広々としたLDK、対面式の美しいシステムキッチン。新築やリフォームでそんな理想の空間を手に入れたとき、ふと現実的な問題として立ちはだかるのが「ゴミ箱、どこに置く?」問題です。背面収納に組み込むプランもありますが、調理中の動線を考えると、やはりシンクの下が最短ルートであることは間違いありません。
水垂れを気にせず、野菜くずをサッと捨てられる快適さは、一度味わうと戻れない魅力があります。
しかし、ネットで検索をかけるとネガティブなキーワードが並び、不安になってしまいますよね。実は私も、今のキッチンに行き着くまでは、サイズ計測に失敗して蓋が開かなかったり、夏場の強烈な臭いに悩まされたりと、数々の失敗を繰り返してきました。だからこそ断言できます。
シンク下ゴミ箱は、正しい「環境対策」と「製品選び」さえ間違えなければ、決して後悔するレイアウトではありません。
この記事では、単なる商品紹介ではなく、建築的な制約や衛生管理の観点から、あなたが直面するであろうリスクを先回りして解決するための具体的なノウハウを網羅しました。
ジロープロの視点も交えつつ、あくまで一生活者としてのリアルな体験談をもとに、失敗しない選び方をシェアします。
【記事のポイント】
1.シンク下特有の「高温多湿」環境における、臭い対策と衛生リスク管理
2.排水管の隙間を埋める「パテ埋め」など、害虫を寄せ付けない封鎖術
3.高さ制限58cm〜65cmの壁をクリアするための、サイズ計測と蓋の選び方
4.クリナップやLIXILなど主要メーカーの収納設計の違いと、KEYUCA等の適合性
システムキッチンのシンク下ゴミ箱で後悔しない設置のコツ


とりあえず、入るサイズのゴミ箱を買ってくればいいやという安易な考えは、後に大きな後悔を生む原因になります。シンク下は、食器棚やパントリーとは全く異なる「特殊な環境」です。ここでは、その環境特性を深く理解し、快適に使い続けるための具体的な設置のコツを、私の経験を交えて徹底的に解説します。
- シンク下特有の臭い対策と湿気管理
- 害虫をを寄せ付けない徹底的な防虫術
- 高さ制限をクリアするサイズ選びの重要性
- 観音開きやスライド式など蓋の選び方
- ブログで人気のおしゃれな収納実例
シンク下特有の臭い対策と湿気管理
まず理解しておかなければならないのは、シンク下という場所が、家の中で最も過酷な環境の一つであるという事実です。冬場にお湯を使って洗い物をしているとき、シンクのボウルが温かくなっているのを感じたことはありませんか?実はあの熱、ステンレスや人造大理石を通じてキャビネット内部にも伝わっています。
さらに、給湯配管からの放熱も加わり、密閉されたシンク下は意外なほど温度が上昇しやすいのです。
そこに水回り特有の湿気が加わります。排水管の結露や、わずかな水漏れ、そして生ゴミそのものから出る水分。これらが組み合わさることで、シンク下は細菌やカビが繁殖するのに最適な「高温多湿」の温床となりがちです。
ここに生ゴミを無防備に置くことは、腐敗を加速させ、あの嫌なニオイをキッチン中に拡散させる時限爆弾を設置するようなものです。
私が実践し、その効果を実感しているのは、科学的なアプローチによる「中和消臭」です。市販の消臭剤も良いですが、まずは身近なアイテムでベースを整えることが大切です。
今日からできる科学的消臭テクニック
臭いの性質を知れば、消臭はもっと効率的になります。基本は、「酸性」と「アルカリ性」による中和です。
1.重曹(弱アルカリ性)で酸化臭を撃退
生ゴミの腐敗臭の多くは、野菜などが腐って発生する酸性の臭いです。これには弱アルカリ性の重曹が劇的に効きます。使い方は簡単。ゴミ箱の底に新聞紙を敷き、その上に重曹を粉のままパラパラと撒いておくだけです。重曹は湿気を吸い取る効果もあるので、一石二鳥の効果が期待できます。
2.クエン酸(酸性)で生臭さを中和
一方、魚の生臭さやアンモニア臭はアルカリ性の性質を持っています。これには酸性のクエン酸が有効です。水200mlに小さじ1杯のクエン酸を溶かしたスプレーを常備し、魚料理のゴミを捨てた直後にシュッと一吹きしてください。これだけで翌朝の臭いが全く違います。
さらに、湿気対策として除湿剤の設置は必須です。私は「水とりぞうさん」のような、置き型タイプをキャビネットの奥に2つ配置していますが、梅雨時には驚くほど水が溜まります。



もしスペースに余裕がなければ、シートタイプの除湿剤をゴミ箱の下に敷くだけでも、カビのリスクを大幅に下げることができますよ。
害虫をを寄せ付けない徹底的な防虫術


シンク下にゴミ箱を置くとゴキブリが出るという噂、これこそが導入を躊躇させる最大の要因ではないでしょうか。正直に言います、対策をしなければその確率は跳ね上がります。なぜなら、彼らにとってシンク下は、水があり、餌(生ゴミ)があり、暖かく、そして隠れられる狭い隙間がある、まさに楽園だからです。
しかし、恐れる必要はありません。侵入経路さえ絶てば、彼らは入ってこれないのです。最大の侵入ルート、それは「床下の排水管が貫通している穴の隙間」です。システムキッチンを施工する際、床に開けた穴に排水管を通すのですが、ここに数ミリでも隙間があれば、彼らは容易に床下から這い上がってきます。
私が引越し直後に必ず行う、そして皆さんにも絶対にやっていただきたいのが「パテ埋め」による物理封鎖です。
誰でもできる!鉄壁の侵入阻止手順
1.点検口を開ける(または底板を外す)
最近の引き出し式キッチンは、奥の点検口を開けないと配管が見えない場合があります。ドライバーを使ってアクセスしてください。
2.隙間の確認
排水管と床のフローリングの間に、黒い隙間が見えませんか?そこにプレート(化粧カバー)が付いていても、その下は隙間だらけということがよくあります。
3.隙間パテで埋める
ホームセンターで数百円で売っている、「配管用パテ(不乾性パテ)」や「エアコン用パテ」を使います。粘土のようなこれらをちぎって、隙間にギュッギュッと詰め込みます。隙間なく完全に塞ぐことがポイントです。賃貸でも、退去時に剥がせるので問題ありません。
この物理封鎖を行った上で、予防策として「ブラックキャップ」などの毒餌剤をキャビネットの四隅に、設置してください。誘引剤が入っているものを置くことに抵抗があるかもしれませんが、外から入ってきても巣に帰らせて駆除するためには、これが最も効率的です。



この「封鎖+毒餌」のダブル処方で、我が家ではここ数年、キッチンで黒い影を見たことがありません。
高さ制限をクリアするサイズ選びの重要性
シンク下ゴミ箱計画で最も失敗が多いのが、「サイズ計測のミス」です。キッチンの高さが85cmだから、70cmくらいのゴミ箱なら入るだろうという目算は、大抵の場合裏切られます。なぜなら、シンクの下には想像以上に障害物が存在するからです。
まず、シンクのボウル自体が約20cmほどの深さを持っています。さらに、その下には排水トラップ(排水の臭いを防ぐための水溜まり部分)があり、ディスポーザーや浄水器のカートリッジが付いている場合もあります。これらを考慮すると、実際にゴミ箱を置ける有効高さ(内寸高さ)は、約58cm〜65cm程度しか残されていないことがほとんどです。
ここで重要なのが、ゴミ箱の本体の高さではなく、「蓋を開けた時の最大高さ(全高)」を確認することです。
| 確認すべき項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 有効高さ | キャビネットの床から、シンクの底、または配管の一番低い部分までの距離を測ります。最も低い障害物を基準にしてください。 |
| 有効奥行き | 配管が奥にある場合、手前にしかゴミ箱が置けません。扉や引き出しの裏側の厚みも考慮し、扉が閉まるか確認が必要です。 |
| 蓋の開閉スペース | ペダルを踏んで蓋が全開になったとき、上部のシンクや配管にぶつからないか。数センチの余裕がないと、開くたびに「ガンッ」と音がしてストレスになります。 |
特に注意したいのが、引き出し収納(内引き出し)が付いているタイプのキッチンです。ゴミ箱の上に浅い引き出しがある場合、有効高さはさらに低くなります。



「あと1cm低ければ入ったのに…」と泣かないためにも、メジャーを持って這いつくばり、ミリ単位で計測することをおすすめします。
観音開きやスライド式など蓋の選び方


高さ制限の厳しいシンク下において、ゴミ箱の「蓋の開き方」は使い勝手を左右する生命線です。一般的な縦開きのペダルペールを選んでしまうと、蓋を開けるために毎回ゴミ箱を手前に引き出さなければならず、これでは家事効率が上がるどころか下がってしまいます。
私が様々なタイプを試した結果、シンク下最強の選択肢だと確信しているのが「観音開き(バタフライ)タイプ」です。
中央から左右に割れて開くこの構造は、蓋が開いた時の高さの上昇を、縦開きの半分〜3分の2程度に抑えることができます。例えば、本体高さが50cmの場合、縦開きだと全高が80cm近くになることがありますが、観音開きなら60cm前後で収まります。この「20cmの差」が、シンク下では決定的なのです。
ペダルを踏めばその場でパカッと開き、配管やシンク裏に干渉することなくゴミを投げ入れられる。このスムーズさは一度体験すると感動モノです。
次点としておすすめなのが、「スライド蓋」や「横開き」タイプです。無印良品などが展開している横開きや、手で押し込むスライド式は、高さ方向のスペースをほとんど必要としません。



ただし、スライド式は密閉性が低いものが多く、臭い漏れのリスクがあるため、生ゴミ用として使うにはパッキン付きの密閉タイプを選ぶなどの注意が必要です。
ブログで人気のおしゃれな収納実例
機能性はもちろんですが、毎日の家事のモチベーションを上げるためには、見た目も重要ですよね。Instagramやブログで見かける「神収納」には、いくつかの共通点があります。
色の統一
一つ目は、「色の統一」です。シンク下をオープンにする場合、中が見えてしまうわけですが、ここでカラフルなゴミ箱や洗剤のボトルが散乱していると、一気に生活感が出てしまいます。
人気の収納実例では、ゴミ箱を白や黒のモノトーンで統一し、隣に置くファイルボックスや掃除道具入れも同色で揃えています。これだけで、扉がなくても「見せる収納」として成立します。
キャスターの活用
二つ目は、「キャスターの活用」です。掃除のしやすさは清潔感に直結します。ゴミ箱の下にキャスターが付いている、またはキャスター付きの台に乗せている事例が多く見られます。料理中は手元までコロコロと引き寄せて使い、終わったら定位置に戻す。床掃除の際も片手で動かせるので、ゴミ箱の裏にホコリが溜まるのを防げます。
真似したい!デッドスペース活用術
シンク下の配管を避けてゴミ箱を置くと、どうしても微妙な隙間ができてしまうことがあります。



収納上手なブロガーさんたちは、この隙間に突っ張り棒を渡して「ゴミ袋ストッカー」にしたり、マグネットで小さなケースを取り付けて「排水溝ネット入れ」にしたりと、空中戦を制して収納力を最大化しています。
システムキッチンのシンク下ゴミ箱選びとメーカー比較


システムキッチンを新調する場合、メーカー純正のゴミ箱収納プランを選ぶべきか、あえてオープンスペースにして市販品を買うべきか、非常に悩みますよね。純正品はフィット感抜群ですが高価で融通が利かないことも。市販品は自由度が高いですがサイズ合わせが難しい。
ここでは主要メーカーの特徴と、それにフィットする市販製品を徹底比較します。
- リクシルやクリナップ等のメーカー別特徴
- ケユカやタワーなど人気製品の徹底比較
- 45リットルも入る大容量タイプの選び方
- 賃貸でも可能なDIYでの設置アイデア
- 【総括】システムキッチンのシンク下にゴミ箱導入
リクシルやクリナップ等のメーカー別特徴
各メーカーとも「シンク下」の活用には力を入れていますが、そのアプローチは驚くほど異なります。カタログを見るだけでは気づきにくい、実際の使い勝手や注意点を深掘りしてみましょう。
| メーカー | 代表的な特徴・技術 | シンク下ゴミ箱視点でのメリット・注意点 |
|---|---|---|
| クリナップ (ステディア等) | 流レールシンク ステンレスキャビネット | 個人的に最も「ゴミ箱フレンドリー」だと感じるのがクリナップです。排水口と配管を端に寄せる設計思想のため、シンク下の中央部分に広大なフラットスペースが生まれます。これにより、配管を避けるための特別な工夫をしなくても、市販のゴミ箱がすっぽりと収まりやすいのが最大の特徴です。ステンレス製で臭いが染み付かないのも大きな加点ポイントですね。 |
| LIXIL (リシェル・ノクト等) | ダストワゴン くるりん排水口 | 「隠す美学」を追求するならLIXILです。扉材と同じ面材を使った専用ダストワゴンが用意されており、閉じてしまえばゴミ箱の存在自体が消えます。ただし、人気の「くるりん排水口」を選択すると、その洗浄機構のためにシンク下の配管ユニットが大型化し、有効高さが低くなるケースがあります。ここで高さ計算をミスする方が多いので、図面の「有効寸法」は要確認です。 |
| Panasonic (Lクラス等) | ナノイーX搭載 ダストボックスワゴン | 家電メーカーならではのアプローチで、「ナノイーX」による脱臭・除菌機能をキャビネット内に搭載できる唯一のメーカーです。臭い対策を機械的に解決したい方には最強の選択肢でしょう。一方で、標準付属のゴミ箱容量が20L×2個など、ファミリーには少し物足りない場合も。ワゴンだけ利用して、中身のゴミ箱を市販の大容量タイプに入れ替えるユーザーも多いようです。 |
| タカラスタンダード (レミュー等) | 高品位ホーロー | 素材の強さで選ぶならタカラ一択です。鉄とガラスの特性を持つホーローは、汚れが染み込まず、汚れても水拭きでツルッと落ちます。何より素晴らしいのが「マグネットが付く」こと。キャビネットの内側側面にマグネットでゴミ袋ストッカーを取り付けたり、強力なマグネットフックで消臭剤を吊るしたりと、自分好みにカスタマイズできる拡張性の高さは魅力です。 |
このように、メーカーによって「広さ優先」か「機能優先」か、設計思想が大きく異なります。もしこれからプランニングをするのであれば、ショールームで実際にシンク下の扉を開け、メジャーを当てて配管の位置と底板のフラットさを確認することを、おすすめします。



カタログの美しい写真だけでは分からない、配管の出っ張りこそが、ゴミ箱設置の最大の敵だからです。
ケユカやタワーなど人気製品の徹底比較


メーカー純正品は確かに収まりが良いですが、数万円という価格設定や、容量の少なさに二の足を踏んでしまうこともありますよね。そんな時、私たちの強い味方となるのが、日本の住宅事情を知り尽くしたサードパーティ製の「高機能ゴミ箱」です。
ここでは、Instagramやブログ界隈で二大巨頭とも呼ばれる「KEYUCA」「tower」、それぞれの製品がなぜそこまで支持されるのか、その理由と適合性を深掘りします。
【KEYUCA(ケユカ)】arrots ダストボックス
シンク下ゴミ箱の決定版として、不動の地位を築いているのが、KEYUCAの「arrots(アロッツ)」シリーズです。私自身も愛用していますが、この製品が優れている点は、徹底的にシンク下に入れることを想定して作られている設計思想にあります。
1.左右両開き(観音開き)の魔法
最大の特徴は、蓋が真ん中からパカッと割れる観音開き機構です。27Lタイプの場合、本体の高さは約50cmですが、蓋を全開にしても高さは約60cmに収まります。一般的な縦開きなら80cm近く必要になるスペースを、わずか10cmの上昇で済ませるこの技術こそが、高さ制限の厳しいシンク下で「蓋全開」を実現する鍵です。
2.静音ダンパーの高級感
ペダルを離したとき、バタン!と閉まるのではなく、スーッと静かに閉まるダンパー機能が付いています。深夜のキッチンで響くゴミ箱の開閉音は意外とストレスになるものですが、これなら家族を起こす心配もありません。
3.後輪キャスターの操作性
見た目はフラットですが、実は後部にだけキャスターが付いています。ゴミ袋を交換する際、手前を持ち上げるだけでスルスルと引き出せる。普段は動かず安定しているのに、動かしたい時だけ動く。この絶妙なバランスが家事動線をスムーズにします。
【山崎実業】tower(タワー)シンク下蓋付きゴミ箱
一方、収納用品の王者・山崎実業が展開する「tower」シリーズのアプローチは、KEYUCAとは全く異なります。彼らが提供するのは、圧倒的なカスタマイズ性です。
1.自分で高さを切るという発想
この製品の最大の衝撃は、本体(ポリプロピレン製)の容器を、カッターナイフで切って高さを調整できるという点です。「配管がどうしても邪魔で、あと2cm低ければ入るのに…」という、リフォーム現場や賃貸でよくある絶望的な状況を、DIYで解決できてしまいます。
45Lのゴミ袋を掛けられるフレーム構造でありながら、高さ35cm〜45cm等の微妙な隙間にフィットさせられるのは、世界中探してもこの製品くらいでしょう。
2.極薄スリム設計
幅が約19cmと非常にスリムなため、配管を避けて左右に2つ、3つと並べやすいのも特徴です。組み立て式なので構造は簡易的ですが、パッキン付きの蓋を採用しており、簡易ゴミ箱にありがちな「臭い漏れ」への配慮も忘れていない点はさすがです。
どっちを選ぶ?究極の選択基準
高さに60cm以上の余裕があり、見た目の高級感と静音性を重視する人。メインの生ゴミ用としてガッツリ使いたいならこちら。
高さが50cm程度しかない、または複雑な配管があって既製品が入らない人。分別用にスリムなゴミ箱を複数並べたい人。



ご自身のイメージに合う商品を選ぶ、参考にしてください。
45リットルも入る大容量タイプの選び方


「おしゃれなゴミ箱を買ったけど、すぐ一杯になって結局入りきらないゴミ袋が床に転がっている…」これでは本末転倒ですよね。特に子育て世帯や、料理をしっかりするご家庭において、ゴミ箱の容量不足は深刻な問題です。
自治体の指定ゴミ袋(45L)を無駄なく使い切りたい、でもシンク下の高さは限られている。この矛盾を解決してくれるのが、リス社の「SOLOW(ソロウ)」です。
私がSOLOWを推す理由は、低重心かつ大容量なフォルムにあります。
通常、45Lのゴミ箱というと縦に細長い形状になりがちで、高さが60cm〜70cmを超えてくるのが一般的です。しかしSOLOWの45Lモデルは、幅と奥行きを確保することで高さを約48cmに抑えています。そしてKEYUCA同様の観音開きを採用しているため、蓋を開けた時の最大高さが約61cmという、奇跡的な数値を実現しています。
「たった数センチの差?」と思われるかもしれませんが、シンク下における1cmは、使い勝手を天と地ほどに変えます。61cmであれば、一般的なシステムキッチンのシンク下(有効高さ62〜65cm程度)に、ギリギリかつ絶妙に収まるのです。
衛生面でもSOLOWは優秀
SOLOWは本体に「SIAA抗菌加工」が、施されています。細菌の繁殖を抑制する効果があるため、高温多湿なシンク下で使用する際のリスク管理として非常に理にかなっています。汚れても丸洗いしやすいシンプルな形状も、長く清潔に使うための重要なポイントです。
選び方のポイントとして、もしスペースの幅に余裕があるなら、45Lタイプを2つ並べる(燃えるゴミ・プラゴミ)のが黄金パターンです。逆に幅が狭い場合は、無理に45Lを選ばず、35Lタイプ(全高さらに低め)を選び、ゴミ出しの頻度を上げることで対応するのが賢明です。「蓋が全開にできること」を、最優先してください。



中途半端にしか開かない大容量ゴミ箱より、全開にできる中容量ゴミ箱の方が、日々のストレスは圧倒的に少ないですよ。
賃貸でも可能なDIYでの設置アイデア
「うちは賃貸の観音開き(開き扉)キッチンだから、シンク下ゴミ箱なんて夢のまた夢…」と、諦めていませんか?実は、賃貸であっても、現状回復可能な範囲でシンク下をオープン化し、使いやすいゴミ箱スペースに変身させるDIYテクニックが存在します。
私自身、以前住んでいた賃貸アパートで実践し、退去時に問題なく現状回復できた方法をご紹介します。
Step 1: 扉の撤去と保管(最重要)
まず、シンク下の扉を外します。大抵の扉は「スライド丁番」という金具で固定されており、ドライバー1本で簡単に外せます。ネジを緩めて扉を外したら、ここからが一番重要です。
「外した扉」「丁番(ヒンジ)」「全てのネジ」を、一つの袋にまとめて養生テープで扉の裏に貼り付け、押し入れの奥などで厳重に保管してください。数年後の退去時、ネジが1本でも足りないと高額な請求対象になりかねません。外すことよりも無くさないことが、このDIYの肝です。
Step 2: 内部のビジュアル改善
扉を外すと、配管がむき出しになり、キャビネットの底板や側面も化粧されていないベニヤ板の状態であることが多いです。このままだと清潔感がなく、薄暗い印象になってしまいます。
そこで活躍するのが「剥がせるリメイクシート」や、「プラダン(プラスチックダンボール)」です。
1.リメイクシート
100円ショップやホームセンターで売っている、「貼って剥がせる」タイプを選びます。白や木目調のシートを底板と側面に貼るだけで、空間がパッと明るくなり、万が一ゴミの汁が垂れても掃除がしやすくなります。
2.プラダンでの目隠し
配管がどうしても気になる場合は、白いプラダンを配管の手前に立てて「偽の壁」を作ります。これだけで見た目のノイズがなくなり、おしゃれなオープン収納に近づきます。
Step 3: スライドレールの自作(上級編)
さらに利便性を高めたいなら、ホームセンターで売っている「スライドレール」と「化粧板」を使って、自作のダストワゴンを作ることも可能です。底板にレールを両面テープ(強力かつ剥がせるタイプ)とビス(底板の厚みを確認し、貫通しない短いものを使用)で固定し、その上に板を乗せれば、奥にあるゴミ箱を手前に引き出せるようになります。



既製品のようなスムーズな動きが数千円で手に入るので、DIY好きの方にはぜひ挑戦していただきたいカスタマイズです。
【総括】システムキッチンのシンク下にゴミ箱導入
ここまで、リスク対策から製品選び、DIYまで長々とお話ししてきましたが、最後にこれだけは伝えさせてください。システムキッチンのシンク下にゴミ箱を設置することは、単なる収納テクニックではありません。それは、毎日の料理という家事のフローそのものを、劇的に変える革命です。
まな板で切った野菜のヘタを、一歩も動かずに足元のペダルを踏んで捨てる。濡れたゴミを持って移動し、床に滴が垂れるあの小さなストレスから解放される。調理が終わった後のシンク周りにゴミがなく、サッと拭き上げるだけで片付けが完了する。
確かに、配管との干渉や臭い対策といったハードルは存在します。しかし、今回ご紹介した「パテ埋めによる防虫」「観音開きゴミ箱の選定」「中和消臭の徹底」という3つの神器を駆使すれば、それらのデメリットは十分に克服可能です。
どうか、後悔するかもという不安で諦めないでください。あなたのキッチンの寸法を正しく測り、ライフスタイルに合ったシンデレラフィットな一台を見つけ出すことができれば、そこには驚くほど快適で、スッキリとした新しいキッチンライフが待っているはずです。



この記事が、あなたの理想のキッチン作りの一助となれば、これ以上の喜びはありません。
【参考】
>>システムキッチン引き出しの臭いの原因って?掃除と収納のコツとは
>>白いシステムキッチンは失敗する?注意点や後悔しない選び方とは
>>システムキッチンの化粧板はがれの原因…補修方法やメンテナンスとは
>>システムキッチン引き出しレールの修理方法?道具や手順と費用相場
>>システムキッチンに食洗機はいらない?後悔しない判断基準と選び方
>>システムキッチン包丁差しの外し方って?掃除や交換&収納のコツとは
>>キッチンシンクの継ぎ目のカビを完全除去できる?掃除法&予防策とは



















