新しい家具を迎え入れるときや、季節の変わり目に部屋の模様替えをするとき、ふと足元のカーペットに目をやると、これまで置いてあった家具の脚の跡がくっきりと残っていて、がっかりした経験はありませんか。特に賃貸物件にお住まいの方にとっては、この「へこみ」は単なる見た目の問題だけではありません。
退去時の原状回復費用や敷金が返ってくるかどうかに直結する、切実な悩みの種でもあります。
専用の保護マットやチェアマットを買えば解決するのは分かっているけれど、家具ごとに揃えていたら結構な出費になってしまいますよね。できればあまりお金をかけずに、身近な100均アイテムで手軽に対策できないかなと考えるのは、家計を預かる身として当然の心理です。
実は、ダイソーやセリア、キャンドゥといったおなじみの100円ショップには、本来の用途とは違うものの、カーペットのへこみ防止に驚くほど役立つ優秀なグッズがたくさん眠っています。
この記事では、住宅設備のトレンドやメンテナンス方法を日々研究している私が、実際に自宅で試して効果を実感した「100均グッズ活用術」を、物理的な根拠も交えながら徹底的に解説します。
ジロー単に「これを敷けばいい」というだけでなく、家具の種類や重さに合わせた最適な選び方や、複数のアイテムを組み合わせる裏技まで、プロ顔負けのテクニックを余すところなくお伝えします。
【記事のポイント】
1.100均で手に入る、カーペットのへこみ防止に有効なアイテム
2.重い家具やキャスター付きの椅子など、状況に合わせた使い分けと注意点
3.複数の素材を組み合わせることで効果を高める、プロ並みの自作テクニック
4.万が一へこんでしまった場合の、身近な道具を使った効果的なリカバリー方法
100均で選ぶカーペットのへこみ防止おすすめグッズ


「たかが100円の商品で、数十キロもある家具の重さを支えられるの?」と、疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、最近の100円ショップの進化は目覚ましく、ホームセンターで数百円〜数千円で売られている商品と素材自体はほとんど変わらないものも増えています。重要なのは、何を選ぶかという目利き力です。
ここでは、カーペットの上で使うことを想定した場合に、特に優秀な働きをしてくれるアイテムを素材の特性ごとに分類して、その実力を深掘りしていきます。
- ダイソーやセリアにあるコルクマットの実力
- 重い家具やベッドにはジョイントマットを代用
- キャスター付き椅子の脚対策には受け皿を使う
- 机やソファの下に敷くシリコンやゴム製品
- 賃貸の退去費用を抑えるフェルトシートの活用
ダイソーやセリアにあるコルクマットの実力
まず最初にご紹介したいのが、ダイソーやセリアのキッチンコーナーやインテリアコーナーで定番商品として並んでいるコルクコースターやコルクマットです。これらは、単におしゃれなカフェ風インテリアを作るためだけのものではありません。
実は、カーペットのへこみ防止において最も重要な要素の一つである「硬さ(剛性)」と、インテリアに馴染む「意匠性」を兼ね備えた、非常にバランスの良い素材なのです。
なぜコルクがへこみ防止に効くのでしょうか。カーペットがへこんでしまう最大の物理的な原因は、家具の脚という非常に小さな点に対して、家具本体と中身、そして使用者の体重を合わせた数十キロもの荷重が集中してしまうこと(応力集中)にあります。
どんなに丈夫なカーペットでも、針で刺すような鋭い圧力がかかり続ければ、繊維は潰れ、裏地までダメージを受けてしまいます。
そこでコルクの出番です。コルクのような、ある程度硬さのある素材を脚の下に敷くことで、脚から伝わる点状の圧力を、コースターの面積全体に広げることができます。
物理の授業のようですが、圧力が分散されればされるほど、カーペットの単位面積あたりにかかる負担は劇的に減ります。つまり、点を「面」に変える役割を果たしてくれるのがコルクなのです。
また、コルクには微細な気泡が含まれており、適度な弾力性も持っています。これが家具の微振動を吸収し、安定させる効果も生みます。木製の家具との相性が抜群に良く、部屋の雰囲気を壊さずにさりげなく床を守れるのも、他のゴム製品にはない大きなメリットと言えるでしょう。
選び方の注意点:密度と厚みを見る
100均のコルク製品には、品質にばらつきがあります。粒が粗くてスカスカのものや、ペラペラの薄いものは避けてください。長期間重い家具を乗せていると、圧力に耐えきれずにコルク自体がボロボロと崩れたり、割れてしまったりすることがあります。
選ぶ際は、指で押しても簡単には沈まない密度が高そうなものや、厚みが5mm以上あるしっかりしたものを選ぶのが失敗しないコツです。



もし薄いものしかなければ、木工用ボンドで2枚重ねて厚みを出すという裏技もありますよ。
重い家具やベッドにはジョイントマットを代用


タンスや本棚、ダブルベッド、あるいはアップライトピアノの足元など、一度置いたら何年も動かさないような超重量級の家具には、コースター程度のサイズでは太刀打ちできないことがあります。そんな時に最強の味方となるのが、子供部屋のプレイマットや防音対策として売られている、「EVA樹脂製のジョイントマット」です。
100均では、2枚入りや小ぶりなサイズで売られていることが多いこのジョイントマット。素材に使われているEVA樹脂(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)は、サンダルの底などにも使われる素材で、優れた弾力性と耐久性、そして耐水性を持っています。
一般的な100均のジョイントマットは約1cmほどの厚みがありますが、この「1cmの厚み」こそが、カーペットを守るための頼もしい防壁となるのです。
使い方は簡単ですが、少し工夫が必要です。ジョイントマットをそのまま敷くと、いかにも何か敷いていますという見た目になり、インテリア性を損なってしまいます。
そこで私がおすすめするのは、家具の脚のサイズに合わせてカッターでカットして使うというテクニックです。EVA樹脂はカッターナイフでサクサクと切れるので、DIY初心者でも簡単に加工できます。
カットと設置の具体的なステップ
- 家具の脚の底面のサイズを測ります。
- ジョイントマットに、脚のサイズよりも一回り(各辺1〜2cm程度)大きいサイズで印をつけます。ギリギリのサイズだと、荷重でマットが潰れて広がった時に見た目が悪くなったり、安定感が損なわれたりするためです。
- 定規を当てて、カッターで綺麗に切り抜きます。一度で切ろうとせず、数回刃を通すようにすると断面が綺麗に仕上がります。
- 家具を少し持ち上げ(ここは怪我をしないよう、必ず二人以上で行ってください)、脚の下にセットします。
この方法であれば、1枚110円のジョイントマットから、4本脚の家具数台分の保護パッドを切り出すことができ、コストパフォーマンスは最強クラスです。重さによる、「底付き(カーペットの裏地まで押し潰されること)」を防ぐ効果に関しては、数千円の専用ジェルマットにも引けを取りません。



見えない部分だからこそ、コスパ最優先で賢く守りましょう。
キャスター付き椅子の脚対策には受け皿を使う
在宅ワークが増えたことで、ご自宅でキャスター付きのオフィスチェアを使っている方も多いのではないでしょうか。実はこのキャスター、カーペットにとっては最大の天敵とも言える存在です。キャスターの車輪は接地面積が極端に小さく、座っている人の体重と椅子の重さがその小さな点に集中します。
しかも、座ったまま移動することで、強い圧力と摩擦(せん断力)が同時にかかり、カーペットのパイルをねじ切るように痛めつけてしまうのです。
キャスターによるへこみや傷を防ぐには、キャスターの動きを物理的に封じ込め、なおかつ荷重を分散させる「受け皿(キャスターカップ)」を使うのが最も効果的です。100均の家具用品コーナーにも専用のキャスター止めが売られていることがありますが、人気商品のため品切れになっていることも少なくありません。
そんな時に代用品として大活躍するのが、なんと園芸コーナーにある小さな植木鉢の受け皿や、食器コーナーにあるメラミン製・木製の小皿です。お皿を床に置くのと驚かれるかもしれませんが、これが理にかなっているのです。
例えば、プラスチック製やテラコッタ風の小さな鉢皿(3号〜4号サイズ程度)は、キャスターがすっぽりと収まる絶妙なサイズ感のものが多いです。底面が平らで広いため、キャスターの一点にかかる強烈な圧力を、お皿の底面全体に逃がすことができます。これにより、カーペットへの食い込みは劇的に軽減されます。
インテリアに馴染ませるコツ
お皿感が気になる場合は、アクリル絵の具やスプレー塗料で、キャスターやカーペットの色に合わせてペイントしてしまうのも一つの手です。また、木製のコースターとお皿を接着剤で貼り付けて、「高機能コースター」を自作してしまうのも面白いですね。



キャスターを固定してしまうので椅子の移動はできなくなりますが、「定位置で作業する」と割り切れるのであれば、これほど安価で確実な保護方法はありません。
机やソファの下に敷くシリコンやゴム製品


最近の100均パトロールで特に充実していると感じるのが、シリコーン製のイス脚キャップや、防振・防音を目的とした「クッションゴムのコーナー」です。これらは本来、フローリングの床に傷をつけないためや、椅子を引く音を抑えるために開発された商品ですが、カーペットの上でも非常に有効な保護ツールとなります。
特に注目したいのが、「シリコーン製」のアイテムです。シリコーンはゴムの一種ですが、一般的な黒いゴムに比べて色移りしにくく、耐熱性や耐寒性にも優れています。何より、半透明や透明の製品が多いため、どんな色の家具やカーペットに合わせても目立ちにくいという審美的なメリットがあります。
例えば、ダイソーなどで売られている脚に履かせるタイプのシリコーンキャップは、底面にフェルト加工が施されているものがあります。これはカーペットユーザーにとっては神アイテムです。
シリコーンのグリップ力で脚にしっかりフィットしつつ、底面のフェルトがカーペットとの摩擦を減らしてくれるため、椅子をスムーズに動かせるようになります。これにより、無理に椅子を引いたときの「カーペットの引きつれ」や「毛羽立ち」を防ぐことができるのです。
また、脚のない箱型の家具(カラーボックスや衣装ケースなど)には、平らな板状やドーム状のクッションゴムがおすすめです。特に「横長タイプ」や「大判タイプ」を選んで家具の四隅に貼ることで、家具の底面全体がカーペットにベタリと接するのを防ぎ、空気の通り道を作ることができます。
これは、湿気によるカビの発生を防ぐという意味でも重要です。



洗面所のランドリーラックやキッチンのストッカーなど、水回りのカーペットやラグの上に置く家具には、水に強いシリコーンやゴム製品を、スペーサーとして噛ませるのが正解です。
賃貸の退去費用を抑えるフェルトシートの活用


賃貸アパートやマンションにお住まいの方にとって、退去時の原状回復は避けて通れない問題です。国土交通省のガイドラインでは、家具の設置による床のへこみは通常の使用による損耗として、基本的には借主(入居者)の負担ではないとされていますが、度を超えた深いへこみや傷、カビなどは請求対象になるリスクが残ります。
(出典:国土交通省『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』)
トラブルのリスクを最小限に抑えたい方に強くおすすめしたいのが、「フェルトシートの活用」です。100均には、好きな大きさにカットできる大判タイプや、あらかじめ丸くカットされたタイプなど、様々なフェルトシートが販売されています。特に裏面が強力な粘着シールになっているものは使い勝手が抜群です。
フェルトの最大の利点は、「摩擦係数の低減」にあります。カーペットのパイル(毛足)と家具の脚が直接触れ合っていると、家具が動くたびにパイルが引っ張られ、根元から抜けたり切れたりします。これが長期間続くと、その部分だけカーペットが薄くなり、修復不可能なダメージとなります。
脚の裏にフェルトを貼ることで、この強烈な摩擦を「スルッ」と滑らかな動きに変えることができるのです。
ただし、フェルトには限界もあります。それは、「圧力の分散効果は低い」ということです。フェルト自体が柔らかい素材であるため、重いタンスやピアノの脚の下に敷いても、フェルトごとカーペットに沈み込んでしまいます。フェルトを貼ったから安心と思い込んで重い家具を放置すると、数年後に深いくぼみができてしまうことも。



あくまで「軽量〜中量級の家具」や「頻繁に動かす椅子」の保護、あるいは「カーペットの摩耗防止」として活用し、重い家具には先ほどのジョイントマットなどを併用するのが、賢いやり方です。
100均を活用したカーペットのへこみ防止テクニック
ここまでは、100均で手に入る素材ごとの特徴と選び方を見てきました。しかし、それぞれの素材には一長一短があります。硬い素材は割れやすく、柔らかい素材は沈みやすい。では、どうすればいいのでしょうか?
答えは、「組み合わせる」ことです。ここからは、単体では頼りない100均グッズをエンジニアリング(工夫)で補完し、専用品に負けない効果を生み出すための実践的なテクニックをご紹介します。
- 複数の100均素材を重ねる最強の自作アイデア
- できてしまったへこみをスチームアイロンで?
- 耐震マットは粘着力による毛抜けや痛みに注意
- 色移りやカビを防ぐための定期的な交換と点検
- 【総括】100均で賢くカーペットのへこみ防止を解決
複数の100均素材を重ねる最強の自作アイデア


私がこれまでの経験の中でたどり着いた、最も効果的でコストパフォーマンスの高い方法は、異なる特性を持つ素材を重ねる「サンドイッチ工法」です。
カーペットのへこみを防ぐには、「荷重を面で受けるための硬さ」と「床を傷つけないための柔らかさ」、そして「家具を安定させるためのグリップ力」の3つが同時に求められます。これを1つの100均アイテムで満たすのは物理的に不可能に近いので、それぞれの得意分野を持った素材を重ねて、理想の保護パッドを自作してしまいましょう。
具体的なレシピは、以下の通りです。
最強の3層構造レシピ
まず一番下に、カーペットへの当たりを優しくするための素材を敷きます。色移りが心配な場合はフェルトがおすすめですが、固定力を高めたい場合は塩化ビニル製の滑り止めシートを小さく切って敷きます。これにより、上の層がズレて床を擦るのを防ぎます。
ここが最も重要です。家具の点荷重を受け止め、面荷重に変換するための「硬いプレート」を配置します。コルクコースターや、DIYコーナーにある小さな木の板などが最適です。この層があることで、重さが一点に集中するのを物理的にブロックします。
硬いプレートの上に直接家具の脚を置くと、滑って落ちてしまう危険があります。そこで、最上部に粘着性のある耐震ジェルや、摩擦力の高いゴムを配置します。これが家具の脚をしっかりキャッチし、同時に微振動を吸収するダンパーの役割も果たします。
この3段重ね構造であれば、カーペットには優しく、荷重は分散させ、家具は滑らないという理想的な状態を作り出せます。材料費は1箇所あたり300円〜400円程度かかりますが、数千円する専用の「へこみ防止プレート」とほぼ同じ構造を、身近な100均アイテムだけで再現できるのです。



硬い素材で広げて、柔らかい素材で包む…この原則さえ覚えておけば、どんな重い家具でも怖くありません。
できてしまったへこみをスチームアイロンで?


「記事を読むのが遅かった!もう家具をどかしたらクッキリ跡がついてしまっている…」という方も、まだ諦めないでください。カーペットの繊維(特にウールやナイロン、ポリエステルなどの化学繊維)は、ある条件下で元の形状に戻ろうとする性質を持っています。その鍵となるのが「水分」と「熱」です。
へこんでしまった部分は、繊維が押しつぶされて寝てしまっている状態です。ここに水分を含ませて熱を加えることで、繊維を膨らませ、立ち上がらせることができます。最も効果的なのは、スチームアイロンを使う方法です。
スチームアイロンを使った復元手順
- へこんだ部分に、スチームアイロンを数センチ浮かせた状態で近づけます。絶対に直接押し当てないでください。
- たっぷりと蒸気(スチーム)をへこんだ部分に噴射します。繊維がしっとりと湿るくらいが目安です。
- 蒸気を含んで温かいうちに、要らなくなった歯ブラシや硬めのブラシを使って、寝てしまった毛並みを四方八方から起こすように優しくブラッシングします。
- 最後にドライヤーの冷風を当てて乾燥させつつ、形を固定します。
もしスチームアイロンがない場合は、霧吹きで水をかけた上から、ドライヤーの温風を当てるだけでも一定の効果があります。ただし、ドライヤーを近づけすぎると熱で繊維が溶ける恐れがあるので注意してください。
素材による耐熱性の違いに注意
ウール(羊毛)は復元力が高いですが、ポリプロピレンなどの安価な化学繊維は熱に非常に弱く、高温のスチームやドライヤーを当てすぎると溶けて硬化してしまうリスクがあります。必ずカーペットの端っこで試すか、洗濯表示タグを確認してから行ってください。



不安な場合は、固く絞った濡れ雑巾を当てて、その上からアイロンを軽く当てる「当て布」方式が安全です。
耐震マットは粘着力による毛抜けや痛みに注意
防災意識の高まりとともに、100均でも必ず見かけるようになった「耐震ジェルマット」。プニプニとしていて厚みもあり、いかにも衝撃を吸収してくれそうなので、これをカーペットに直接敷けばいいのではと考える方が非常に多いです。しかし、カーペットのへこみ防止という観点では、耐震マットの直敷きはあまりおすすめできません。
その最大の理由は、耐震マット特有の強力な粘着力です。
耐震マットは家具を床に固定するために、非常に高い粘着性を持っています。これをカーペット(特にパイル地)の上に直接置いて長期間荷重をかけ続けると、ジェルが繊維の奥まで食い込んで一体化してしまいます。
いざ家具を動かそうとしてマットを剥がした瞬間、悲劇が起きます。ジェルの粘着力に負けて、カーペットの毛がごっそりと抜けてしまったり、裏地の組織ごと剥がれてしまったりすることがあるのです。また、ジェルに含まれる油分(可塑剤)が染み出して、カーペットに取れないシミを作る「ブリードアウト」という現象も起こり得ます。
耐震マットはあくまで「家具と硬い床」あるいは、「家具と硬いプレート」を固定するためのものです。先ほど紹介したサンドイッチ工法のように、最上層(家具の脚とプレートの間)に使うのは大正解ですが、カーペットとの接触面には使わないようにしましょう。



どうしても使いたい場合は、粘着面をラップで包むか、片面に紙を貼って粘着力を殺してから敷くなどの工夫が必要です。
色移りやカビを防ぐための定期的な交換と点検
100均アイテムを活用する上で、忘れてはならないのが「メンテナンス」の視点です。100均の商品は、コストを抑えるために耐久性がそこまで高くない素材が使われていることもあります。
特にゴム製品やプラスチック製品は、経年劣化によって加水分解(空気中の水分と反応して分解すること)を起こしやすく、数年経つとドロドロに溶けたり、ボロボロに崩れたりすることがあります。
最も怖いのが、先ほども触れた「移行現象(マイグレーション)」による、色移りです。
黒いゴム製のパッドを白いカーペットの上に敷きっぱなしにしていると、ゴムの成分がカーペットに移り、黄色や黒のシミになってしまうことがあります。このシミは、カーペットの繊維の内部まで染まるため、洗剤を使っても落とすことができません。
また、大きなマットやゴム板を敷きっぱなしにすると、カーペットとの間に湿気が溜まり、カビやダニの温床になる可能性も否定できません。カーペットも呼吸をしています。何かを敷いて蓋をしてしまうということは、その部分の通気性を遮断するということでもあります。
トラブルを未然に防ぐためにも、半年に一度、あるいは大掃除のタイミングで家具を少し動かし、敷いているグッズの状態をチェックすることを習慣にしましょう。「100円だから、劣化していたらすぐに新しいものに交換できる」というのが、100均グッズ最大の強みです。



消耗品と割り切って定期的にリフレッシュすることで、常に清潔で効果的な状態を保つことができます。
【総括】100均で賢くカーペットのへこみ防止を解決


カーペットのへこみ防止対策は、必ずしも高価な専用品を買う必要はありません。今回ご紹介したように、ダイソーやセリアなどで手に入る身近なアイテムも、その特性(硬さ、柔らかさ、摩擦など)を正しく理解し、適材適所で組み合わせれば、専用品に勝るとも劣らない効果を発揮します。
大切なのは、「家具の重さをどう分散させるか(物理)」と「床の素材とどう合わせるか(化学)」を少しだけ意識することです。コルクで広げ、EVAで衝撃を吸収し、フェルトで滑りを良くする。この基本さえ押さえておけば、もう家具の跡に悩まされることはありません。



まずは手軽な100均グッズから試してみて、大切なカーペットや賃貸のお部屋を賢く、そして安く守っていきましょう。
【参考】
>>フローリングのえぐれ傷補修は100均で可能?簡単DIY術をご紹介
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>>クッションフロアのへこみの直し方は簡単?自分で出来る補修と予防策
>>フロアタイルのデメリット「カビ」を防ぐ!後悔しない対策法と注意点
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