突然インターホンが鳴らなくなり、お困りではありませんか?その原因は、ブレーカーにあるかもしれません。しかし、いざ分電盤を見ても、インターホンのブレーカーはどれで、一体どこにあるのか分からないという方も多いはずです。
また、インターホンのブレーカーが落ちる原因や、電源が通ってない時の具体的な対処法について、正確な知識がないと不安になります。
特に、オートロックインターホンのブレーカーが落ちたらどうすればよいのか、そもそもインタホーンの配線の仕組みはどうなっているのかといった、専門的な疑問も浮かんでくるでしょう。
さらに、インターホンを交換する時にブレーカーをどう扱うべきか、ブレーカーを切る際の注意点を知らないと、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
この記事では、電源直結式の外し方から、交換するならおすすめの電源直結式インタホーンまで、インターホンとブレーカーに関するあらゆる疑問に、専門的な知見から分かりやすくお答えします。

是非、参考にしてください。
【記事のポイント】
1.インターホンのブレーカーが落ちる、主な原因と特定方法
2.電源が入らない時に取るべき、正しい対処の手順
3.インターホン交換時に必要な、ブレーカーの操作と安全上の注意点
4.オートロックや電源直結式インターホンに関する、専門的な知識
インターホンのブレーカーが落ちる…どうすれば?


- インターホンのブレーカーはどれ?場所はどこ…
- インターホンのブレーカーが落ちる原因
- インタホーンの電源が通ってない時の対処法
- オートロックインターホンのブレーカーが落ちたら?
- インタホーンの配線の仕組みって?
インターホンのブレーカーはどれ?場所はどこ…


インターホンの電源が入らなくなった際、まず確認するのが分電盤ですが、インターホン専用と書かれたブレーカーはほとんど存在しません。多くの場合、インターホンの電源は、照明やコンセントなどと同じ回路に含まれる「安全ブレーカー」の一つによって、管理されています。
分電盤は、一般的に玄関や洗面所、キッチンなどの壁面上部に設置されています。分電盤には大きく分けて3種類のブレーカーがあります。
1.アンペアブレーカー
家全体の電気契約量を管理する一番大きなブレーカーです。これが落ちると家全体が停電します。
2.漏電ブレーカー
漏電を検知した際に電気を遮断し、火災や感電事故を防ぐためのブレーカーです。
3.安全ブレーカー
各部屋や回路ごとの電気を管理する、小さなブレーカーです。「台所」「居間」「エアコン」のように、場所や用途で分かれています。
インターホンは、これらの安全ブレーカーの中のいずれかの回路に接続されています。どのブレーカーが該当するかは、分電盤の表示だけでは判断が難しい場合があります。



その際は、一つずつ安全ブレーカーを落としてみて、インターホンの電源が切れるかを確認することで特定できますが、作業中は他の家電の電源も落ちるため、冷蔵庫や録画機器などへの影響に注意が必要です。
インターホンのブレーカーが落ちる原因


インターホンが接続されている安全ブレーカーが落ちる原因は、主に3つ考えられます。原因を正しく理解することが、適切な対処への第一歩となります。
電力の使いすぎ(過電流)
最も一般的な原因は、同じ回路に接続されている他の電化製品との同時使用による電力の使いすぎです。安全ブレーカーは、各回路で定められた電気容量(アンペア数)を超えると、配線を保護するために自動的に電気を遮断します。
例えば、インターホンと同じ回路にドライヤーや電子レンジ、電気ケトルといった消費電力の大きい家電が接続されている場合、それらを同時に使用するとブレーカーが落ちやすくなります。
漏電
漏電とは、電気が本来の通り道から漏れてしまう現象です。インターホン本体や屋外の子機、またはそれらを繋ぐ配線が経年劣化や雨水の侵入によって損傷すると、漏電が発生することがあります。
分電盤の「漏電ブレーカー」が落ちている場合は、家のどこかで漏電が起きているサインです。漏電は感電や火災を引き起こす可能性があり、非常に危険なため、慎重な対応が求められます。
ショート(短絡)
ショートは、電気回路内のプラスとマイナスの電線が、何らかの原因で直接触れ合ってしまう状態を指します。機器内部の故障や配線の被覆が破れることで発生し、大きな電流が流れてブレーカーが作動します。
インターホン本体の基板が故障したり、壁内の配線が傷ついたりすることでショートが起きる可能性があります。



この場合も、原因を特定せずにブレーカーを戻すと、再度ショートして危険な場合があります。
インタホーンの電源が通ってない時の対処法


インターホンの電源が突然入らなくなった場合、慌てずに手順を踏んで確認していくことが大切です。
まず最初に、分電盤を確認しましょう。いずれかのブレーカーが「切(OFF)」の位置に下がっていないかを見ます。
もし安全ブレーカーだけが落ちている場合は、電力の使いすぎが考えられます。そのブレーカーが管理する回路で使用している他の電化製品のプラグを一度すべてコンセントから抜き、ブレーカーを「入(ON)」に戻します。その後、一つずつプラグを挿し直して、どの製品が原因か特定しましょう。
次に、漏電ブレーカーが落ちている場合は、漏電の疑いがあります。この場合は、以下の手順で漏電箇所を特定します。
- まず、全ての安全ブレーカーを「切」にします。
- 次に、漏電ブレーカーとアンペアブレーカーを「入」にします。
- 安全ブレーカーを一つずつ順番に「入」にしていきます。
- ある安全ブレーカーを入れた瞬間に漏電ブレーカーが再び落ちた場合、その回路で漏電が発生しています。
原因となっている回路が特定できたら、その回路に繋がる家電の故障が疑われます。
ただし、原因が特定できない場合や、壁内配線での漏電の可能性も考えられるため、無理に復旧させようとせず、速やかに電気工事店などの専門業者に連絡してください。



ブレーカーに全く問題がないにもかかわらず電源が入らない場合は、インターホン本体の故障や寿命、または配線の断線といった物理的な問題が考えられます。
オートロックインターホンのブレーカーが落ちたら?


マンションなどの集合住宅で採用されているオートロック連動型インターホンの場合、ブレーカーが落ちた際の対処は戸建て住宅とは異なります。最も重要なのは、自分で判断して安易に操作せず、まずマンションの管理会社や管理組合、大家さんに連絡することです。
オートロックシステムは、各住戸のインターホン(親機)だけでなく、エントランスの集合玄関機や制御盤など、建物全体の共用設備と連携して動作しています。そのため、不具合の原因が自室の専有部分にあるのか、建物全体の共用部分にあるのかを個人で判断するのは困難です。
仮に自室のブレーカーを操作して一時的に復旧したとしても、共用設備のシステムに異常をきたしている場合、他の居住者に迷惑をかけたり、システム全体を故障させたりするリスクがあります。
オートロックインターホンの電源が入らない、解錠できないといった不具合が発生した際は、速やかに管理会社へ連絡し、状況を正確に伝えて指示を仰ぐのが正しい対処法です。



専門の保守会社による点検や、修理が必要となるケースがほとんどです。
インタホーンの配線の仕組みって?


インターホンの配線の仕組みを理解しておくと、トラブルの原因究明や交換時の判断に役立ちます。インターホンシステムは、主に2種類の配線によって構成されています。
通信線(チャイムコード)
一つは「通信線(チャイムコード)」です。これは、屋外に設置された子機(玄関の呼び出しボタン)と、室内に設置された親機(モニター付き本体)とを繋ぎ、呼び出し信号や音声、カメラ付きの場合は映像といった情報をやり取りするための配線です。比較的電圧が低く、細い線が使われるのが特徴です。
電源線(VVFケーブル)
もう一つが「電源線(VVFケーブル)」です。これは、インターホンの親機本体に動作するための電気(AC100V)を供給するための配線です。壁の中の配線から直接電気を取る、「電源直結式」のインターホンにのみ接続されています。高電圧が流れているため、通信線よりも太いケーブルが使用されます。
インターホンの電源供給方法には以下の3タイプがあり、それぞれ配線の状況が異なります。
1.電源直結式
壁内の電源線と通信線が、親機に直接接続されています。
2.電源コード式
親機から伸びる電源コードを、近くのコンセントに挿して電気を取ります。壁内には通信線のみが配線されています。
3.乾電池式・ワイヤレス式
親機も子機も乾電池や充電池で動作するため、壁内の配線は一切使用しません。



自宅のインターホンがどのタイプかによって、交換の難易度や資格の要否が変わってきます。
インターホンのブレーカー操作と交換時の知識


- インターホンを交換する時にブレーカーは?
- インターホンのブレーカーを切る際の注意点
- インターホン電源直結式の外し方
- 交換するならおすすめ電源直結式インタホーン
- インタホーンのブレーカーに関するよくある質問
インターホンを交換する時にブレーカーは?


インターホンを自分で交換しようとする際、安全を確保するためにブレーカーの操作は不可欠です。結論から言うと、交換作業の前には、必ず該当する回路のブレーカーを「切(OFF)」にする必要があります。
特に「電源直結式」のインターホンの場合、親機には家庭用のAC100Vという高い電圧が直接供給されています。ブレーカーを落とさずに作業を行うと、配線に触れた際に感電する恐れがあり、命に関わる重大な事故につながりかねません。これは絶対に避けなければなりません。
「電源コード式」「乾電池式」のインターホンであっても、作業中の誤作動を防いだり、万が一のショートから機器を守ったりするために、念のためブレーカーを落としておくことが推奨されます。
作業手順としては、まず前述の方法でインターホンに繋がっている安全ブレーカーを特定します。次に、そのブレーカーを確実に「切」の位置に下げ、テスターなどで通電していないことを確認してから、作業を開始するのが最も安全な流れです。



作業が完了し、配線を元通り接続した後に、ブレーカーを「入(ON)」に戻して動作確認を行いましょう。
インターホンのブレーカーを切る際の注意点


インターホン交換などのためにブレーカーを切る際には、感電防止以外にもいくつか注意すべき点があります。安全かつスムーズに作業を進めるために、以下のポイントを必ず確認してください。
切るべきブレーカーを正確に特定する
第一に、「切るべきブレーカーを正確に特定する」ことです。もし間違えて別の回路のブレーカーを落としてしまうと、インターホンの電源は切れていないため感電のリスクが残る一方で、関係のない家電の電源が落ちてしまいます。
他の家電製品への影響を考慮する
第二に、「他の家電製品への影響を考慮する」ことです。ブレーカーを落とすと、その回路に接続されている全ての機器への電力供給が止まります。特に注意したいのが冷蔵庫です。長時間電源が切れると中の食材が傷んでしまう可能性があります。
また、ハードディスクレコーダーの録画予約や、パソコンでの作業中に電源が落ちると、データが失われることも考えられます。作業を始める前に、家族に声をかけるなどして、電源が切れても問題ないか確認することが大切です。
作業後の通電火災のリスク
第三に、「作業後の通電火災のリスク」です。これはあまり知られていませんが、ブレーカーを戻して電気が復旧した際、アイロンや電気ストーブなどの電熱器具の電源が意図せず入ってしまうと、火災の原因となることがあります。



作業前に、該当回路にある家電のプラグを抜いておくと、より安全です。
インターホン電源直結式の外し方


電源直結式のインターホンは、壁内の電源線に直接接続されているため、その取り外しや取り付けには「電気工事士」の国家資格が、法律で義務付けられています。資格を持たない人がこの作業を行うことは、電気工事士法に違反し、罰則の対象となるだけでなく、深刻なリスクの原因となり大変危険です。
ここでの解説は、あくまで有資格者が作業を行う際の参考情報として捉えてください。ご自身での作業は絶対に避け、必ず資格を持つプロの電気工事店に依頼しましょう。
有資格者が行う、一般的な取り外し手順は以下の通りです。
1.ブレーカーの遮断
何よりも先に、該当する回路の安全ブレーカーを確実に「切」にします。検電ドライバーなどで通電していないことを二重に確認します。
2.親機の取り外し
通常、親機は壁の取り付け金具に引っかかっているだけなので、本体を少し上にスライドさせると手前に外せます。
3.配線の取り外し
親機の裏側には、電源線(白と黒の2本)と通信線が接続されています。電源線の接続部分は、多くの場合、解除用の小さな穴やボタンがあります。そこにマイナスドライバーなどを差し込みながら線を引き抜きます。
4.絶縁処理
取り外した電源線の先端は、銅線がむき出しになっています。このまま放置すると非常に危険なため、ビニールテープ(絶縁テープ)をしっかりと巻きつけて絶縁処理を施します。
5.取り付け金具の撤去
壁にネジで固定されている取り付け金具を、ドライバーで外します。



知識や手順は参考までにと捉え、必ずプロの有資格者に依頼しましょう。
交換するならおすすめ電源直結式インタホーン


インターホンの寿命は約10年〜15年と言われており、故障を機に新しいものへ交換を検討する方も多いでしょう。近年のインターホンは機能が飛躍的に向上しており、防犯性や利便性を高める絶好の機会です。
電源直結式のインターホンを選ぶ際のポイントと、代表的な製品をいくつか紹介します。
選ぶ際のポイント
1.モニター機能
画面が大きいほうが見やすく、来訪者の顔をしっかり確認できます。また、夜間でも鮮明に映るカラー液晶やLEDライト付きがおすすめです。
2.録画機能
留守中に誰が来たかを自動で録画してくれる機能は、防犯上非常に有効です。
3.スマホ連携機能
専用アプリを使えば、外出先でもスマートフォンで来客応対や施錠確認ができるモデルもあります。
4.拡張性
玄関子機を増やしたり(二世帯住宅など)、窓センサーや火災警報器と連携させたりできる拡張性の高いモデルを選ぶと、将来のライフスタイルの変化にも対応できます。
代表的な製品例
メーカー | 型番 | 主な特徴 |
---|---|---|
パナソニック | VL-SE35XL | 3.5型カラー液晶、夜間用LEDライト、留守中録画 |
アイホン | ZA-TD2 | 3.5型モニター、カメラ角度調整、シンプル表示 |
パナソニック | VL-SWE710KS | スマホ連携、広角レンズ、電気錠対応 |






これらの情報は、一例です。ご自宅の環境や必要な機能、予算に合わせて最適な製品を選ぶことが大切です。



設置には前述の通り電気工事士の資格が必要なため、購入と合わせて工事を依頼できる販売店や、信頼できる電気工事店に相談することをおすすめします。
インタホーンのブレーカーに関するよくある質問


ここでは、インターホンとブレーカーに関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式でお答えします。
- ブレーカーが何も落ちていないのにインターホンが使えません。なぜですか?
-
ブレーカーに問題がない場合、インターホン本体の故障や寿命が最も考えられます。一般的にインターホンの寿命は10~15年とされています。内部の電子部品が劣化して動作しなくなることがあります。
また、親機と子機を繋ぐ通信線が、壁の中で断線したり接続部で接触不良を起こしたりしている可能性も考えられます。この場合は、専門業者による点検が必要です。
- 賃貸マンションのインターホンを交換したいのですが、勝手にやってもいいですか?
-
いいえ、絶対に勝手に交換してはいけません。賃貸物件のインターホンは、エアコンなどと同じく部屋の「設備」であり、所有者は大家さんや管理会社です。
故障した場合や交換を希望する場合は、必ず管理会社や大家さんに連絡して許可を得るか、対応を依頼してください。特にオートロック連動型の場合は、建物全体のシステムに関わるため、個人での交換は不可能です。
- インターホンの交換工事には、どれくらいの費用がかかりますか?
-
費用は、交換するインターホンの機種と、現在の設置状況によって大きく変動します。一般的な目安として、シンプルなモニター付きインターホンへの交換であれば、機器代と工事費を合わせて総額で30,000円~50,000円程度が相場とされています。
スマホ連携などの高機能なモデルや、配線の引き直しが必要な場合は、さらに費用がかかります。正確な金額を知るためには、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。



よくあるQ&Aも、参考にしてください。
【総括】正しい知識でインターホンのブレーカーに対応
記事のポイントを、まとめます。
- インターホン専用のブレーカーは、ほとんど存在しない
- 多くの場合、照明などと同じ回路の安全ブレーカーに接続されている
- 分電盤は、玄関や洗面所の壁にあることが多い
- ブレーカーが落ちる主な原因は、「電力の使いすぎ」「漏電」「ショート」の3つ
- 電力の使いすぎは、同じ回路の家電の同時使用で起こりやすい
- 漏電ブレーカーが落ちた場合は、感電や火災のリスクがあり特に注意が必要
- 対処の第一歩は分電盤を見て、どのブレーカーが落ちているかを確認すること
- 漏電が疑われる場合は、手順に沿って慎重に原因箇所を特定する
- オートロック付きマンションの場合は、自分で判断せずまず管理会社に連絡する
- インターホンの配線は、主に「通信線」と「電源線」で構成される
- インターホンの交換作業を行う際は、必ず該当するブレーカーを落とす
- 電源直結式のインターホンの取り外しや設置には、電気工事士の資格が必須
- 無資格での電気工事は、法律違反であり大変危険
- 賃貸物件の設備であるインターホンを、勝手に交換することはできない
- 原因が分からない場合や少しでも不安を感じた場合は、迷わず専門業者に相談する
【参考】
>>ポスト一体型のインターホン交換方法って?基礎知識や費用と注意点
>>インターホンとドアホンの違いとは?用途や特徴と失敗しない選び方
>>スマホ連動の後付けインタホーンをマンションに最適な設置と活用法
>>インターホンがならないようにするには?設定や静音対策の完全ガイド
>>インターホンが別の部屋で聞こえない?原因と最適な解決策を徹底解説
>>古いタイプのインターホンは簡単に交換できる?費用や方法を徹底解説
>>インターホンを何回も鳴らす理由って?警察への通報や対処法を解説