キッチンの換気扇スイッチを入れたのに、ファンが回る音はするものの、煙がうまく排出されないと感じたことはありませんか。その不調は、換気扇のダンパーが開かない状態が原因かもしれません。
この記事では、まず換気扇ダンパーの仕組みとはどのようなものか、そしてダンパーが開かない原因という根本的な疑問について、詳しく解説します。
油汚れの固着が主な要因であることが多いですが、ご家庭で換気扇ダンパーは自分で掃除できるのか、また理想的な換気扇メンテナンスの頻度はどのくらいなのか、具体的な情報をご提供します。
さらに、逆に閉まらなくなってしまった時の対処法や、換気扇ダンパーを交換するタイミングと費用や注意点まで、一歩踏み込んだ内容にも触れていきます。交換作業に関連して、換気扇シャッターのバネの外し方に関する知識や、自分での対応が難しい場合に頼りになる、換気扇クリーニングでおすすめの業者についてもご紹介。

最後までご覧になっていただき、是非参考にしてください。
【記事のポイント】
1.換気扇ダンパーが開かない、または閉じない原因と仕組み
2.自分でできるメンテナンスの範囲と、適切な清掃頻度
3.ダンパーを交換するタイミングの目安、費用相場、注意点
4.信頼できる専門クリーニング業者の選び方
換気扇のダンパーが開かない主な原因と仕組み


- 換気扇ダンパーの仕組みとは
- 換気扇ダンパーが開かない原因って?
- 換気扇ダンパーは自分で掃除できる?
- 換気扇メンテナンスの頻度はどのくらい?
- 逆に閉まらなくなってしまった時の対処法
換気扇ダンパーの仕組みとは


換気扇のダンパーとは、空気の流れを調整するための「蓋」のような部品で、主に換気扇と排気ダクト(排気管)の接続部分に設置されています。このダンパーには、役割の異なる2つの種類が存在します。
防火ダンパー
防火ダンパーは、火災時に炎がダクトを通じて他の部屋へ燃え広がるのを防ぐための安全装置です。通常は開いた状態で固定されており、空気の排出を妨げることはありません。
しかし、火災の熱(約120℃)を感知すると、温度ヒューズと呼ばれる部品が溶けて自動的にダンパーが閉じる仕組みになっています。これにより、ダクト内を炎が通過するのを食い止め、延焼を防ぐ大切な役割を果たします。
逆風防止ダンパー
逆風防止ダンパーは、換気扇を使用していないときに、屋外から風や虫、ホコリ、外の匂いなどが室内に侵入してくるのを防ぐための部品です。このダンパーは一方向にしか開かない構造になっており、換気扇を回した際の風圧で開き、運転を止めると自重やバネの力で閉じます。



高層マンションなど風の強い場所では、風圧に負けないよう電動で開閉するタイプが、採用されることもあります。
換気扇ダンパーが開かない原因って?


換気扇のダンパーが開かなくなる最も一般的な原因は、調理時に発生する油とホコリが長年にわたって蓄積し、固着してしまうことです。
料理で出た油を含んだ煙は、フィルターやファンを通り、ダクトを通じて屋外へ排出されます。このとき、通り道であるダンパーにも油が付着します。
ダンパーは、レンジフードの奥深くやダクト内部など、普段目にすることがなく、手が届きにくい場所に設置されているため、こまめな掃除が非常に困難です。
付着した油は時間とともに粘度を増し、空気中のホコリを吸着して、まるで接着剤のように固まっていきます。特にダンパーの軸(ピン)や、ダンパーが閉じたときに当たる部分に油汚れが溜まると、部品同士がくっついてしまいます。



この固着が原因で、換気扇のスイッチを入れてもファンが作る風圧だけではダンパーを押し開けられなくなり、「ファンは回っているのに換気しない」という症状が、発生するのです。
換気扇ダンパーは自分で掃除できる?


結論から言うと、一般の方が換気扇のダンパーを完全に取り外して掃除することは非常に難しく、推奨されません。
前述の通り、ダンパーはレンジフードの上部パネルやダクトの内部に設置されており、分解するには専門的な知識と工具が必要です。多くのクリーニング業者でさえ、通常のレンジフード清掃メニューではダンパーの分解・洗浄は作業範囲外としていることが多いほど、複雑な箇所になります。
無理に自分で分解しようとすると、部品を破損させたり、元に戻せなくなったりするリスクが伴います。また、換気扇の種類によっては電源の配線が複雑に絡んでいるため、感電の危険性も否定できません。
ただし、ごく簡単なメンテナンスとして、屋外にある排気口の出口側から見える範囲の汚れを取り除くことは可能です。
排気口の網(キャップ)に付着した油やホコリをブラシなどで軽くこすり落とすだけでも、多少の換気改善に繋がる場合があります。





しかし、これもあくまで応急処置であり、ダンパー本体の固着を解消する根本的な解決にはならないことを、理解しておく必要があります。
換気扇メンテナンスの頻度はどのくらい?


換気扇を快適に使い続けるためには、場所や部品に応じた適切な頻度でのメンテナンスが鍵となります。
日常的・定期的な掃除(フィルターやファン)
キッチンのレンジフードの場合、フィルターやファンなど、比較的簡単に取り外せる部品の掃除は、3ヶ月〜半年に1回程度行うのが理想的です。特に油を多く使う料理をするご家庭では、3ヶ月に1回を目安に掃除をすると、頑固な汚れの固着を防ぎ、換気効率を高く保つことができます。




専門的なメンテナンス(ダンパーやダクト)
一方で、この記事のテーマであるダンパーや、その先の排気ダクト(排気管)といった専門的な部品の点検清掃は、5年〜10年ごとに行うのが、一つの目安と考えられます。これらの部品はすぐに汚れるわけではありませんが、一度汚れが固着すると換気機能に深刻な影響を及ぼします。



長年メンテナンスをしていない場合は、換気能力が低下している可能性も考えられるため、専門業者による点検を検討するのが賢明です。
逆に閉まらなくなってしまった時の対処法


ダンパーの不具合は開かないだけでなく、「閉じない…」というケースも存在します。この場合も、原因の多くは油汚れの固着です。
ダンパーが開いたまま固着してしまうと、換気扇を止めているにもかかわらず、屋外との通り道が常に確保された状態になります。これにより、以下のような問題が発生します。
1.外気の侵入
強風時に雨や風が吹き込んだり、外のホコリや花粉、虫などが室内に侵入しやすくなります。
2.匂いの逆流
近隣の家の料理の匂いや、他の場所の生活臭が換気扇を通じて入ってくることがあります。
3.冷暖房効率の低下
冬は冷たい外気が、夏は暖かい空気が室内に入り込むため、エアコンの効きが悪くなり、電気代が余計にかかる原因にもなります。
この、閉じない不具合に対する根本的な対処法も、開かない場合と同様です。油汚れによる固着を解消する必要があるため、専門のクリーニング業者に分解洗浄を依頼するか、部品の劣化が進んでいる場合はダンパー、あるいはレンジフード全体の交換を検討することになります。



自分で無理に動かそうとすると、部品を破損させる可能性があるため、専門家への相談が最も安全で確実な方法です。
換気扇のダンパーが開かない時の具体的な対処法


- 換気扇ダンパーを交換するタイミングと費用
- 換気扇ダンパーを交換する際の注意点
- 換気扇シャッターのバネの外し方
- 換気扇クリーニングでおすすめの業者
- 換気扇ダンパーに関するよくある質問
換気扇ダンパーを交換するタイミングと費用


専門業者によるクリーニングでもダンパーの動きが改善しない場合や、部品そのものが経年劣化している場合は、交換を検討する必要があります。
交換のタイミング
交換を考えるべきタイミングの目安は、主に以下の2つです。
1.設置から8年~10年以上経過している場合
換気扇の設計上の、標準使用期間は10年程度とされています。この年数を超えると、ダンパーだけでなくモーターなどの他の部品も寿命を迎え、故障のリスクが高まります。修理を繰り返すよりも、全体を交換した方が長期的に見て経済的な場合があります。
2.専門業者に掃除を依頼しても改善しない場合
油汚れの固着がひどすぎたり、部品が変形・破損していたりすると、クリーニングだけでは正常な動作を取り戻せないことがあります。このような状況では交換が唯一の解決策となります。
交換にかかる費用
ダンパーの交換費用は、その方法によって大きく異なります。ダンパーはレンジフードとセットで販売されていることが多く、部品単体での交換に対応しているケースは稀です。そのため、一般的にはレンジフードごと交換することになります。
レンジフード本体の交換にかかる費用の相場は、商品代と工事費を合わせて約56,000円〜120,000円ほどです。選ぶ機種のグレードや機能によって価格は変動します。



工事自体は、半日から1日程度で完了することがほとんどです。
換気扇ダンパーを交換する際の注意点


換気扇ダンパー、あるいはレンジフード全体の交換を決めた際には、いくつか注意すべき点があります。安全かつ確実に作業を終えるために、以下のポイントを把握しておきましょう。
ダンパー単体での交換は難しい
第一に、前述の通り、「ダンパー単体での交換は難しい」ケースが多いという点です。ご自身の換気扇に適合するダンパー部品だけを入手して交換することは、互換性の問題などから現実的ではないかもしれません。そのため、基本的にはレンジフード全体の交換を視野に入れて計画を立てることが大切です。
電気工事士の資格が必要
第二に、換気扇の交換作業には、電気配線を扱う工程が含まれる場合があります。特に、コンセント形式ではなく、壁内の配線に直接接続されている直結タイプの換気扇の場合、交換作業には「電気工事士」の資格が必要です。資格を持たない人が作業を行うと法律違反になるだけでなく、リスクがあり危険です。
最後に、業者選びは慎重に行う必要があります。料金やサービス内容は、業者によって様々です。



安心して任せられる業者を選ぶためにも、必ず複数の業者から見積もりを取り、作業内容や費用、保証の有無などを比較検討することをおすすめします。
換気扇シャッターのバネの外し方


換気扇のシャッター(ダンパー)が開閉する仕組みには、モーターの力で動く「電動式」や、ひもと連動する「連動式」、風圧で開く「風圧式」などがあります。特に電動式の場合、シャッターを閉じる役割をバネが担っていることが多く、このバネが劣化したり外れたりすることが不具合の原因になることがあります。
しかし、「シャッターのバネの外し方」を調べてご自身で修理しようとすることは、あまり推奨できません。
換気扇の内部構造は複雑で、分解や部品の取り外しには専門的な知識が求められます。
特にバネは、強い力で固定されていることが多く、不用意に外そうとすると、部品が飛び出して怪我をしたり、他のパーツを破損させたりする危険性があります。
また、正しく取り付けないとシャッターが正常に作動しなくなってしまいます。
シャッターの開閉に問題があり、バネの不具合が疑われる場合でも、まずは製品の取扱説明書を確認するに留め、無理な分解は避けてください。



安全を最優先し、購入した販売店やメーカー、あるいは換気扇修理の専門業者に点検・修理を依頼するのが、最も賢明な判断と言えます。
換気扇クリーニングでおすすめの業者


ダンパーの油汚れが原因で換気扇の調子が悪い場合、専門のクリーニング業者に依頼するのが最も効果的な解決策の一つです。ここでは、実績が豊富で信頼性の高い業者を4社紹介します。
業者名 | 料金(目安) | 特徴 |
---|---|---|
ナックダスキン | 22,000円~ | ダスキンFC。研修を受けたスタッフによる丁寧な作業。 |
ユアマイスター | 11,000円~15,000円 | 業者を比較・選べるマッチングサイト。 |
おそうじ革命 | 17,600円~(セット料金) | 徹底研修+高コスパ。固定料金で安心。 |
カジタク | 16,500円~ | イオングループ。全国対応・WAON対応。 |
ナックダスキン
大手ダスキンのフランチャイズ加盟店の中でも、トップクラスの実績を誇ります。徹底された研修制度により、スタッフの技術力は高く、質の高いサービスが期待できます。料金はやや高めですが、大手ならではの安心感を求める方におすすめです。
こちらの記事「ナックダスキンの評判ってどうなの?口コミ・料金・サービス内容とは」では、口コミやメリットデメリットなど他、評判や特徴を徹底解説しましたので、是非参考にしてください♪
ユアマイスター
ハウスクリーニング業者とユーザーを結びつける、マッチングプラットフォームです。サイト上で各業者の料金、サービス内容、利用者の口コミを比較しながら、自分の希望に合った業者を自分で選ぶことができます。価格競争があるため、比較的リーズナブルな業者を見つけやすいのがメリットです。
こちらの記事「ユアマイスターの口コミを徹底解説!後悔しない業者選びのコツとは」では、口コミやメリットデメリットなど他、評判や特徴を徹底解説しましたので、是非参考にしてください♪
おそうじ革命
徹底力を掲げ、独自の研修を終えたプロの集団です。汚れ具合による追加料金が発生しない固定料金制を採用しているため、安心して依頼できます。コストパフォーマンスを重視する方に適しています。
こちらの記事「おそうじ革命の口コミからわかる本音!利用者の評価と選ばれる理由」では、口コミやメリットデメリットなど他、評判や特徴を徹底解説しましたので、是非参考にしてください♪
カジタク
イオングループが提供する、ハウスクリーニングサービスです。全国規模で展開しており、ネットで手軽に予約できるのが便利です。仕上がりに満足できなかった場合の無料再実施保証もあり、大手ならではのサポート体制が整っています。
こちらの記事「カジタクの口コミで発覚した評判の声とは!選ばれる理由や特徴を解説」では、口コミやメリットデメリットなど他、評判や特徴を徹底解説しましたので、是非参考にしてください♪



ご自身の希望内容を可能な限り満たした、クリーニング業者に依頼するのが重要なポイントになります。
換気扇ダンパーに関するよくある質問


ここでは、換気扇のダンパーに関して、多くの人が抱く疑問についてお答えします。
- ファンが回る「カタカタ」という異音もダンパーが原因ですか?
-
可能性はあります。ダンパーが完全に開ききらずにプロペラやファンと接触している場合や、風圧式のシャッターが強風で煽られて「パタパタ」と音を立てているケースが考えられます。ただし、モーターの劣化やファンの汚れによる重心のズレが原因であることも多いため、一概には言えません。
- 防火ダンパーが自然に閉じてしまうことはありますか?
-
あります。防火ダンパーを固定している温度ヒューズは、経年劣化によって熱を感知していなくても自然に切れてしまうことがあります。ヒューズが切れるとダンパーは閉じたままになり、排気ができなくなります。この場合は、ヒューズの交換が必要です。
- レンジフードのフィルターを掃除しても換気が改善しません…ダンパーの故障でしょうか?
-
その可能性は高いと考えられます。換気不良の原因は、フィルターやファンの目詰まり、ダンパーの固着、排気ダクトの汚れ、屋外の排気口の詰まりなど複数あります。フィルターやファンをきれいにしても改善が見られない場合は、その奥にあるダンパーやダクトに問題がある可能性を疑うべきです。
- ダンパーの交換ではなく、修理で対応できますか?
-
状態によりますが、難しい場合が多いです。軽度の固着であればクリーニングで改善することもありますが、部品の変形や破損、モーターの故障といった物理的な問題がある場合は、修理よりも交換の方が確実で、長期的に見てコストを抑えられることがほとんどです。
特に設置から10年近く経過している場合は、他の部品の寿命も考慮し、レンジフード全体の交換が推奨されます。



よくあるQ&Aも、参考にしてください。
【総括】換気扇ダンパーが開かない問題のポイント
この記事では、換気扇のダンパーが開かなくなる原因から、具体的な対処法までを解説しました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- 換気扇のダンパーには、火災の延焼を防ぐ「防火ダンパー」がある
- 外気の逆流を防ぐ、「逆風防止ダンパー」も存在する
- ダンパーが開かない主な原因は、油とホコリの長年の固着
- ダンパーは手が届きにくいため、油汚れが固着しやすい
- 逆にダンパーが閉じなくなる不具合も、原因は油汚れ
- ダンパーの分解清掃は、専門知識が必要で自分で行うのは困難
- 無理な分解は、部品の破損や感電のリスクを伴う
- フィルターなど外せる部品の掃除は、3ヶ月~半年に一度が目安
- ダンパーやダクトなど専門箇所の点検は、5年~10年ごとが望ましい
- 設置から8~10年以上経過したら、交換を検討するタイミング
- クリーニングで改善しない場合も、交換が必要
- 交換費用はレンジフードごとで、約56,000円~120,000万円が相場
- 電気工事士の資格が必要な場合があるため、DIYは危険
- 根本的な解決には、専門のクリーニング業者への依頼が効果的
- 業者選びは複数の会社から見積もりを取り、比較検討することが大切
【参考】
>>換気扇のうるさいキーン音の原因って?対処法や予防策のポイントとは
>>古い換気扇カバーの外し方を徹底解説!外れない時の原因や対処法とは
>>換気扇モーターの注油完全ガイド!異音の解消から業者選びまで解説
>>換気扇のコバエ対策はどうすれば?原因別の駆除と掃除や予防法を解説
>>換気扇フィルターの交換頻度って?見直し時期と正しい手順&掃除方法
>>換気扇のつけっぱなしで湿度は上がるの?正しい知識や使い方と対策