冷蔵庫から「ブーン」という音がずっと聞こえてくると、故障ではないかと心配になりますよね。特に静かな夜間には、その音が気になってしまうこともあるでしょう。
この記事では、冷蔵庫のブーン音の原因とは何か、そして冷蔵庫は異音の種類によって故障の危険があるのかを、詳しく解説します。
また、冷蔵庫を開けるとブーン音が止まるのはなぜか、冷蔵庫の設置場所が原因で異音がするのは本当なのかといった、疑問にもお答えします。さらに、冷蔵庫のブーン音が鳴り始めたら寿命は近いのか、ブーン音の適切な対処法や、冷蔵庫を掃除することで異音も故障も防げるのかについても、触れていきます。
万が一の修理に備え、冷蔵庫の異音修理にかかる費用はどのくらいなのか、そして交換するならおすすめの人気冷蔵庫の選び方までご紹介。
ジローあなたの悩みを解決するための、情報を網羅しています。
【記事のポイント】
1.冷蔵庫から、「ブーン」と音が続く原因
2.音の種類から判断できる、故障の可能性
3.自分でできる、具体的な対処法と予防策
4.修理や買い替えを、検討する際のポイント
冷蔵庫の音がブーンとずっと鳴る原因は?


- 冷蔵庫のブーン音の原因とは…
- 冷蔵庫は異音の種類によって故障の危険が…
- 冷蔵庫を開けるとブーン音が止まるのはなぜ?
- 冷蔵庫の設置場所が原因で異音がするって本当?
- 冷蔵庫のブーン音が鳴り始めたら寿命は?
冷蔵庫のブーン音の原因とは…


冷蔵庫から聞こえる「ブーン」という低い音は、多くの場合、庫内を冷やすための心臓部である「コンプレッサー(圧縮機)」が作動している音です。コンプレッサーは、冷媒ガスを圧縮して循環させ、気化熱を利用して庫内の温度を下げる重要な役割を担っています。
そのため、冷蔵庫が正常に機能している証拠とも言える音であり、一定の間隔で鳴ったり止まったりするのは通常の動作です。
ただし、この音が以前よりも明らかに大きくなった、あるいは一日中止まらずにずっと鳴り続けている場合は、何らかの問題が発生している可能性があります。
例えば、夏場や室温が高い環境では、庫内を設定温度に保つためコンプレッサーの稼働時間が増え、音が大きく感じられることがあります。



他にも、冷蔵庫に食品を詰め込みすぎていると冷気の循環が悪くなり、冷却効率が低下してコンプレッサーに過度な負担がかかることも、原因の一つと考えられます。
冷蔵庫は異音の種類によって故障の危険が…


冷蔵庫が発する音は、「ブーン」だけではありません。音の種類によっては、故障のサインである可能性も考えられます。どのような音がするのかを注意深く聞くことで、原因を特定する手がかりになります。
| 音の種類 | 考えられる原因 | 故障の可能性 |
|---|---|---|
| ブーン、ジー | コンプレッサーの作動音 | 音が異常に大きい、または鳴り止まない場合は注意が必要 |
| カラカラ、カタカタ | 冷却ファンの不具合、ファンへの霜や異物の接触 | 放置すると冷却能力が低下する可能性あり |
| ガタガタ | 冷蔵庫本体の不安定な設置、壁や家具との接触 | 設置場所の調整で改善することが多い |
| コンコン、カタン | 温度制御装置(サーモスタット)の切り替え音 | 基本的に正常な音だが、頻繁すぎる場合は不具合の可能性も |
| キュルキュル | 冷媒ガスが流れる音 | 通常は問題ないが、音が急に大きくなった場合は点検を推奨 |
このように、音の種類によって原因は様々です。特に「カラカラ」という音がしてドアを開けると止まる場合は、庫内の冷気を循環させる冷却ファンに、問題がある可能性が高いです。



また、明らかに今まで聞いたことのない異音や、大きな振動を伴う音がする場合は、部品の劣化や故障が進行していることも考えられるため、早めの対処が求められます。
冷蔵庫を開けるとブーン音が止まるのはなぜ?


「冷蔵庫のドアを開けると音が止まる…」という現象は、主に庫内の「冷却ファン」に関連しています。多くの冷蔵庫では、ドアが開くと庫内の冷気が外に逃げるのを防ぐため、冷却ファンの運転が自動的に停止する設計になっています。
もし、「ブーン」と感じていた音が実際には「カラカラ」といったファンの異音だった場合、ドアを開けてファンが停止することで音が止まるのは自然なことです。この場合、ファン自体にホコリが溜まっていたり、軸がずれていたり、あるいはファンに霜が接触して音を立てている可能性が考えられます。
一方で、コンプレッサーのブーンという音は、通常ドアの開閉と直接連動して停止することはありません。
しかし、ファンとコンプレッサーの音が複合的に聞こえている場合、主たる騒音源であったファンが止まることで、全体的に静かになったと感じることもあります。



したがって、ドアを開けて音が止まる場合は、まず冷却ファン周辺の異常を疑ってみるのが良いでしょう。
冷蔵庫の設置場所が原因で異音がするって本当?


はい、本当です。冷蔵庫本体の故障ではなく、設置環境が原因で異音が発生することは少なくありません。見落としがちなポイントですが、確認することで簡単に解決できる場合もあります。
壁や家具との距離が近すぎる
冷蔵庫は、運転中に発生する熱を外部に放出することで冷却効率を保っています。多くのモデルでは、背面や側面から放熱するため、壁や家具との間に十分なスペースが必要です。この放熱スペースが不足していると、熱がこもって冷却効率が低下し、コンプレッサーが必要以上に稼働し続けることになります。
結果として、「ブーン」という音が大きくなったり、鳴り続ける原因となります。取扱説明書で推奨されている設置スペースを確認し、適切な隙間を確保することが大切です。
床が不安定…または水平でない
冷蔵庫が設置されている床が不安定だったり、傾いていたりすると、コンプレッサーの振動が増幅され、「ガタガタ」という共振音を引き起こすことがあります。冷蔵庫の脚には高さを調整できるアジャスターが付いていることが多いため、ガタつきがないかを確認し、本体が水平になるようにしっかりと固定してください。



また、振動を吸収する防振マットを下に敷くことも、音を軽減するのに効果的です。
冷蔵庫のブーン音が鳴り始めたら寿命は?


「ブーン」という音が目立つようになったからといって、すぐに寿命と判断するのは早計です。しかし、冷蔵庫を長年使用している場合は、寿命が近づいているサインの一つである可能性も否定できません。
一般的に、冷蔵庫の寿命は10年〜14年程度とされています。購入してから10年以上が経過しており、以下のような他の症状も併発している場合は、買い替えを検討する時期かもしれません。
- 以前よりも冷えが悪くなった
- 製氷に時間がかかるようになった
- 冷蔵庫の側面や背面が異常に熱い
- ドアのパッキンが劣化して隙間ができている
- 水漏れが発生している
これらの症状は、コンプレッサーを含む冷却システムの効率が低下していることを示しています。音が大きくなるのは、低下した性能を補うためにコンプレッサーが無理に稼働し続けている結果かもしれません。



修理を試みても、他の部品が次々と故障する可能性もあるため、使用年数を考慮して総合的に判断することが賢明です。
冷蔵庫の音がブーンとずっと続く時の対策法


- 冷蔵庫のブーン音の適切な対処法
- 冷蔵庫を掃除することで異音も故障も防げる?
- 冷蔵庫の異音修理にかかる費用はどのくらい?
- 交換するならおすすめの人気冷蔵庫
- 冷蔵庫のブーン音に関するよくある質問
冷蔵庫のブーン音の適切な対処法


冷蔵庫から「ブーン」という音がずっと続く場合、専門業者に連絡する前に試せる対処法がいくつかあります。原因が単純なものであれば、ご自身で改善できる可能性があります。
庫内の食品を整理する
冷蔵庫内に食品を詰め込みすぎると、冷気の通り道が塞がれてしまいます。これにより冷却効率が著しく低下し、庫内を冷やすためにコンプレッサーが長時間稼働し続けることになります。
食品の量は、庫内の8割程度までを目安にし、冷気の吹き出し口を塞がないように整理してみてください。これだけでコンプレッサーの負担が減り、運転音が静かになることがあります。
ドアの開閉を減らす
ドアを開閉する回数が多かったり、一度に開けている時間が長かったりすると、外の暖かい空気が庫内に流れ込み、庫内温度が上昇します。上がった温度を元に戻すため、冷蔵庫は冷却運転を強化する必要があり、結果としてコンプレッサーの作動音が大きくなります。
食材を取り出す際は、あらかじめ何を取り出すか決めておき、素早く開閉することを心がけましょう。
冷蔵庫の設定温度を確認する
「急速冷凍」「強」設定など、冷却を強めるモードになっていると、コンプレッサーはパワフルに稼働するため運転音も大きくなります。特に設定を変更する必要がない場合は、「標準」「中」に戻すことで、運転が安定し音が小さくなることがあります。
放熱スペースを確保する
前述の通り、冷蔵庫の周りに十分なスペースがないと放熱がうまくいかず、冷却効率が悪化します。壁や家具から適切な距離を離し、冷蔵庫の上に物を置かないようにして、熱がスムーズに逃げられる環境を整えてください。



原因が単純なものであれば、ご自身で改善できる可能性があります。
冷蔵庫を掃除することで異音も故障も防げる?


冷蔵庫の定期的な掃除は、異音の発生を防ぐだけでなく、故障を予防し、結果的に製品寿命を延ばすことにも繋がります。特に重要なのは、普段あまり目にしない部分の清掃です。
冷蔵庫周りと背面のホコリ除去
冷蔵庫の背面や下部には、コンプレッサーなどの機械部品が集まっており、ホコリが非常に溜まりやすい場所です。ここにホコリがびっしりと付着すると、放熱が著しく妨げられ、冷却効率が低下します。
これによりコンプレッサーに常に負荷がかかり、異音や故障の原因となります。安全のため電源プラグを抜いてから、掃除機やブラシを使って定期的にホコリを取り除くことをお勧めします。
ドアパッキンの清掃
ドアについているゴム製のパッキンは、冷気を外部に漏らさないための重要な部品です。このパッキンに汚れや食品カスが付着すると、密閉性が損なわれ、わずかな隙間から冷気が漏れ出てしまいます。
冷蔵庫は漏れた冷気を補おうと余計に稼働することになるため、コンプレッサーの負担が増加します。濡らした布などでパッキンの溝を丁寧に拭き、常に清潔な状態を保つことが大切です。



このように、簡単な掃除を心がけるだけで、冷蔵庫の性能を維持し、無駄なエネルギー消費や騒音の発生を抑えることができます。
冷蔵庫の異音修理にかかる費用はどのくらい?


自分で対処しても異音が改善しない場合は、部品の故障が考えられるため、専門業者による修理が必要になります。修理費用は、故障箇所や冷蔵庫のモデル、メーカーによって大きく異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
| 修理箇所 | 費用の目安(出張費込み) |
|---|---|
| 冷却ファン・モーター | 10,000円 ~ 30,000円 |
| サーモスタット(温度センサー) | 10,000円 ~ 20,000円 |
| コンプレッサー(圧縮機) | 40,000円 ~ 90,000円 |
| 制振材(ゴム部品) | 10,000円 ~ 20,000円 |
| 冷媒回路(ガス漏れなど) | 60,000円 ~ 100,000円以上 |
修理を依頼する前には、まずメーカーの保証期間内であるかを確認しましょう。保証期間内であれば、無償で修理を受けられる可能性があります。
注意点として、コンプレッサーや冷媒回路といった冷却システムの根幹に関わる部品の修理は、高額になる傾向があります。
冷蔵庫の使用年数が10年を超えている場合、高額な修理費用を支払っても、また別の箇所が故障するリスクがあります。



そのため、修理費用の見積もり額と、新しい冷蔵庫の購入費用を比較検討し、買い替えを選択した方が長期的に見て経済的であるケースも少なくありません。
交換するならおすすめの人気冷蔵庫


冷蔵庫の買い替えを決めた場合、次はどのモデルを選ぶかが重要になります。特に運転音を気にされる方は、「静音性」を一つの基準として選ぶと良いでしょう。
運転音の目安(dB)で選ぶ
冷蔵庫の静音性は「dB(デシベル)」という単位で示されます。一般的に、25dB以下のモデルが静音性が高いとされています。生活音の目安として、20dBは木の葉のふれあう音、30dBは深夜の郊外やささやき声に相当します。
ワンルームマンションにお住まいの方や、寝室とキッチンが近い間取りの場合は、この数値を参考に選ぶことをお勧めします。
冷却方式で選ぶ
冷蔵庫の冷却方式には、主に「ファン式」「直冷式」の2種類があります。
1.ファン式
冷却器で作った冷気を、ファンで庫内に送り込む方式です。霜取りが自動で行われるため手間がかかりませんが、ファンの作動音がします。ファミリー向けの大型冷蔵庫の多くがこの方式です。
2.直冷式
庫内に、冷却器が直接設置されている方式です。ファンがないため運転音は比較的静かですが、定期的な霜取り作業が必要です。一人暮らし向けの小型冷蔵庫に多く見られます。
静音性を最優先するなら直冷式が有利ですが、利便性を考慮するとファン式が優れています。ライフスタイルに合わせて、最適な方式を選んでください。



最近のモデルは省エネ性能も格段に向上しているため、新しい冷蔵庫に交換することで、月々の電気代を抑えられるというメリットも期待できます。
冷蔵庫のブーン音に関するよくある質問


ここでは、冷蔵庫の「ブーン」という音に関して、多くの人が抱く疑問についてQ&A形式でお答えします。
- 冷蔵庫を設置したばかりなのに、音が大きいのはなぜですか?
-
設置直後は、常温の庫内を急速に冷やすためにコンプレッサーがフルパワーで稼働します。そのため、一時的に運転音が大きくなりますが、庫内が十分に冷えて温度が安定すれば、次第に音は静かになります。これは故障ではありませんので、しばらく様子を見てください。
- 夏になると、冷蔵庫の音が大きくなる気がするのですが…
-
夏場は外気温が高いため、冷蔵庫の放熱効率が低下しやすくなります。また、ドアの開閉によって庫内に入り込む空気の温度も高いため、庫内を設定温度に保つためにコンプレッサーの稼働時間が増える傾向にあります。そのため、冬場に比べて音が大きく、また頻繁に聞こえるように感じることがあります。これも冷蔵庫の正常な反応の一つです。
- 「霜取り運転」とは何ですか?その時も音がしますか?
-
霜取り運転とは、冷却器に付着した霜をヒーターで自動的に溶かす機能のことです。この運転中も、コンプレッサーや関連部品が作動するため、「ブーン」という音が発生することがあります。霜取り運転は、冷蔵庫の使用頻度が低い時間帯、例えば夜間などに自動で行われることが多いため、周りが静かな環境で音が気になる場合があります。
- 防振マットを敷けば、音は必ず小さくなりますか?
-
防振マットは、コンプレッサーの振動が床に伝わって発生する「共振音」を吸収・軽減するのに効果的です。しかし、音の原因がコンプレッサー自体の不具合や冷却ファンの異常など、冷蔵庫内部にある場合は、マットを敷いても根本的な解決にはなりません。まず音の原因を特定することが大切です。



よくあるQ&Aも、参考にしてください。
【総括】冷蔵庫の音がブーンとずっと鳴るなら確認を
冷蔵庫から「ブーン」という音がずっと鳴り続ける場合、その原因と対処法について解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 「ブーン」という音の主な原因は、コンプレッサーの作動音
- 音が異常に大きい、または鳴り止まない場合は注意が必要
- 正常な動作音と異常な異音を、聞き分けることが大切
- 音の種類によって、故障箇所をある程度推測できる
- 「カラカラ」という音は、冷却ファンの異常が考えられる
- ドアを開けると音が止まるのは、主に冷却ファンが停止するため
- 冷蔵庫の設置場所も、異音の大きな原因になりうる
- 壁との放熱スペース確保と、水平な設置が基本
- 冷蔵庫の寿命は、一般的に10年〜14年が目安
- 使用年数と他の不具合を総合的に見て、寿命を判断する
- 自分でできる対処法として、庫内の整理や設定温度の見直しがある
- 背面のホコリ掃除やドアパッキンの清掃は、異音予防に効果的
- 修理費用は故障箇所により、高額になる場合がある
- 買い替えの際は、静音性(25dB以下が目安)も考慮すると良い
- 設置直後や夏場は、一時的に音が大きくなることがある
【参考】
>>冷蔵庫のパッキンを復活させる方法って?補修と掃除や交換ポイント
>>冷蔵庫の扉がゆるい時ってどうすれば良い?原因と自分でできる対処法








