「あれ、さっき誰か来たはずなのに…インターホンの履歴が残らない…」訪問者がボタンを押した形跡はあるのに、録画データがどこにも見当たらないと、なんだかすごく不安になりますよね。
もしかして故障かな?と心配になったり、SDカードのエラーなのか、それともモニターが映らないだけなのか、原因が分からなくて困ってしまうことも少なくないと思います。実は私も、以前住んでいた賃貸物件で同じような経験をしたことがあるんです。
また、このお悩みには録画できなくて困るというケースとは別に、「プライバシーのために意öt的に録画させない設定にしたい」という逆のニーズもあるかもしれません。
ジローこの記事では、そんなインターホンの録画にまつわる「困った」をスッキリ解決していきます。
【記事のポイント】
1.インターホンの履歴が残らない、主な原因の切り分け方
2.自分でできる簡単な対処法と、確認ステップ
3.意図的に録画機能をオフにする方法
4.工事不要で設置できる、最新インターホンの選択肢
インターホンで履歴が残らない時の原因究明
インターホンの録画がうまくいかない時って、いきなり「本体が故障した!」と決めつけてしまうのは、ちょっと早いかもしれません。多くの場合、原因はもっと単純なところ、特に設定ミスや記録メディアのトラブルに隠れていることが多いんです。
ここでは、比較的よくある原因から順番に、ご自身で確認できるポイントを詳しく解説していきます。まずは落ち着いて、一番可能性の高いところからチェックしていきましょう。
- 真っ先に疑うべきSDカードの異常
- パナソニック製はエラーコードを確認
- 見落としがちな本体の録画設定ミス
- 音は鳴るのにモニターが映らない故障
- ワイヤレス式特有の電波干渉と対処
- 電源や配線系統のトラブルも原因に
真っ先に疑うべきSDカードの異常


録画機能付きインターホンのトラブルで、最も多く、そして最初に確認すべき原因がこの「SDカード」に関するものです。録画された映像や音声は、ほとんどの場合この小さなカードに保存されるわけですから、ここが正常に動いていないと何も記録されないのは当然ですよね。
考えられる原因は一つではないので、順番に見ていきましょう。
SDカードの容量不足
まず一番シンプルで、意外とやってしまいがちなのがSDカードの容量不足です。カードの記憶容量が満杯になってしまうと、当然ながら新しい録画はできません。
多くの機種には、容量がいっぱいになると古いデータから自動的に上書きして新しい録画データを保存する「自動上書き」機能が備わっていますが、この設定が何かの拍子でオフになっていると、カードが満杯になった時点で録画はピタッと止まってしまいます。まずは設定メニューを確認してみてください。
フォーマット形式の間違い
これは意外と見落としがちですが、非常に重要なポイントです。それは、SDカードのフォーマット形式(ファイルシステム)がインターホンに対応していないというケース。
例えば、パソコンで標準的にフォーマットすると「exFAT」「NTFS」といった、形式になることがありますが、インターホン側の多くは、「FAT32」という古い形式しか認識できない場合があります。
これをインターホンに挿入すると「認識できないカードです」というエラーが出てしまい、もちろん録画もできません。
フォーマットは必ずインターホン本体で!
新しいSDカードを使い始める時や、どうも調子が悪いなと感じた時は、パソコンではなく必ずインターホンの親機本体のメニューから「SDカード初期化」「フォーマット」を、実行してください。これによって、そのインターホンが要求する正しい形式で初期化されるため、形式違いによるトラブルを確実に防げます。これは鉄則ですね。
書き込み禁止(ロック)スイッチ
SDカードの側面(通常は左側)に、小さなスライド式の「LOCK」スイッチがあるのをご存知ですか?これが物理的にロック側にスライドされていると、カード内のデータを読み取ることはできても、新しいデータを書き込むことが一切できなくなります。
microSDカードをSDカードサイズのアダプタに挿して使っている場合は、そのアダプタ側にスイッチが付いているので、一度取り出して確認してみてください。爪の先で簡単に動かせますよ。
規格・容量が非対応
インターホンの機種、特に少し前のモデルによっては、対応できるSDカードの「規格」「最大容量」が厳密に定められています。例えば、SDHC規格(最大32GB)まで対応の機種に、最新のSDXC規格(64GB以上)の大容量カードを入れても、そもそも規格が違うため認識してくれません。
主なSDカード規格の違い
| 規格 | 最大容量 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| SD | 最大2GB | 古い規格。最近の機器ではあまり使われない。 |
| SDHC | 4GB~32GB | 多くのインターホンで主流となっている規格。 |
| SDXC | 64GB~2TB | 大容量。比較的新しい機器でないと対応していない場合がある。 |
※お使いのインターホンの取扱説明書を必ず確認し、指定された規格と容量のカードを使用してください。
SDカード自体の寿命・故障
忘れてはならないのが、SDカードは消耗品だということです。特に常時録画や自動上書き設定で頻繁にデータの書き換えが行われると、内部のメモリーチップが徐々に劣化していきます。
また、抜き差しの際の静電気や、端子部分の汚れによる接触不良、物理的な破損なども故障の原因になります。何を試してもダメな場合は、新品の対応規格SDカードで試してみるのが一番の切り分け方法です。



それで正常に録画できれば、原因は元のカードの寿命だったと判断できますね。
パナソニック製はエラーコードを確認
もしお使いのインターホンが人気のパナソニック製(VLシリーズなど)なら、トラブルシューティングが少し楽になります。パナソニックの多くのモデルでは、SDカード関連に問題が発生すると、親機のモニターに「U」から始まるエラーコードを表示して原因を具体的に教えてくれるんです。これ、すごく親切な機能ですよね。
もしエラーコードが表示されていたら、慌てずに下の表を参考にしてみてください。原因と対処法が、ピンポイントで分かりますよ。
パナソニック製インターホンの主なSDカードエラーと対処法
| エラーコード | 表示メッセージ(例) | 原因と対処法 |
|---|---|---|
| U23 | このカードには対応していません | 親機が対応していない規格(例: SDXC)のカードが挿入されています。取扱説明書で対応規格(例: SDHC)を確認し、正しいカードに入れ替えましょう。 |
| U24 | このSDカードは書き込み禁止… | SDカード(またはアダプタ)のロックスイッチが「書き込み禁止」になっています。スイッチを解除して再度挿入してください。 |
| U25 | このSDカードは正しく認識できません | PCなどでフォーマットされた、親機が認識できない形式です。最も重要な対処法で、必ず親機のメニューから「SDカード初期化」を実行してください。 |
| U26 | 容量2GB以上のSDカード… | 親機が対応していない小さすぎる容量(例: 2GB未満)のカードが挿入されています。指定された容量のカードに入れ替えましょう。 |
| U27 | このSDカードは空き容量が不足… | SDカードの容量が満杯です。不要なデータを削除するか、親機のメニューからフォーマットを実行してください。 |
※上記は代表的なエラーコードです。



より詳しい情報については、公式サイトをご確認ください。
見落としがちな本体の録画設定ミス


SDカードに全く問題がない場合、次に疑うべきはインターホン親機本体のソフトウェア設定です。「故障だ!」と大騒ぎしていたら、実は設定が手動録画モードになっていただけ…なんていうのは、意外とあるあるかもしれません。
自動録画がオフになっていませんか?
多くの録画機能付きインターホンには、「来訪者がボタンを押した際に自動で録画する」機能が搭載されています。しかし、この設定が何かの拍子で「オフ」「手動」になっていることがあります。手動録画設定の場合、来訪者があっても自動では録画されず、室内親機の「録画ボタン」を押したときだけ履歴が残る仕様になります。
親機の「メニュー」→「設定」→「録画設定」といった項目を確認し、「自動録画」「来客時録画」「オン(入)」または「する」になっているかを必ず確認しましょう。
「録音」と「録画」を混同していませんか?
ユーザーが「履歴が残らない」と訴える際、それが映像ではなく音声の履歴を指している場合があります。注意点として、すべての録画機能付きインターホンが録音機能も備えているわけではありません。
例えば、アイホン(AIPHONE)製のテレビドアホンの多くは、映像を記録する録画機能は搭載していますが、コストやプライバシーの観点から、音声を記録する録音機能は有していないモデルも多いです(一部の特定機種を除く)。



映像は残っているが音声だけが残っていない場合、故障ではなく「元々そういう仕様」である可能性が高いです。
音は鳴るのにモニターが映らない故障


ピンポーンという呼び出し音は正常に鳴るし、マイクを通しての通話もできる。でも、室内親機のモニターだけが真っ暗、または砂嵐のままで何も映らない…。
この症状の場合、少し厄介なハードウェア故障の可能性が高まってきます。
この原因として最も考えられるのが、「玄関子機(カメラ側)の内部にあるカメラユニットや映像処理基盤の故障」です。音声信号を送る回路は生きているけれど、映像信号を送る回路だけがダメになってしまっている状態ですね。映像データが親機に一切送られていないため、親機は録画すべきデータを受け取れず、結果として履歴が残りません。



この場合は個人での分解・修理はほぼ不可能ですので、専門の業者さんに診断してもらうのが賢明かなと思います。
ワイヤレス式特有の電波干渉と対処


最近増えている、親機と子機が無線で通信するワイヤレスインターホンをお使いの場合、限定の原因です。これらの機器はWi-Fiと同じ2.4GHz帯の電波を使っていることが多く、外部からの強力な電波が干渉して通信が不安定になることがあります。
電波干渉の主な原因
- 家庭内のWi-Fiルーター
- 電子レンジ(特に動作中)
- コードレス電話の親機
- 近隣のアマチュア無線やトラックの違法無線



原因の特定は非常に困難ですが、もし録画失敗が頻発するようなら、親機と子機の位置関係を(壁などの障害物を避けるように)少し変えてみる、Wi-Fiルーターを使用している場合はルーターの使用チャンネルを変更してみる、といった対策で改善することがあります。
電源や配線系統のトラブルも原因に


どんな電子機器も、安定した電源供給が基本です。録画のような複雑な動作は特に、電源が不安定だと真っ先に機能しなくなります。
乾電池式の電池切れ
ワイヤレスタイプの子機や、一部の親機は乾電池で動作しています。電池が消耗してくると、呼び出し音が鳴らなくなったりする以前に、録画のような付加機能から停止することがあります。
電池を交換する際は、一部だけでなく必ず全ての電池を、新品のアルカリ乾電池などに交換してください。新旧の電池を混ぜて使うと、性能が十分に発揮されないことがあります。
電源リセット(再起動)
インターホンの親機も、内部にソフトウェアを持つ小型のコンピュータです。まれに一時的なフリーズやソフトウェアのバグで、録画機能が応答しなくなることがあります。親機がコンセントから電源を取る電源コード式の場合、最も簡単なリセット方法は「電源プラグをコンセントから抜く」ことです。
プラグを抜き、約10秒以上待ってから再度差し込み、親機を再起動させてみてください。これだけで直ることも結構あります。
電源直結式の取り扱いには要注意!
壁内の配線に直接接続されている「電源直結式」の場合、配線の接続端子の緩みや、経年劣化によるケーブルの腐食も原因として考えられます。ただし、この部分の確認や修理は電気工事士の資格が必要な専門作業です。



感電などの危険を伴うため、絶対に自分で触らず、購入した販売店や信頼できる電気工事業者に相談してください。
インターホンで履歴が残らない時の応用知識
ここまでは「録画ができなくて困っている…」というトラブルシューティングのお話でしたが、ここからは180度視点を変えてみましょう。プライバシーの観点や特定の事情により、「あえて履歴を残したくない」「録画機能をオフにしたい」と考えている方も、いらっしゃると思います。
そんなニーズに応えるための方法や、製品の選択肢について解説します。
- 意図的に録画させないための設定方法
- SDカードを抜いて物理的に防ぐには
- 賃貸物件で可能な工事不要の機種
- アイホン製の録画機能なしモデルとは
- 最新のクラウド録画という選択肢
- インターホンで履歴が残らない問題の総括
意図的に録画させないための設定方法
現在お使いのインターホンが録画機能付きの場合、わざわざ買い替えなくても設定変更だけで録画を停止できる可能性があります。やり方はトラブルシューティングの時と全く逆ですね。
親機のメニュー画面から「設定」→「録画設定」といった項目を探し、第1部で解説した自動録画の設定を、意図的に「オフ(切)」または「手動」に設定変更します。手動に設定した場合、来客があっても自動では録画されず、室内で意図的に録画ボタンを押さない限り、履歴は一切残りません。



これでプライバシーは、守られますね。
SDカードを抜いて物理的に防ぐには
設定変更が面倒、あるいは確実に録画を防ぎたい、という場合に最もシンプルで確実な方法がこれです。録画データの保存先であるSDカードを親機から物理的に抜いてしまえば、録画履歴は保存されようがありません。
本体の内蔵メモリにご注意
ただし、機種によってはSDカードが挿入されていない状態でも、親機本体に内蔵されたメモリに一定件数(例:静止画で最大10件までなど)の録画データが一時的に保存されるモデルもあります。



この本体メモリのデータも残したくない場合は、先ほどの「自動録画オフ」設定との併用が、最も確実な方法と言えるでしょう。
賃貸物件で可能な工事不要の機種
「賃貸だから、壁に穴を開けるような大掛かりな工事はできない…」と、高機能なインターホンの導入を諦めている方も多いかもしれません。でも、ご安心ください。最近は壁内の配線工事が一切不要なワイヤレスタイプのインターホンが各社からたくさん発売されています。
これらのモデルは、玄関子機が乾電池式で、ドアに専用の金具で引っ掛けたり、強力な両面テープで固定したりできます。そして室内親機は卓上スタンド式で、好きな場所のコンセントに挿すだけです。



これなら壁を傷つけることなく、誰でも簡単に最新の録画機能付きインターホンを導入できます。「パナソニック VS-SGZ20L」などが代表的な製品ですね。
アイホン製の録画機能なしモデルとは
現在の市場では録画機能付きがすっかり主流になっていますが、「訪問者の顔はモニターで確認したいけど、録画機能は特に必要ない」というシンプルなニーズに応えるモデルも、ちゃんと存在します。例えば、国内トップメーカーのアイホン(AIPHONE)からは「JS-12」という、録画機能を搭載しないテレビドアホンが販売されています。
3.5型のカラー液晶モニターを搭載しているので来客時の確認と通話はしっかりできますが、SDカードスロットなどはなく、録画に関する機能は一切ありません。操作がシンプルなので、ご高齢の方にも分かりやすいかもしれませんね。



「録画機能なし」のモデルを探す際は、こうした具体的な型番を指定して探すのが近道です。
最新のクラウド録画という選択肢


これまで見てきたように、録画に関するトラブルの多くは「SDカード」という物理的な記録メディアの管理(容量、規格、フォーマット、故障)に起因します。この物理メディアの管理という根本的な問題を解決する最新の選択肢が、SDカードを使わずに録画データをインターネット経由で保存する「スマートインターホン(スマートドアホン)」です。
来客があると、室内の親機だけでなく、設定したスマートフォンにも通知が届き、外出先からでもリアルタイムで来訪者の映像を確認し、そのままスマホで応答(通話)できるのが最大の特長です。
録画データはメーカーが管理する「クラウドサーバー」に保存されるため、SDカードの容量不足や故障の心配から解放されます。
クラウド録画のメリットデメリット
- メリット:SDカードの管理不要、外出先からでも確認・応答可能、データの紛失リスクが低い。
- デメリット:月額利用料がかかる場合がある、インターネット接続が必須、プライバシーに関する考え方。



利便性は格段に向上しますが、ランニングコストやインターネット環境を考慮して選ぶ必要がありますね。
インターホンで履歴が残らない問題の総括


さて、今回はインターホンの履歴が残らない問題について、原因の切り分けから具体的な対処法、そして逆にあえて履歴を残さない方法まで、幅広く掘り下げてきました。最後に、トラブルが起きた際にまず確認すべきことをまとめておきます。
録画できずに困ったら、まず試すべき3ステップ
カードを抜き、書き込み禁止ロック(U24)がかかっていないか確認します。可能であれば、「新品の、対応規格のSDカード」に入れ替えてテストするのが最も確実です。
新しいカード、または既存のカードを「必ず親機本体のメニュー」から「SDカード初期化(フォーマット)」します。PCでのフォーマットはNGです(U25エラー対策)。
親機のメニューで自動録画設定が「オン(入)」になっているかを、念のためもう一度確認します。
これらの基本的な3ステップを実行しても症状が改善しない場合、あるいは「呼び出し音は鳴るがモニターが真っ暗」という症状の場合は、玄関子機のカメラユニット故障など、ハードウェアの故障が濃厚です。無理に自分で分解しようとせず、購入した販売店や、インターホンの交換・修理を専門とする電気工事業者に診断を依頼してください。
インターホンは、私たちの暮らしの安心を守るための大切な設備です。この記事が、あなたの「困った」を解決し、安心を取り戻すための一助となれば、私としても大変嬉しいです。



最終的な判断や修理の依頼は、信頼できる専門家にご相談くださいね。
【参考】
>>ポスト一体型のインターホン交換方法って?基礎知識や費用と注意点
>>インターホンとドアホンの違いとは?用途や特徴と失敗しない選び方
>>スマホ連動の後付けインタホーンをマンションに最適な設置と活用法
>>インターホンがならないようにするには?設定や静音対策の完全ガイド
>>インターホンが別の部屋で聞こえない?原因と最適な解決策を徹底解説
>>古いタイプのインターホンは簡単に交換できる?費用や方法を徹底解説
>>インターホンを何回も鳴らす理由って?警察への通報や対処法を解説
>>インターホンのブレーカーが落ちる原因は?対処法と交換時の注意点
>>インターホンが両面テープで落ちるのはなぜ?原因と対策を徹底解説















