用感が掴める
3.ライフスタイルに合った、最適なダウンライトを選べる
4.交換時の注意点や、後悔しないための知識が身につく
基本から解説!ダウンライト一体型と交換型の見分け方


- ダウンライトの一体型と交換型の特徴と見分け方
- ダウンライト交換型のメリットデメリット
- ダウンライト一体型のメリットデメリット
- ダウンライト交換型の寿命はどのくらい?
- ダウンライト一体型で後悔した人の理由
ダウンライトの一体型と交換型の特徴と見分け方


ダウンライトの交換を考える際、まず初めに知っておくべきは「一体型」「交換型」の、2つのタイプの違いです。この違いを理解することが、適切な対応への第一歩となります。
一体型と交換型の特徴
一体型ダウンライトは、照明器具本体とLED光源が一体化している製品です。そのため、光源の寿命が来た場合は、照明器具ごと交換する必要があります。一方、交換型ダウンライトは、照明器具本体と電球が別々になっており、従来の電球のように切れた電球だけを自分で交換できる構造になっています。
具体的な見分け方
それでは、ご自宅のダウンライトがどちらのタイプなのか、具体的な見分け方を見ていきましょう。最も簡単な方法は、照明のカバー(ランプ部分)を軽く押し込みながら、反時計回りに回してみることです。
もし、カバーが回転して取り外せるようであれば、それは「交換型」です。内部に交換可能な電球が見えるはずです。
逆に、カバーが回らず固定されていて外れない場合は、「一体型」である可能性が非常に高いと考えられます。
また、取扱説明書や照明器具本体に貼られているラベルで、型番を確認する方法も確実です。型番をインターネットで検索すれば、製品が一体型か交換型かを判別できます。



これらの方法で、まずはご自宅のダウンライトのタイプを正確に把握することが大切です。
ダウンライト交換型のメリットデメリット


交換型ダウンライトは、電球が切れた際に自分で交換できる手軽さが最大のメリットです。専門業者に依頼する必要がないため、工事費がかからず、電球代だけで済みます。急に電球が切れても、対応する電球を家電量販店などで購入してくれば、すぐに対応できる手軽さがあります。
また、電球の色や明るさを自由に変更できる点も魅力です。例えば、これまで昼白色だった照明を、リラックスできる電球色に変えたり、より明るいタイプのLED電球にアップグレードしたりと、ライフスタイルの変化や好みに合わせて空間の雰囲気を簡単にカスタマイズできます。
白熱電球の温かみのある光が好きという方も、交換型を選ぶことになります。
一方で、デメリットとしては、照明器具本体の価格が一体型に比べて高価になる傾向があることが挙げられます。電球を装着するソケットなどの部品が必要なため、構造が複雑になり、コストが上がります。
そのため、多くのダウンライトを設置する新築時などには、初期費用の総額が大きくなる可能性があります。
加えて、デザインの面では、電球が見える構造上、一体型ほどスッキリとした見た目にはなりにくい場合があります。



天井との一体感を重視する方にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。
ダウンライト一体型のメリットデメリット


一体型ダウンライトの最大のメリットは、初期費用を抑えられる点です。交換型に比べて構造がシンプルなため、製品自体の価格が安価に設定されていることが多く、新築やリノベーションで多数の照明を設置する際にコストメリットが大きくなります。
デザイン性も一体型の魅力の一つです。照明器具と光源が一体化しているため、凹凸が少なく、天井面がフラットですっきりとした印象を与えます。ミニマルで洗練された空間を演出したい場合には、一体型が適しています。また、光の広がり方が最適化されている製品が多く、空間全体を美しく照らすように設計されているのも特徴です。
しかし、デメリットは交換の手間と費用にあります。光源の寿命が尽きた場合、照明器具ごと交換する必要があり、この作業には電気配線を伴うため「電気工事士」の資格が必要です。
したがって、必ず専門業者に依頼せねばならず、本体価格に加えて工事費や出張費が発生します。
LEDの寿命は約40,000時間と非常に長いものの、10年以上経過すると、いざ交換する際にまとまった費用がかかることを念頭に置く必要があります。



一度設置すると、光の色や明るさを後から変更できない点も、人によってはデメリットと感じるかもしれません。
ダウンライト交換型の寿命はどのくらい?


ダウンライト交換型の寿命を考えるとき、「照明器具本体」「電球」の2つの部分を、分けて考える必要があります。
照明器具本体の寿命
まず、照明器具本体の寿命ですが、一般的に約10年が目安とされています。これは、内部の配線やソケット、安定器(蛍光灯タイプの場合)などの部品が経年劣化するためです。見た目に問題がなくても、10年を超えて使用し続けると、劣化による不具合や安全性の低下につながる可能性があります。
日本照明工業会も、照明器具の交換目安を8~10年としています。
電球の寿命
次に、電球の寿命です。これは使用する電球の種類によって大きく異なります。
1.LED電球
約40,000時間。1日10時間使用したとしても、10年以上にわたって使用できる計算です。非常に長寿命なため、器具本体の寿命とほぼ同じか、それ以上持つことも少なくありません。
2.白熱電球
約1,000~2,000時間。寿命が短いため、頻繁に交換が必要になります。
3.電球形蛍光灯
約6,000~10,000時間。白熱電球よりは長いですが、LEDには及びません。
したがって、交換型ダウンライトにLED電球を使用している場合、電球が切れるタイミングと器具が寿命を迎えるタイミングが近くなる可能性があります。



そのため、10年程度経過した照明器具で電球が切れた場合は、安全性を考慮して電球の交換だけでなく、器具全体の交換も検討するのが賢明な判断と言えます。
ダウンライト一体型で後悔した人の理由


一体型ダウンライトはスタイリッシュで人気ですが、設置後に「後悔した…」という声も聞かれます。その理由を知ることで、設置の失敗を防ぐことができます。
交換の手間と費用
主な後悔の理由は、「交換の手間と費用」です。前述の通り、一体型は光源が切れると器具ごと交換する必要があり、専門業者への依頼が必須です。LEDの寿命は長いとはいえ、10数年後に突然の出費となることを想定していなかった、という方が少なくありません。
複数のダウンライトを一度に交換すると、高額な費用になることもあります。
明るさや配置に関する問題
次に、「明るさや配置に関する問題」です。ダウンライトは真下を照らす特性が強いため、計画段階で数を十分に確保しなかったり、配置を誤ったりすると、「部屋が思ったより暗い」「ソファに寝転ぶと光が直接目に入って眩しい」といった不満につながります。
特にリビングや寝室など、リラックスする空間での配置は、家具のレイアウトを考慮して慎重に計画することが大切です。
また、模様替えがしにくいという点も挙げられます。例えば、ダイニングテーブルの真上を照らすように設置した場合、テーブルの位置を動かすと照明の位置とずれてしまい、空間全体のバランスが崩れてしまいます。
このように、一度設置すると簡単に位置を変えられないため、将来的なライフスタイルの変化に対応しにくい面があるのです。



これらの理由から、設置前の綿密な照明計画が極めて重要になります。
賢い選択!ダウンライト一体型と交換型の見分け方コツ


- ダウンライトの一体型と交換型の費用の違い
- LEDは一体型と交換型ならどっちがお得?
- おすすめの交換型ダウンライト
- おすすめの一体型ダウンライト
- ダウンライトの一体型と交換型でよくある質問
ダウンライトの一体型と交換型の費用の違い


ダウンライトを選ぶ上で、費用は非常に重要な判断材料です。一体型と交換型では、「初期費用」「交換時の費用(ランニングコスト)」に大きな違いがあります。
初期費用(設置時)
初期費用は、照明器具本体の購入価格です。一般的に、一体型ダウンライトの方が交換型よりも安価です。
項目 | 一体型 | 交換型 | 備考 |
---|---|---|---|
器具本体の価格(1個あたり) | 約2,000円~7,000円 | 約4,000円~12,000円 | 機能やデザインで変動 |
電球の価格(1個あたり) | 不要(器具に含まれる) | 約600円~3,000円 | LED電球の場合 |
合計(1個あたり) | 約2,000円~7,000円 | 約4,600円~15,000円 | 交換型の方が高くなる傾向 |
このように、新築などで複数個をまとめて設置する場合は、一体型の方が初期投資を大幅に抑えることができます。
交換時の費用
交換時の費用は、両者のメリット・デメリットが直接反映される部分です。
項目 | 一体型 | 交換型 |
---|---|---|
交換対象 | 照明器具全体 | 電球のみ |
作業者 | 電気工事士(業者依頼) | 自分自身 |
交換費用(1回あたり) | 約8,000円~15,000円 (器具代+工事費) | 約600円~3,000円 (電球代のみ) |
一体型は、交換のたびに専門業者への依頼が必要でコストがかさみますが、交換型は電球代だけで済みます。



この点を考慮して、長期的な視点でどちらが自分のライフスタイルに合っているかを判断することが求められます。
LEDは一体型と交換型ならどっちがお得?


「LEDダウンライトにするなら、一体型と交換型のどちらが最終的にお得なの?」これは多くの方が抱く疑問です。結論から言うと、多くの場合、トータルコストでは一体型の方がお得になる可能性が高いと考えられます。
その理由は、LED自体の寿命の長さにあります。LED光源の寿命は約40,000時間と言われており、これは照明器具本体の寿命(約10年)とほぼ同じか、それ以上です。つまり、LEDの光が弱くなる頃には、器具自体も交換時期を迎えていることがほとんどです。
ここで両者のコストを比較してみましょう。
項目 | 一体型 | 交換型 |
---|---|---|
初期費用(器具+電球) | 安い(約2,000円~) | 高い(約4,600円~) |
10年後の交換 | 器具ごと交換 (器具代+工事費) | 電球のみ交換 (電球代のみ)※ |
※ただし、交換型でも10年後には器具本体の劣化が進んでいるため、安全性を考慮すると器具ごとの交換が推奨されます。その場合、交換型も器具代と工事費がかかります。
この点を踏まえると、交換型を選んでも結局10年後には器具ごと交換する必要が出てくる可能性が高いのです。であれば、初期費用が安い一体型を選んだ方が、トータルでかかる費用を抑えられる、という考え方が成り立ちます。


ただし、これはあくまで一般的なケースです。照明をあまり使わない部屋や、将来的に電球の色を変えたい可能性がある場所では、交換型の方が柔軟に対応できて便利です。



例えば、廊下やトイレなど点灯時間が短い場所は一体型、リビングや書斎など好みが変わる可能性のある場所は交換型、といったように場所によって使い分けるのも賢い選択と言えるでしょう。
おすすめの交換型ダウンライト


交換型ダウンライトを選ぶ際は、デザインや価格だけでなく、いくつかの技術的なポイントを押さえておくことが大切です。これにより、安全かつ快適に使用することができます。
口金(くちがね)サイズ
まず確認すべきは「口金(くちがね)サイズ」です。これは電球をソケットにねじ込む部分の大きさで、「E26」「E17」といった規格があります。E26が一般的な電球のサイズ、E17はそれより一回り小さいサイズです。使用したい電球のサイズと、照明器具の口金サイズが一致している必要があります。


天井の断熱材施工に対応しているか
次に、「天井の断熱材施工に対応しているか」を確認します。近年の住宅は断熱性が高く、天井に断熱材が敷き詰められていることがほとんどです。このような天井にダウンライトを設置する場合、熱がこもらないように設計された「高気密SB形」「SG形」といった表示のある器具を、選ばなくてはいけません。
非対応の器具を取り付けると、LEDの熱で断熱材が変質したり、最悪の場合火災につながる危険性があるため、必ず確認してください。
使用できる電球の種類
また「使用できる電球の種類」も、チェックポイントです。古い交換型の器具の中には、LED電球に対応していないものもあります。特に調光機能(明るさを調節する機能)を使いたい場合は、器具と電球の両方が調光対応製品である必要があります。



パナソニックやオーデリック、東芝ライテックといった大手メーカーの製品は、これらの規格や機能が分かりやすく表示されており、品質も安定しているため安心して選ぶことができます。
おすすめの一体型ダウンライト


一体型ダウンライトは、機能やデザインのバリエーションが豊富で、空間づくりの自由度が高いのが魅力です。選ぶ際には、どこで、どのように使いたいかを明確にすることが、最適な製品を見つける鍵となります。
光の広がり方(配光)で選ぶ
光の広がり方には、主に「拡散タイプ」「集光タイプ(ピンホールタイプ)」があります。
1.拡散タイプ
広い範囲を均一に明るく照らすため、リビングや廊下など、部屋全体の明るさを確保したい場所に適しています。


2.集光タイプ
光を絞って、特定の場所をピンポイントで照らします。絵画やインテリアを際立たせるアクセント照明や、書斎の手元灯として使うと効果的です。
光の色(光色)で選ぶ
光の色は、空間の雰囲気を大きく左右します。
1.電球色
オレンジがかった温かみのある光。リラックスしたい寝室やダイニングにおすすめです。
2.昼白色
太陽光に近い自然な光。どんな部屋にも合わせやすく、リビングやキッチンに適しています。
3.昼光色
青みがかった涼しげな光。集中力を高める効果があるため、書斎や勉強部屋に向いています。
便利な機能で選ぶ
より快適な空間にするために、付加機能も検討しましょう。
1.調光機能
シーンに合わせて明るさを自由に調節できます。映画鑑賞時は暗めに、作業時は明るく、といった使い分けが可能です。
2.調色機能
光の色(電球色から昼光色まで)を、調節できる機能です。時間帯や気分に合わせて雰囲気を変えられます。
3.人感センサー付き
人の動きを感知して自動で点灯・消灯します。トイレや玄関、廊下などに設置すると、電気の消し忘れを防げて省エネにもつながります。


前述の通り、断熱材施工の天井には「高気密SB形」の器具を選ぶことが必須です。



これらのポイントを踏まえ、パナソニック、大光電機(DAIKO)などの主要メーカーのカタログやウェブサイトを参考に、設置場所に最適な一台を選びましょう。
ダウンライトの一体型と交換型でよくある質問


ここでは、ダウンライトの一体型と交換型に関して、お客様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 家のダウンライトがどちらのタイプか、見た目だけですぐに分かりますか?
-
最も確実な見分け方は、照明のカバーを反時計回りに回してみることです。簡単に外れて中に電球が見えれば「交換型」、固くて外れなければ「一体型」です。ただし、製品によっては分かりにくい場合もあるため、確信が持てない場合は専門業者に確認してもらうことをお勧めします。
- 一体型の交換は、本当に自分でできないのですか?
-
はい、ご自身での交換は法律で禁止されています。一体型の交換は、照明器具本体を天井裏の電線に接続する作業(電気工事)を伴います。この作業は「電気工事士」の資格を持つ人でなければ行うことができません。
無資格での作業はリスクがあるだけでなく、法律違反となり罰則の対象となる可能性があります。安全のために必ず専門業者に依頼してください。
- 玄関の軒下など、屋外にダウンライトを設置したいのですが、どちらのタイプが良いですか?
-
屋外に設置する場合は、雨や湿気から内部を守る「防水性能」や「防湿性能」が備わった器具を選ぶ必要があります。このような性能を持つダウンライトは、構造的に気密性が高い「一体型」がほとんどです。屋外での使用を考えている場合は、必ず「屋外用」や「防雨・防湿形」と表示された一体型製品を選んでください。
- 古い交換型ダウンライトに、最新のLED電球を取り付けても大丈夫ですか?
-
注意が必要です。古い器具の中には、LED電球に対応していないものや、調光機能付きの器具で特定のLED電球と相性が悪い場合があります。器具がLEDに対応しているか、取扱説明書などで確認が必要です。不明な場合は、器具のメーカーや電気工事店に相談することをお勧めします。
安全に使用するために、自己判断で取り付けないようにしましょう。



よくあるQ&Aは、チェックしてください。
【総括】ダウンライトの一体型と交換型の見分け方
この記事では、ダウンライトの一体型と交換型の違いから、それぞれのメリットデメリット、費用、選び方までを詳しく解説しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。
- ダウンライトには器具ごと交換する一体型と、電球のみ交換する交換型がある
- 見分け方は、カバーを回して外れるかどうかで判断するのが簡単
- 一体型の交換作業には、電気工事士の資格が必須
- 交換型は自分で電球を交換でき、光の色も自由に変えられる
- 一体型は初期費用が安く、天井がすっきり見えるデザイン性が高い
- 交換型は器具本体の価格が、一体型より高価になる傾向がある
- 一体型は交換時に器具代と工事費がかかるため、費用が高額になる
- LEDの寿命は長く器、具本体の寿命とほぼ同じ約10年が目安
- トータルコストではLEDの長寿命から、一体型の方がお得になる場合が多い
- 一体型は設置後の位置変更が難しく、眩しさなどで後悔するケースもある
- ダウンライトの設置には、綿密な照明計画が不可欠
- 天井に断熱材がある場合は、高気密SB形の器具を選ぶ必要がある
- 調光や調色、人感センサーなど便利な機能を備えた製品も豊富
- 屋外には、防水・防湿性能のある一体型を選ぶ
- どちらを選ぶかは初期費用、メンテナンス性、デザイン性を総合的に考慮して判断する