エコキュートの水抜き後にゴボゴボ音がする…その原因と放置はNG?

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エコキュートの水抜き後にゴボゴボ音がする…その原因と放置はNG?

エコキュートの定期メンテナンス(水抜き)や、突然の断水・水道工事が終わった後、「ゴボゴボッ」「ポコポコポコ…」という、なんとも不安になる音が浴室やキッチンから聞こえてくる…そんな経験は、ありませんか?

「この音、いったい何なの?」「しばらく放置しても大丈夫?」「もしかして故障しちゃったんじゃ…」と、本当に心配になりますよね。音がうるさいだけでなく、ひどい時にはシャワーの水圧が弱くなったり、最悪の場合、お湯がまったく出ない状態になってしまったり、いつまでも音が止まらないこともあって、気が気じゃないと思います。

実は、このゴボゴボ音の正体、ほとんどの場合は故障ではなく、エコキュートの貯湯タンクや配管内部に入り込んでしまった「空気」なんです。

この空気を外に追い出してあげるエア抜きという作業を行えば、音はピタリと止まることがほとんど。なんですが、これがまた厄介で、お使いのメーカー、例えば人気の三菱電機やパナソニック、日立などで、微妙にエア抜きの操作方法や手順が違うんですよね。

この記事では、エコキュートの水抜き後にゴボゴボ音がする根本的な原因から、ご自身で安全に対処できる具体的なエア抜きの手順、メーカーごとの違い、そしてお湯が出ない・音が止まらないといった関連トラブルの解決策まで、分かりやすく網羅的にまとめてみました。

ジロー

この厄介な音をスッキリ解決して、安心してお湯を使えるように、そのお手伝いができればと思います。

【記事のポイント】
1.「ゴボゴボ」音の正体と、危険性の見分け方
2.自分でできる「エア抜き」の、具体的な手順
3.メーカー別(三菱・日立など)の、操作方法の違い
4.音が止まらない時や、お湯が出ない時の対処法

目次

エコキュートの水抜き後にゴボゴボ音がする原因

まずは、あの不快なゴボゴボ音の正体から、じっくり探っていきましょう。なぜ音が鳴るのか、そのメカニズムを知っておくだけでも、不安はかなり和らぐかなと思います。そして、放置しても大丈夫な音なのか、それともすぐに業者さんを呼ぶべき危険な音なのか、その見分け方についても詳しく解説しますね。

  • ゴボゴボ音の正体は空気
  • その音…放置しても大丈夫?
  • 断水後も音が発生する理由
  • 水抜き後にお湯が出ない原因

ゴボゴボ音の正体は空気

ゴボゴボ音の正体は空気
住宅設備トレンド最前線・イメージ

エコキュートの水抜き作業や、断水が終わった後に聞こえるゴボゴボ・ポコポコという音。この直接的な原因は、もうお話しした通り、貯湯タンクや家中の配管の中に入り込んでしまった「空気(エア)」です。

これは住宅設備の世界で「エア噛み」と呼ばれている、非常に一般的な現象なんです。

メカニズムは、シンプルです。

1.水の排出

水抜きや断水によって、タンクや配管内部の水が排出されます。

2.空気の侵入

水がなくなった空っぽのスペースに、空気が入り込みます。

3.再給水

メンテナンス完了後や断水復旧後に、再び給水(通水)します。

4.音の発生

新しく入ってきた水が、先にいた空気を圧縮しながら押し出そうとします。この時、配管内を水と空気が混ざった「気液混合」の状態で流れるため、空気が水の流れの中で弾けたり、狭い場所を通過したりする音としてゴボゴボと鳴ってしまうわけです。

特に、お風呂のお湯はりや追いだきに使用する「追いだき配管(ふろ配管)」、浴槽とエコキュート本体を行ったり来たりする複雑な経路で、曲がり角も多いため、構造的に空気が溜まりやすい(抜けにくい)ポイントなんです。

ジロー

そのため、運転開始の直後や、お湯はりをスタートした瞬間に、この音が発生しやすい傾向があるかなと思います。

その音…放置しても大丈夫?

ゴボゴボという音自体は、空気が原因。ですから、音そのものが直ちに機器の重大な破損や爆発などを示すものではありません。ひとまず、そこは安心してください。

ただ、この音は「今、配管の中に空気が溜まってますよ(=エア噛みしてますよ)」という、エコキュートからの不具合のサインであることには変わりありません。

これを放置してしまうと、空気が配管の途中で「栓」のような役割をしてしまい、水の流れを邪魔します。その結果、

  • シャワーの水圧が極端に弱くなる
  • お湯の温度が安定しない(熱くなったりぬるくなったりする)
  • お湯がまったく出なくなる
  • 機器が正常な水の循環を検知できず、リモコンにエラーが表示される
  • (最悪の場合)ポンプが水を循環させられないまま空転し、焼き付きなどの故障に繋がる

といった、別の深刻なトラブルを引き起こす原因になります。だから、音自体は緊急性が低くても、原因となっているエア噛みは、後ほど解説する「エア抜き」作業によって、早めに対処(解消)する必要があるんですね

でも、エコキュートが発する音には、本当に危険な異常音も存在します。これだけは絶対に見逃しちゃいけません。ゴボゴボとは明らかに違う音がしたら、要注意です。

【厳重注意】これは危険!すぐに点検が必要な「異常音」

ゴボゴボ・ポコポコ以外の、こんな音が聞こえたら、エア抜きで対処できるレベルではありません。直ちに使用を中止し、安全のため専門の業者さん(設置店やメーカーサポート)に点検を依頼してください。

1.「キーン」(甲高い金属音、共鳴音)

ウォーターハンマー(水撃)現象の可能性があります。配管内の水圧が急激に変化し、配管にものすごい衝撃(圧力)がかかっているサインです。放置すると配管の接続部が破損したり、最悪の場合、配管が破裂したりするリスクがあります。

2.「ピーピー」「ヒュー」(笛のような高い音)

ヒートポンプユニット(室外機)の送風機(ファン)のベアリング破損や、ファン自体が何かに干渉している可能性があります。

3.「ボンッ」(小さな爆発音、着火音)

これはガス給湯器でよく言われる危険な音ですが、エコキュートでも内部の電気系統のショートなどが考えられます。火災事故につながる非常に危険なサインです。

4.「ガガガ」「ガラガラ」(振動を伴う、こすれるような音)

ポンプやコンプレッサー(圧縮機)など、内部の回転部品に何らかの機械的トラブルが発生している可能性が非常に高いです。

ジロー

これらの音が継続する場合、機器の重大な故障が進行している可能性が高いです。安全が第一ですからね。

断水後も音が発生する理由

断水後も音が発生する理由
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タンクの水抜きはしてないけど、近所の水道工事やマンション全体の計画断水が終わったら、急にゴボゴボ鳴り出したというケースも非常に多いですよね。これは、ご自宅のエコキュートが原因ではなく、水道本管(道路の下を通っている太い水道管)側で空気が混入したことが原因です。

断水からの復旧時、水道局が水を流し始めると、水道本管自体に溜まっていた大量の空気が、水の供給再開と同時に一気に各家庭の水道管に送り込まれます。その空気が、そのままエコキュートの給水配管に流れ込んでしまうわけです。

しかも、断水復旧時に流れてくるのは空気だけではありません。これが一番厄介なのですが、水道管の底に溜まっていた泥水、サビ、細かな砂やゴミが、水の勢いで一気に巻き上げられ、空気と一緒に流れてくる可能性が非常に高いんです。

これが、エコキュートに入り込むとどうなるか…。

空気が入る(エア噛みする)だけでなく、エコキュートの給水部分(水道管との接続部)にある「給水ストレーナー(ゴミ受けフィルター)」を、それらの泥水やサビが一瞬で詰まらせてしまうことがあります。

フィルターが目詰まりすると、タンクに水が正常に供給されなくなり、それこそ「お湯の出が極端に悪くなる」「お湯がまったく出ない」といった深刻なトラブルに直結してしまうんです。

【超重要】断水復旧時に絶対に守るべき「鉄則」

断水が復旧したアナウンスがあっても、絶対に、いきなりエコキュートの給水バルブを開けたり、お湯の蛇口をひねったりしないでください。エコキュート本体を汚れた水から守るために、以下の手順を必ず実行するようにしましょう。

  • まず、エコキュートから一番離れた場所にある蛇口(例:お庭の散水栓、1階の洗面所の「水」側など、エコキュートの配管を通らない水栓)を全開にします。
  • 水道管内の空気(ボコボコッ!と音を立てて出ます)や、濁った水(泥水、サビ水)が完全に排出され、透明できれいな水だけが安定して出るようになるまで、数分間しっかりと水を流し続けます。
  • 水がきれいになったことを確実に確認してから、初めてエコキュートの「給水止水栓(給水バルブ)」を【ゆっくりと】開けます。
  • その後、タンクが満水になるのを待ってから、第2部で解説する「エア抜き作業」を行います。
ジロー

この「ワンクッション」を挟むだけで、デリケートなエコキュートのフィルター詰まりや内部汚染のリスクを、劇的に減らすことができるかなと思います。

水抜き後にお湯が出ない原因

水抜き後にお湯が出ない原因
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「ゴボゴボ音がするだけじゃなく、ついにお湯がまったく出なくなった!」これは本当に、焦りますよね。パニックになって即故障だと業者さんを呼ぶ前に、いくつか確認してみてほしい、意外とうっかりミスだったりするポイントがあります。

チェックリスト1:単純なバルブの閉め忘れ(最優先確認!)

水抜き作業の後は、これが本当に一番多い原因かもしれません。普段触らない場所を操作したので、元に戻し忘れているパターンですね。

タンク下部の「排水栓」は、しっかり閉まっていますか?

これが開いたままだと、タンクに水(お湯)が溜まることなく、そのまま外に流れ出てしまいます。固く閉まっているか確認してください。

タンクへの「給水止水栓(給水バルブ)」は、開いていますか?

水抜きのために閉めた後、開け忘れていると、そもそもタンクに水が供給されません。

タンク上部の「逃し弁」のレバーは、元に(下がった状態に)戻っていますか?

エア抜きや水抜きでレバーを上げた(起こした)ままになっていると、そこから水が排出され続けてしまい、お湯が溜まりません。

チェックリスト2:深刻なエア噛み(エアロック)

配管内の空気の量が多すぎて、水の流れを完全に塞いでしまっている状態です。空気のカタマリが栓のようになって、お湯が出てこられないんですね。この場合は、故障ではなく空気の問題なので、後ほど説明する「エア抜き作業」を、もう一度(場合によっては時間をおいて何度か)丁寧に行うことで解消されるはずです。

チェックリスト3:給水ストレーナー(フィルター)の詰まり

先ほどの「断水復旧後」に、特に多いのがコレですね。給水配管の接続部(タンクの給水口)にある「給水ストレーナー(ゴミ受けフィルター)」が、断水時の泥水やサビで完全に目詰まりしている可能性があります。こうなるとタンクに水が入らないのでお湯が出ません。

取扱説明書を見ながら、ご自身で止水栓を閉じてフィルターを取り外し、歯ブラシなどで清掃することも可能ですが、場所が分かりにくかったり、固着していたりすることも多いです。自信がなければ無理せず業者さんに相談するのが良いと思います。

チェックリスト4:単純な「湯切れ」(沸き上げ中)

水抜き・断水復旧直後は、当然タンクは空っぽか、水の状態です。エコキュートは、タンクを満水にしてから、ヒートポンプユニットがお湯を沸き上げるまでに、かなりの時間がかかります。(機種や季節、設定によりますが、満タンまで約6〜8時間くらいかかることも普通です)。

リモコンに「沸き上げ中」の表示が出ていないか、お湯が沸き上がるまで十分に時間が経過しているか、確認してみましょう。単にまだお湯ができていないだけかもしれません。

チェックリスト5:その他の原因(混合水栓や本体故障)

これらを確認してもダメな場合、以下も考えられます。

特定の蛇口だけの不具合(混合水栓の故障)

「キッチンはお湯が出るけど、お風呂のシャワーだけ出ない」といった場合。これはエコキュート本体ではなく、お風呂場の混合水栓(蛇口)内部のカートリッジなどが故障している可能性が高いです。

エコキュート本体の故障

リモコンに、何らかのエラーコードが表示されていないか確認してください。センサーの異常や基板の故障などで、給湯を停止している可能性もあります。

ジロー

上記のチェックリストは、しっかり確認してください。

エコキュート水抜き後のゴボゴボ音の対処法

さて、原因がだいたいわかったところで、いよいよ本題のエコキュート水抜き後ゴボゴボ音の具体的な対処法、つまり「エア抜き」作業について見ていきましょう。この作業さえしっかりやれば、あの不快な音は解決できるはずです。

ただ、メーカーごとに少し手順やコツが違うので、そのあたりも(特に三菱、パナソニック、日立)詳しく解説しますね。

  • 基本の対処法とエア抜きの手順
  • 三菱のエア抜き方法
  • パナソニックのエア抜き方法
  • 日立のエア抜き方法
  • 音が止まらない時の確認点
  • 業者依頼が必要なケース
  • 【総括】エコキュートの水抜き後にするゴボゴボ音

基本の対処法とエア抜きの手順

基本の対処法とエア抜きの手順
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ゴボゴボ音の根本的な解決策は、配管内に混入してしまった空気を強制的に外に追い出す「エア抜き(空気抜き)」作業です。この作業は、音を消すためだけでなく、お湯が出ない、水圧が弱いといったトラブルを未然に防ぎ、エコキュートの正常な機能を回復させるために不可欠です。

エア抜きは、主にお湯を貯める「貯湯タンクユニット」と、お湯を沸かす「ヒートポンプユニット(室外機)」の2箇所、そして家の中の給湯配管に対して行う必要があります。

【最重要】エア抜き作業前の絶対的な注意点

この作業、一般の私たちでも可能ですが、危険な作業でもあります。以下の点を、絶対に守ってください。

1.火傷(やけど)に厳重注意!

エア抜き作業中、水抜き栓や逃し弁からは、80℃以上の非常に高温の熱湯が、空気と一緒に勢いよく噴き出す可能性があります。作業は必ず厚手のゴム手袋や軍手をし、さらに乾いた厚手のタオルなどで栓やレバーを覆いながら、絶対に素手で触ったり、お湯を体に浴びたりしないよう、顔や体を離して慎重に行ってください。

2.ヒートポンプの水抜き栓は「緩める」だけ!

ヒートポンプユニット(室外機)側にある水抜き栓(通常、樹脂製か金属製)は、絶対に抜き取らないで、「緩める」(反時計回りに回す)のが鉄則です。完全に抜いてしまうと、水圧で栓が遠くまで飛んでいって紛失したり、パッキンが外れて元に戻せなくなったり、最悪の場合、部品の破損や故障の原因になります。

基本的なエア抜きの流れは、以下の3ステップになることが多いです。

手順1:ヒートポンプユニット(室外機)の手動エア抜き

まずはお湯を沸かす心臓部、室外機側の空気を抜きます。これが一番重要かもしれません。

  • ヒートポンプユニット(室外機)の側面や下部にある水抜き栓の位置を確認します。(通常2〜3箇所あります)
  • 火傷に注意し、タオルなどで覆いながら、水抜き栓を反時計回りにゆっくりと約1回転ほど緩めます。(警告:絶対に抜き取らないでください)
  • 「シューッ!」「ゴボゴボッ!」という音と共に、空気と混じった水(お湯)が出てきます。
  • 音が安定し、空気の混じらない水(お湯)だけが連続して「スーッ」と出るようになるまで、最低でも1分以上は待ちます。中途半端だと空気が残ります。
  • 水だけになったことを確認したら、水抜き栓を時計回りに回してしっかりと閉じます。
  • 他の水抜き栓(あれば)についても、同様の作業を繰り返します。

手順2:貯湯タンク(本体上部)のエア抜き

次に、お湯を貯めるタンク本体の、一番上に溜まった空気を抜きます。

  • 貯湯タンクユニットの最上部(天面)にある「逃し弁(のがしべん)」のカバーを開けます。
  • 内部にある「逃し弁」のレバーを見つけます。(銀色や樹脂製のレバーです)
  • そのレバーを(火傷に注意しつつ)手前に「カチッ」と音がするまで起こします(上げます)。
  • 排水口(排水配管)から水(または空気と混じった水)が出てきます。「シュー」と空気が抜ける音がすることも。
  • この状態のまま、約1分間、水を出しっぱなしにして待ちます。
  • 1分後、レバーを元に戻します(下げます)。

手順3:家の中(蛇口)の給湯配管エア抜き

最後に、エコキュート本体から家の中(キッチンや洗面所、浴室)への給湯配管に残っている最後の空気を抜きます。

  • 火傷を防止するため、リモコンで給湯温度を一時的に一番低く設定します(例:「水」や30℃など)。
  • キッチンや洗面所の給湯栓(お湯側の蛇口)を、最初はゆっくりと開きます。
  • 最初は「ゴボッ、ゴボッ!」と空気の混じった水が、文字通り「飛び散る」ように出てきます。
  • やがて音が消え、安定したお湯(この場合は設定した低温水)が連続して出るようになれば、宅内の配管も含めたすべてのエア抜きが完了です。
  • 他の蛇口(シャワーなど)からも同様に空気抜きを行うと、より確実です。
ジロー

メーカーや機種により順番が前後することがあります。必ず取扱説明書で、確認してください

三菱のエア抜き方法

三菱電機のエコキュートは、利便性が高く、リモコン操作による「自動エア抜き機能」を搭載している機種が多いのが大きな特徴ですね。

  • まず、貯湯タンクユニットの漏電遮断器(ブレーカー)が「入」になっていることを確認します。
  • 台所リモコンの「選択スイッチ(▲と▼)」または「洗濯」ボタンと「上撃」ボタンを、同時に3秒以上長押しします。(※この操作ボタンは機種や年式によって異なります)
  • リモコンに「エア抜き」や「HPエア抜き運転中」といった表示が出て、約10分〜15分程度の自動エア抜き運転(ヒートポンプ側の空気を強制循環させて抜く運転)が開始されます。
  • 多くの人がこの自動運転が終了したら「完了」と誤解しがちなのですが、三菱電機は多くの場合、この自動運転が終了した「後」で、さらに【手順2】の「貯湯タンク上部の逃し弁」レバーを手動で起こし、約1分間タンク上部のエア抜きをするよう指示しています。1分後、逃し弁のレバーを元に戻します。
  • 最後に、リモコンの時刻や給湯設定がリセットされていないか確認して、完了です。
ジロー

自動運転だけで終わらせて「ゴボゴボ音が止まらない」というケースは、この「最後の逃し弁の手動操作」を省略していることが原因である可能性が非常に高いので、忘れないようにしたいですね。

パナソニックのエア抜き方法

パナソニックの場合は、三菱のようなリモコンでの自動運転機能よりも、ヒートポンプユニット(室外機)の水抜き栓を使った「手動エア抜き」をしっかりと行うことを、指示している場合が多いかなと思います。

  • 火傷に十分注意しながら、ヒートポンプユニット(室外機)の下部や側面などにある水抜き栓(通常2〜3箇所)の位置を確認します。
  • タオルで栓を覆いながら、(抜かずに)反時計回りに1回転以上緩めます。
  • 「ゴボゴボ」という音と共に、空気混じりの水が出てきます。
  • この時、空気が抜けきるまで、水だけが勢いよく連続して出るようになるまで、必ず「1分以上」は待ち続けてください。ここの時間が短いと、配管内部の空気が抜けきりません。
  • エアが完全に抜けきったことを確認したら、水抜き栓をすべて固く閉じます。
  • 最後に、貯湯タンク側の「逃し弁」レバーも操作し(上記「基本の手順2」参照)、タンクが満水であること(空気が出ないこと)を確認して完了です。
ジロー

パナソニックは、このヒートポンプ側の手動エア抜き(1分以上)が、一番のキモになりそうですね。

日立のエア抜き方法

日立も、三菱と同様に、リモコンのメニュー内から「自動エア抜き操作」を選択できるモデルがありますね。

  • 台所リモコンのメニューボタン(機種により「メニュー」「設定」など)を押します。
  • 画面を操作し、「その他」や「メンテナンス」といった項目を探します。
  • その中に「HPエア抜き」(ヒートポンプエア抜き)という項目があるので、それを選択し、決定ボタンを押します。
  • 自動でヒートポンプのエア抜き運転が開始されます(約10分程度)。
  • (三菱のケースと同様に)日立の場合も、自動運転が完了した後、念のため、貯湯タンク本体上部の「逃し弁」レバーを手動で1分間操作し、タンク上部のエア抜きも合わせて行っておくと、より確実かなと思います。

【最重要】必ず「取扱説明書」の正本を確認してください

ここで紹介したのは、あくまでメーカーごとの一般的な傾向や一例です。同じメーカーであっても、エコキュートの機種や製造年式によって、操作方法(リモコンのボタンの位置やメニューの階層、自動運転の有無)が全然違うことがよくあります。

作業を行う前には、必ずご自宅のエコキュートに付属している「取扱説明書」「据付工事説明書」を引っ張り出してきて、そこに記載されている正規のエア抜き手順を熟読しながら、安全第一で行ってくださいね。

ジロー

もし取扱説明書を紛失してしまった場合は、メーカーの公式サイトで「(型番) 取扱説明書」と検索すれば、PDFデータが見つかるはずです。

音が止まらない時の確認点

音が止まらない時の確認点
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「手順通りにエア抜きしたはずなのに、まだゴボゴボ音が止まらない!」「一旦止まったけど、また鳴り出した!」

これはかなり困りますし、不安になりますね。

原因1:エア抜きが不十分だった

これが一番可能性が高いかなと思います。一度の作業では、配管内の複雑な経路(特に曲がり角など)に溜まった空気が、しぶとく抜けきらないことがあります。

特に、ヒートポンプの水抜き栓からの排水時間(目安1分以上)や、貯湯タンクの逃し弁の開放時間(目安1分間)が不足していた可能性があります。

対処法

面倒でも、もう一度、最初からエア抜き作業(HPU→STU→宅内蛇口)を繰り返してみてください今度は、各ステップを「もう十分すぎるかな?」と思うくらい、時間をかけて(例えば各栓から2〜3分出すなど)丁寧に行ってみてください。これで解決することも多いです。

場合によっては、一晩おいて、空気が上部に集まるのを待ってから再度試すと抜けることもあります。

原因2:配管や接続部の劣化による「エア吸い」

エコキュートを設置してから長年(例えば10年以上)経過している場合、配管の接続部分や、内部のパッキン(ゴム部品)が経年劣化で硬化・収縮していることがあります。

すると、運転中に配管内が負圧(吸い込む力)になる特定の瞬間に、その劣化した隙間から常にわずかな空気を吸い込んでしまう(=エア吸い)ことがあります。この場合、エア抜きをしても、運転するたびに空気を吸い込むので、一時的にしか改善しません。

対処法

これはユーザー側での対処は不可能です。パッキンの交換や配管接続部の修理が必要になるため、専門の業者さんによる点検・修理が必要になります。エコキュートの寿命が近いサインかもしれません。

原因3:フィルターや配管の汚れ

これは音の原因として稀ですが、浴槽の循環口フィルター(お風呂の中にある金具のフィルター)が髪の毛や湯垢でひどく詰まっていたり、追いだき配管の内部が汚れで狭くなっていたりすると、水の循環がスムーズに行かず、それが原因で異音(空気の混入とは別の)が発生することがあります。

対処法

まずは浴槽の循環口フィルターを、歯ブラシなどで徹底的に掃除してみてください。また、エコキュートのリモコンに「配管洗浄」機能(自動で追いだき配管を洗浄する機能)があれば、それを実行してみてください。それでもダメな場合は、専門業者による配管洗浄(ジェット洗浄など)を検討する必要があります。

ジロー

まず疑うべき原因から、上記の順番に確認していきましょう。

業者依頼が必要なケース

業者依頼が必要なケース
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ほとんどのゴボゴボ音は、正しいエア抜き作業(場合によっては2〜3回繰り返す)で解決できるはずです。ですが、以下に示すような状況では、ユーザー自身での対処には限界があり、リスクを伴う可能性もあります。

ちょっとこれは手に負えないかもと感じたら、無理をしたり放置したりせず、速やかに専門の業者さん(機器を設置した施工店や、メーカーのカスタマーサポート)に連絡するべきですね。

専門業者に「点検・修理」を依頼すべきサイン

1.危険な「異常音」がする

ゴボゴボではなく、本記事の前半で解説した「キーン」「ピーピー」「ボンッ」「ガガガ」といった、明らかに危険な異常音が聞こえる場合。これはエア抜きではなく、重大な故障の兆候です。

2.エア抜きを正しく行っても、症状が全く改善しない

取扱説明書通りに、時間をかけてエア抜き作業を何度か試してもゴボゴボ音が消えない場合、または「お湯が出ない」「水圧が戻らない」といった症状が改善しない場合。(前述の「エア吸い」や部品故障の可能性)

3.他の異常を併発している

音の発生と同時に、配管の接続部やエコキュート本体(貯湯タンク、HPU)から「水漏れ」が発生している場合。これは緊急性が高いです。

4.エラーコードが消えない

リモコンに何らかのエラーコードが表示され、リセット操作やエア抜きを行っても消えない場合。

5.長期間(10年以上)使用している

全体的な劣化(エア吸いなど)が疑われ、根本的な点検が必要な場合。

エコキュートは、電気と高温の水、そして冷媒ガスを扱う非常に複雑な住宅設備です。私たちユーザーが無理に自己解決しようとして、かえって故障を悪化させたり、感電や火傷などの重大な事故につながったりしては元も子もありません。

業者さんに連絡する際は、「いつから(水抜き後、断水後など)」「どんな音が」「どんな症状(お湯が出ない、など)」「自分で試したこと(エア抜きを○回やった、など)」「リモコンのエラーコード(出ていれば)」を伝えると、状況が伝わりやすくスムーズかなと思います。

信頼できる水のトラブル修理業者をピックアップして、口コミやメリットデメリット、選ばれる理由や特徴などを徹底解説しました。

4つの業者の口コミやメリットデメリット、選ばれる理由や特徴などを徹底解説しました。下記の記事も、参考にしてください。

【水のトラブルならおすすめの業者徹底解説】
>>街角水道工事相談所の口コミって?メリットデメリットや選ばれる理由
>>イースマイル水道修理の評判は本当?口コミで見える信頼性と対応力
>>水の救急隊口コミでわかる評判とは?メリットデメリットや特徴を解説
>>水110番の口コミで発覚した評判とは?選ばれる理由や注意点を解説

ジロー

異常を感じた場合、または対処に少しでも自信が持てない場合は、安全を最優先し、プロに点検・修理を依頼することが、最も確実で安心な解決策だと思います。

【総括】エコキュートの水抜き後にするゴボゴボ音

【総括】エコキュートの水抜き後にするゴボゴボ音
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今回は、多くの人が経験するエコキュートの不安な音の原因と、その具体的な対処法について、かなり詳しく見てきました。

あの不快な音の正体は、ほとんどの場合「空気(エア噛み)」であり、故障ではないこと。そして、基本的にはメーカーの指示に従った正しい「エア抜き作業」で解決できる、というのが最大のポイントでしたね。

今回の総まとめ:ゴボゴボ音が出たら

  • 音の正体は「空気」。慌てなくて大丈夫。でも放置すると「お湯が出ない」不具合に繋がるので対処は必要。
  • 「キーン」「ボンッ」といった危険な音とは、冷静に聞き分けて、もし該当したら即使用中止&業者連絡。
  • 対処法は「エア抜き」。火傷に細心の注意を払い、「ヒートポンプ(室外機)」と「貯湯タンク(本体)」の両方、最後に「宅内蛇口」の空気を抜く。
  • 断水復旧時は、いきなりエコキュートに通水せず、先に他の蛇口で「泥水」や「空気」を抜くのが鉄則。
  • メーカーごとの違いに注意。三菱や日立は「自動エア抜き」機能があっても、その後の「手動エア抜き(特に逃し弁)」も忘れずに。パナソニックはHPUの「手動エア抜き(1分以上)」が重要。
  • 必ず「取扱説明書」で正規の手順を確認すること。
  • 何度やっても直らない時や、水漏れ・エラーを伴う時は、無理せず迷わず専門業者に相談する。

水抜きや断水後のゴボゴボ音は、ある意味「配管に空気が入りましたよ!ちゃんとエア抜きしてくださいね!」という、エコキュートからの分かりやすいお知らせサインなのかもしれませんね。

この記事の情報は、あくまで一般的な目安や参考として活用していただき、実際の作業は、くれぐれもご自宅の取扱説明書をよく確認し、安全に十分注意して行ってください。もし少しでも不安があれば、お近くの水道業者さんや、エコキュートを設置した工務店さんなど、専門の業者さんにご相談くださいね

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こちらの記事「キンライサーのエコキュート交換の評判って?選ばれる理由や特徴とは」では、口コミやメリットデメリットなど他、評判や特徴を徹底解説しましたので、参考にしてください。

ジロー

皆さんのエコキュートが、あの「ゴボゴボ」音から解放されて、また静かで快適な日常を取り戻す、その一助になれば幸いです。

【参考】
>>エコキュートのリース審査に落ちた…原因や対策と買取との違いとは!
>>エコキュートパワフル高圧のデメリットって?標準との違いや選び方
>>エコキュートの無料点検電話は詐欺?見分け方や対処法と注意点を解説
>>エコキュート370Lでお湯が足りない原因って?具体的対策と選び方
>>エコキュート室外機カバーは必要なのか?その理由と選び方のポイント
>>エコキュートの凍結防止は残り湯なしでも可能?効果的な具体策と方法
>>エコ救fromおうちのアラート口コミの評判と選ばれる理由とは?
>>エコキュート補助金が振り込まれない原因って?確認手順と対処法とは
>>エコキュートの電源を切る時の注意点!正しい手順や節電効果とは

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