お気に入りのカーペットやラグにうっかり血をつけてしまい、焦ってパニックになっていませんか。
お部屋のインテリアの主役でもあるカーペットに赤いシミができてしまうと、目立つし、テンションも下がってしまいますよね。何とかしてきれいに元通りにしたいと思うのは当然です。
でも、焦ってゴシゴシ擦ったり、よかれと思ってお湯を使ったりすると、実は取り返しのつかない大失敗につながってしまうことがあるんです。
この記事では、カーペットに付着した血の落とし方について、生化学的なアプローチや便利な身の回りのアイテムを駆使したシミ抜きテクニックを、わかりやすくお届けします。
時間の経ってしまった頑固な血液汚れの落とし方から、重曹やセスキ炭酸ソーダ、オキシクリーンなどの定番洗剤を使った具体的なアプローチまで、知っておくと絶対に役立つノウハウをたっぷり詰め込みました。
ジローこれさえ読めば、おうちのカーペットを傷めることなく、安全にすっきりと汚れを落とす方法がばっちり分かります。
【記事のポイント】
1.血液汚れ特有の性質と、絶対にやってはいけないNG対処法
2.重曹・セスキ・酸素系漂白剤などの、洗剤を安全に使いこなすテクニック
3.ウールやシルクなど、デリケートなカーペット素材別のクリーニングリスク
4.どうしても落ちない古いシミへの、最終アプローチと専門業者の相場
失敗しないカーペットの血の落とし方
カーペットに血がついてしまったとき、一番大切なのは「最初の初期消火」とも言える初動の対応です。ここで間違ったステップを踏んでしまうと、二度と落ちないシミになってしまうので注意が必要ですよ。
まずは基本的なメカニズムと、誰でも今すぐ実践できる基本的なシミ抜きテクニックから見ていきましょう。
- お湯は厳禁!冷水で行うシミ抜きの鉄則
- 汚れを広げない基本の叩き拭きと手順
- セスキ炭酸ソーダと重曹で汚れを分解
- 古いシミには大根おろしや酵素を活用
- オキシクリーンとオキシドールで漂白
- ウタマロ石鹸による白残りや脱色リスク
- ウールやシルクなど天然素材への注意点
お湯は厳禁!冷水で行うシミ抜きの鉄則


カーペットの血の落とし方を実践するうえで、何よりも先に頭に叩き込んでおかなければならない絶対のルールがあります。それは、「絶対に温水やお湯を使わず、30度以下の冷水または常温の水を使うこと」です。
普段のお掃除や食器洗い、洗濯のときって、油汚れを溶かしたり洗剤の効果を高めたりするために、温かいお湯を使いたくなりますよね。でも、血液に対してそれをしてしまうと、一発でアウトになってしまうんです。
なぜなら、血液の主成分は「タンパク質」だから。タンパク質は熱を加えると固まる性質を持っています。イメージしやすいのは生卵ですね。生卵に熱を通すとゆで卵になって固まり、冷ましても二度とドロドロの液体には戻りません。これと全く同じ現象が、カーペットの繊維の奥に入り込んだ血液の中でも起こってしまうのです。
だいたい50度〜60度以上の熱が加わると、血液中のタンパク質が急激に変性し、繊維にしっかりと絡みついて強固に固着してしまいます。こうなると、どんなに強力な洗剤やプロの技術をもってしても、シミを完全に落とすことはほぼ不可能になってしまいます。
だからこそ、血液汚れに立ち向かうときの水温管理は決定的な意味を持ちます。血がついてすぐの段階であれば、冷水でトントンと叩き洗いをするだけで、洗剤すら使わずに驚くほどきれいに洗い流せることも多いのです。



まずは「血には冷水」という大原則を、しっかり覚えておきましょう。
汚れを広げない基本の叩き拭きと手順
シミを見つけた瞬間、慌てて手元にあるティッシュやタオルでゴシゴシと、横にこすっていませんか。実は、その擦る動作こそがシミを悪化させる最大の原因なんです。
カーペットの表面には、たくさんの毛足(パイル)があります。ここを摩擦するようにこすってしまうと、まだ繊維の表面にとどまっていた血液が、パイルの奥深くへと押し込まれてしまいます。
さらに、汚れが周囲の毛にまで引き伸ばされて、シミの面積がどんどん広がってしまうという大惨事になりかねません。また、強い摩擦はパイルの撚りを解いてしまい、毛羽立ちや抜け毛の原因にもなり、カーペットの寿命自体を縮めてしまいます。
そこで実践してほしいのが、毛細管現象を利用した「叩き拭き」のテクニックです。
基本の5ステップを、以下にまとめました。
血液シミ抜き基本の5ステップ
まずは、乾いたタオルやティッシュペーパーをシミの上からそっと押し当て、余分な血液を吸い取ります。このとき体重をかけるようにして、水分を紙や布に吸わせるのがコツです。
冷水で薄めた食器用中性洗剤などを清潔なタオルに含ませ、シミの外側から中心に向かって、トントンと優しく叩きます。シミを外から内に追い込んでいくイメージですね。汚れを下のカーペットから、手元のタオルへと移し取っていきます。
汚れが浮き上がってきたら、別のきれいなタオルを冷水で固く絞り、同じように叩くようにしてカーペットに残った洗剤成分をきれいに取り除きます。洗剤が残っていると、それが新たなシミやベタつきの原因になってしまいます。
水分を限界まで乾いたタオルで吸い取ったあと、ドライヤーの冷風や扇風機、サーキュレーターの風を当てて完全に乾燥させます。生乾きのまま放置すると、カーペットの裏側でカビが発生したり、嫌な生乾き臭やダニが発生したりするので要注意です。
完全に乾いたら、パイルの毛並みを整えるために、柔らかいブラシ(馬毛ブラシなど)で優しく毛起こしをします。これで風合いも元通りになりますよ。



是非、試してみてください。
セスキ炭酸ソーダと重曹で汚れを分解


水だけで落ちない血液汚れには、ナチュラルクリーニングでおなじみの「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」がとても頼りになります。血液は弱酸性の性質を持っているため、アルカリ性のアイテムを使うことで、中和させて汚れをスルッと浮かび上がらせることができるんです。
まず、重曹(炭酸水素ナトリウム)ですが、こちらはpH8.2程度の非常にマイルドな弱アルカリ性。小さな子どもやペットがいるご家庭でも安心して使えるのが一番のメリットですね。
軽いシミであれば、重曹と水を2:1くらいの割合で混ぜてペースト状にした「重曹ペースト」をシミに直接塗り、30分〜1時間ほど置いてみてください。重曹が汚れを分解しつつ、その吸着力で血液を引き出してくれます。その後、濡らしたタオルで丁寧に叩き拭きをして回収しましょう。
また、重曹には優れた消臭効果もあるので、血液独特の鉄臭いニオイを消したいときにもぴったりですよ。
重曹を使うときの注意点
重曹はお水に溶けにくい性質があるため、使用後にしっかりと水拭きをして回収しないと、乾いた後に白く粉を吹いたようになってしまう「白残り」が発生します。もし白くなってしまったら、薄いクエン酸水をスプレーして中和させてから拭き取ると、きれいに落とせますよ。
一方、より頑固な血液汚れや、少し時間が経ってしまったシミには「セスキ炭酸ソーダ」が抜群の効果を発揮します。セスキはpH9.8と、重曹の約10倍のアルカリ強度を持っています。そのため、血液の主成分であるタンパク質を破壊・分解するパワーがとても強いんです。
使い方は簡単で、水500mlに対してセスキの粉末を小さじ1杯溶かしたセスキ炭酸ソーダ水を作り、それをシミにスプレーします。15分〜20分ほど放置して、タンパク質がドロリと緩んできたら、冷水を含ませたタオルで叩き出します。



セスキは重曹に比べて水に溶けやすいため、使用後の白残りがほとんど起こらないのも、カーペットのシミ抜きにおいては本当に使い勝手が良くて優秀なポイントですね。
古いシミには大根おろしや酵素を活用
ついてすぐの血ではなく、「あ、こんなところにいつの間にか血が固まってる…」という、古いシミを見つけてしまうこともありますよね。乾燥して酸化した古いタンパク質汚れには、タンパク質の結合をハサミのようにチョキチョキと切ってくれる「酵素」の力を借りるのが一番です。
ここで意外な大活躍を見せるのが、なんとキッチンにある「大根おろし」です。おばあちゃんの知恵袋的な民間療法に聞こえるかもしれませんが、実はこれ、めちゃくちゃ理にかなった生化学的なアプローチなんですよ。
大根には、ジアスターゼ(アミラーゼ)をはじめとする、消化酵素がたっぷり含まれています。この天然の酵素が、カチカチに固まった血液のペプチド結合を分解し、液状化させてくれるんです。使い方は、すりおろした大根を薄いガーゼや不織布で包み、てるてる坊主のような形にします。
それをシミにトントンと叩きつけ、大根の汁(酵素)を繊維の奥まで染み込ませてみてください。少し置くと、固まっていた血がジュワッと溶け出してくるので、すかさず冷水を含ませたタオルで叩き取ります。
大根おろしを使うときのワンポイント
大根の酵素は、すりおろして空気に触れた瞬間からどんどん壊れていってしまいます。すりおろしてから30分も経つと、酵素の働きは20分の1にまで激減すると言われているんです。ですので、大根おろしを使うときはシミ抜きをする直前に、生の状態でシャカシャカおろすという新鮮さが命になりますよ。
また、おうちに大根がない場合は、身近な日用品を応用することもできます。例えば、キッチン用の「マジックリン」などにはタンパク質分解酵素が含まれていることが多いですし、さらに身近なところだと「ハードコンタクトレンズの酵素洗浄液」も使えます。



コンタクトレンズの洗浄液は、目から出る涙の汚れを協力に落とすように設計されているので、カーペットの古いシミに数滴垂らして優しくなじませるだけで、驚くほどきれいに分解してくれる隠れた名アイテムなんです。
オキシクリーンとオキシドールで漂白


アルカリや酵素を使ってタンパク質を分解したあと、まだうっすらと茶色いシミが残ってしまうことがあります。これは、血液に含まれるヘモグロビン(鉄分)が酸化して、繊維を染めてしまっている状態です。ここまで来たら、最後の仕上げとして「漂白(酸化分解)」を行いましょう。
漂白アイテムとして真っ先に思い浮かぶのが、お掃除の定番「オキシクリーン」などの酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)ですよね。オキシクリーンは水に触れると活性酸素の細かい泡を放出し、その強力な酸化パワーで色素を破壊してくれます。
ただし、ここでも血液にお湯を使ってはいけないという、ルールとのジレンマが発生します。オキシクリーンは本来、40度〜60度のお湯で最大の効果を発揮する洗剤だからです。そのため、血液汚れに使うときは以下のような「二段階アプローチ」をとるのが鉄則です。
オキシクリーンを使った血液の漂白ステップ
- まずは、冷水とセスキ炭酸ソーダなどを使って、繊維の中にあるタンパク質成分をできる限り除去してしまいます。(ここで熱が通る物質をなくしておくのが最大のポイント!)
- 残ってしまった茶色い色素に対してのみ、少量のぬるま湯(40度前後)でオキシクリーンを濃いめに溶かしたペースト、または溶液を綿棒などでピンポイントに塗布します。
- 乾かないようにラップを上からかけて3〜5分ほどパックし、色が抜けたらすぐに冷水を含ませたタオルで洗剤成分ごと徹底的に叩き出します。
もう一つの漂白アプローチとして、非常に手軽でおすすめなのが、薬箱に入っている「オキシドール(過酸化水素水)」です。オキシドールを血液のついた箇所に数滴垂らすと、血液中の酵素(カタラーゼ)と反応して、シュワシュワシュワっと白い泡が一気に立ち上ります。
この気泡が、物理的に汚れを繊維の奥から押し出してくれるんです。同時に漂白も行ってくれるので、古い血に対しても抜群に効きますよ。ただし、どちらの漂白剤も色柄もののカーペットに使うと、シミと一緒にカーペット本来の色まで抜けてしまう「色ハゲ」のリスクがあります。



必ず、目立たない端っこの方でテストしてから、本番に臨んでくださいね。
ウタマロ石鹸による白残りや脱色リスク
泥汚れや食べこぼし、もちろん血液汚れにも強い味方として大人気の「ウタマロ石鹸」。おうちに常備している方も多いのではないでしょうか。部分洗い用の緑色の固形石鹸は、本当に何でもよく落ちる気がしますよね。
しかし、カーペットのシミ抜きにウタマロ石鹸をそのまま使うのには、ちょっとした罠があるんです。
ウタマロ石鹸の最大の特徴は、汚れを落とす純石けん成分に加えて、「蛍光増白剤」が配合されている点にあります。この蛍光増白剤というのは、汚れを分解する成分ではありません。
目に見えない紫外線を吸収して青白い光に変えて反射させることで、私たちの目に真っ白に見せるための、いわば一種の「青白い染料」なんです。(出典:日本石鹸洗剤工業会)
そのため、白いシャツや体操着などには劇的な白さを取り戻してくれる素晴らしいアイテムなのですが、これをカーペットに使ってしまうとどうなるでしょうか。
生成り(染色していない自然なベージュ)のウールや、パステルカラー、淡いグレーやブラウンといった色合いのカーペットにウタマロ石鹸を直接こすりつけてしまうと、血液のシミは落ちるかもしれません。ですが、その部分だけが蛍光増白剤によって「不自然に白く浮き上がって」しまうんです。
遠目で見ると、まるでそこだけ色が抜けてハゲてしまったかのように見えてしまい、余計に目立つシミを作ってしまう結果になりかねません。



ウタマロ石鹸をカーペットに使うのは、対象が「真っ白なポリエステル繊維」などの場合に、限定しておいた方が無難ですよ。
ウールやシルクなど天然素材への注意点


シミ抜きを始めようとするその前に、ちょっと待ってください。お使いのカーペットの「素材」は何か、確認しましたか。
ここが、セルフお掃除における最大の分かれ道になります。もし、お持ちのカーペットがポリエステルやナイロン、アクリルといった「化学繊維」であれば、ここまでに紹介したセスキや重曹、オキシクリーンなどの洗剤を比較的安全に使うことができます。
化学繊維は薬品に強く、水分を吸いにくいため扱いが楽なんです。
しかし、これが「ウール(羊毛)」や「シルク(絹)」といった、動物性の天然繊維だった場合は話が180度変わります。ペルシャ絨毯やギャッベ、おしゃれな北欧風ラグなどは、高級なウールがふんだんに使われていますよね。ここには、シミ抜きにおける致命的な同質性のジレンマが立ちはだかります。
どういうことかというと、血液のシミの主成分はタンパク質ですが、ウールやシルクの繊維自体もまたタンパク質でできているのです。
つまり、血液のタンパク質を分解しようとして、強アルカリ性のセスキ炭酸ソーダや、タンパク質分解酵素、強い漂白剤などを使ってしまうと、カーペットの繊維そのものを同時に分解・融解させてしまうことになるんです。
アルカリに触れたウールは、特有の美しいツヤやしなやかさを生み出す油分が失われ、ゴワゴワに硬くなってしまいます。ひどい場合には、繊維がボロボロになって溶け出し、穴が空いてしまうことすらあります。また、ウールは水に濡れるだけで縮みやすく、天然染料が「泣いて」色が隣の部分に滲んで広がってしまうリスクも非常に高い素材です。
ですので、ウールやシルクの製品に対しては、重曹やセスキ、オキシクリーン、市販の強力な酵素入り洗剤の使用は原則として絶対に避けてください。これらの高級素材に血がついてしまったら、できることは冷水を含ませたきれいなタオルで、ひたすら優しく叩き出すことだけです。



それ以上の化学的なお手入れは自分で行わず、愛着のあるお気に入りの一枚であればあるほど、無理をせずプロの手に委ねることを強くおすすめします。
(出典:全国クリーニング生活衛生同業組合連合会)
状況別カーペットの血の落とし方と専門業者
一口に血液の汚れと言っても、それが生理によるものなのか、ペットのケガによるものなのか、あるいは発生からどれくらい放置されてしまったのかによって、必要な戦術は変わってきます。
ここからは、具体的なシチュエーションに応じた最適な対応策と、家庭での対処の限界、そして専門のクリーニング業者に相談するときの料金目安について、詳しく掘り下げていきましょう。
- 生理の経血や鼻血をセスキ水で落とす
- ペットの血や粗相には重曹とクエン酸
- プロのクリーニングに依頼する判断基準
- 正しいカーペットの血の落とし方総括
生理の経血や鼻血をセスキ水で落とす


生理の時のうっかりした経血モレや、子供が急に出した鼻血。これらは粘度が高く、ただの血液だけでなく分泌物や細胞などの様々なタンパク成分が複雑に混ざり合っている「超・複合汚れ」です。サラッとした血に比べてカーペットの繊維に絡みつきやすく、一筋縄ではいかない強敵と言えます。
このようなドロッとした粘度のある血液汚れに対しては、中性洗剤ではパワー不足です。
そこで最も頼れるのが、タンパク質の結合を強力に緩めてくれる「セスキ炭酸ソーダ」を使ったアプローチです。
生理の経血や鼻血がついてしまったら、まずは乾いた布やティッシュを当てて、表面のドロッとした部分をできる限り吸い取ります。このとき横に広げないように注意してくださいね。次に、作っておいたセスキ水スプレー(水500mlに小さじ1を溶かしたもの)を、シミがしっかりと濡れるくらいスプレーします。
洋服やシーツであれば、バケツにセスキ水を張って丸ごとつけ置きができますが、床に敷いてある重いカーペットはそうはいきませんよね。そこで、カーペットの上で「疑似的なパック(つけ置き)」を行います。
セスキ水をたっぷり吹きかけた上から、水で濡らして固く絞ったきれいなタオルを載せ、その上からラップをかけて15分〜20分ほど置いてみてください。
こうすることで、セスキのアルカリ成分が乾燥を防ぎながら繊維の奥までじわじわと浸透し、頑固なタンパク質をばっちり分解してくれます。時間が経ったらラップを剥がし、載せていたタオルでトントンと叩くようにして、浮き出た血液をしっかりと回収していきましょう。



最後に水拭きと乾燥を徹底すれば、驚くほどスッキリ落とせますよ。
ペットの血や粗相には重曹とクエン酸
愛犬や愛猫などの大切なペットが爪を引っ掛けてケガをしてしまったり、お尻から出血してしまったり。あるいは、避妊・去勢手術のあとに傷口から血が滲んでカーペットについてしまうこともあります。また、ペットの血液汚れは、尿(おしっこ)や嘔吐物などの他の汚れと混ざり合っていることも多く、非常に強烈なニオイを伴うのが特徴です。
何より心配なのは、お掃除した後のカーペットをペットが舐めてしまうことですよね。残留性の高い強い化学洗剤や、塩素系の除菌スプレーなどは絶対に避けたいところです。
そこでおすすめなのが、「重曹」と「クエン酸」という自然由来のアイテムを使った、中和消臭アプローチです。
ペットの血液混じりの粗相に対しては、まず冷水に浸して固く絞った布で、汚れの大部分を叩き出して可能な限り薄くします。次に、血液特有の鉄臭さや、ペットの尿に含まれるアルカリ性のアンモニア臭をダブルで退治するために、以下の手順を踏んでみてください。
ペットの血液・粗相のナチュラル消臭シミ抜き手順
冷水拭きで汚れをある程度回収した後、クエン酸水(水200mlにクエン酸小さじ1を溶かしたもの)をシミ全体にスプレーします。クエン酸の酸性パワーが、アンモニア特有のツンとしたニオイを元から中和してくれます。
その上から、今度は粉末の重曹をたっぷり、シミが隠れるくらい山盛りに振りかけます。
クエン酸と重曹が反応して、シュワシュワと炭酸ガスの泡が発生します。この安全な気泡が繊維の隙間に残った細かい汚れやニオイ物質を物理的に浮き上がらせてくれます。
そのまま数時間放置して、完全に乾燥させます。水分を吸った重曹が、乾くとサラサラの粉末に戻るので、それを掃除機で一気に吸い取って完了です。



この方法なら、万が一ペットが後からカーペットをペロペロと舐めてしまっても、お口に入って害になるような化学物質は一切残らないので、本当に安心してお手入れができますよ。
プロのクリーニングに依頼する判断基準


ここまで家庭でできるシミ抜きの知恵をお伝えしてきましたが、どれだけ頑張っても落ちない限界のライン(レッドライン)というものが存在します。無理をして自己流のお手入れをダラダラと続けてしまうと、カーペットの寿命を縮め、最悪の場合は大切なラグを完全にゴミにしてしまうことになります。
以下の「3つの基準」に当てはまる場合は、すぐに諦めて専門のプロに相談しましょう。
家庭での処置を中止すべき3つのレッドライン
基準1:素材が高級な天然繊維の場合
前述の通り、ウール100%やシルク製のペルシャ絨毯、中国段通、ギャッベなどの場合。縮みや色泣き、繊維の崩壊を一般家庭で防ぎながらシミを抜くのは不可能です。最初からプロに任せるのが一番の節約になります。
基準2:血液が付着してから1週間以上が経過している場合
時間が経ちすぎて繊維の最深部で血液が完全に酸化し、結合が強固に定着してしまっているものは、市販のアイテムでは生地を傷めずに抜くことが極めて困難です。
基準3:汚染範囲が著しく広い場合
大量の鼻血をこぼしてしまった、怪我で広範囲に血が飛び散ってしまったなど、手作業の叩き拭きでは追いつかないレベルの広範囲な汚れ。中途半端な水分処理は、内部で雑菌がウジャウジャと繁殖する原因になり極めて不衛生です。
そして、もしプロのクリーニング業者へカーペットを出すと決めたとき、絶対に、何があっても忘れてはならない超重要事項があります。それは、受付時に「血液のシミがついているので、熱を加えないでください」と事前に必ず自己申告することです。
クリーニング店では通常、預かったカーペットを効率よく乾かすために、乾燥工程で高温の大型乾燥機を使用することが一般的です。もしあなたが、血がついていることを伝え忘れてしまうと、お店の人はいつもの工程で高温処理をかけてしまいます。
すると、残っていたタンパク質が繊維の奥で完璧にカチコチに「熱凝固」してしまい、その後いくらプロの特殊技術を使っても、二度と除去できない永久のシミになってしまうんです。ここだけは、絶対に忘れないようにしてくださいね。
では、実際にプロにお願いした場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。以下に、一般的なカーペットクリーニングの料金目安をまとめてみました。予算の参考にしてみてくださいね。
| カーペットの種類・製法 | クリーニング料金の目安(1㎡あたり) | 特徴とお手入れの難易度 |
|---|---|---|
| 化学繊維(タフテッドラグ等) | 約 1,500円 〜 3,850円 | 比較的リーズナブル。ポリエステルやナイロン製で薬品に強く、扱いやすい定番素材です。 |
| ウール(機械織りラグ) | 約 2,000円 〜 4,400円 | 羊毛独特の風合いや「遊び毛」の処理が必要。縮みやすいためプロの繊細な温度管理が求められます。 |
| ギャッベ / キリム | 約 3,300円 〜 8,500円 | 肉厚なウール素材。繊維の奥深くに詰まった砂埃のたたき出しや、染料の保護、完全乾燥に職人技を要します。 |
| 中国緞通(手織りウール) | 約 4,400円 〜 10,000円 | 非常に高密度で結ばれた高級品。裏地の状態を見極め、全体のバランスを崩さない丁寧な洗浄が必須です。 |
| ペルシャ絨毯(ウール) | 約 6,600円 〜 15,000円 | 天然草木染めが多く色泣きリスクが極めて高い。フリンジ(房)の保護など、総合的な技術が必要です。 |
| シルク段通・ペルシャ(シルク) | 約 7,700円 〜 20,000円以上 | 非常にデリケートで水に極端に弱い。専用の特殊溶剤と、最高峰の経験技術を要する最高難度の素材です。 |
※上記の料金はあくまで一般的な市場の目安となります。カーペットの厚みやフリンジの有無、また実際の汚れの度合いによって店舗ごとに見積もりは大きく変動します。詳しい価格やオプションプランについては、ご利用になる専門店の公式サイトを確認するか、事前にお見積もりを直接相談してくださいね。
さらに、通常のクリーニング基本料金に加えて、血液のシミがある場合は別途「特殊シミ抜き料金」として追加費用(一般的には小さなシミで数百円から、大きなものだと一律5,000円程度など)がかかるケースがほとんどです。
「え、そんなに高いの…?」と思うかもしれませんが、購入時に数十万円、数百万した資産価値のある大切な絨毯をダメにすることなく、一生モノとして使い続けるためのメンテナンス投資と考えれば、買い替えるよりもずっと経済的で理にかなっています。
人気のあるハウスクリーニング業者をピックアップして、口コミやメリットデメリット、選ばれる理由や特徴などを徹底解説しましたので、下記の記事も参考にしてください。
4つの業者の口コミやメリットデメリット、選ばれる理由や特徴などを徹底解説しました。下記の記事も、参考にしてください。
【人気ハウスクリーニング業者徹底解説】
>>ナックダスキンの評判ってどうなの?口コミ・料金・サービス内容とは
>>ユアマイスターの口コミを徹底解説!後悔しない業者選びのコツとは
>>おそうじ革命の口コミからわかる本音!利用者の評価と選ばれる理由
>>カジタクの口コミで発覚した評判の声とは!選ばれる理由や特徴を解説



プロの高度な水洗い技術によって、家庭では絶対に真似できない「ふかふかした極上の踏み心地」まで、しっかりと蘇らせてくれますよ。
正しいカーペットの血の落とし方総括


今回は、うっかりつけてしまったカーペットの血の落とし方について、生化学的なアプローチを交えながら詳しく紹介してきました。最後におさらいを兼ねて、大切なポイントをもう一度まとめておきましょう。
血液シミ抜きの基本中の基本は、何と言っても「お湯を使わず、必ず30度以下の冷水で叩くように洗うこと」でしたね。お湯を使うとタンパク質が固まって一発でアウトになります。また、ゴシゴシ擦るのも、汚れをパイルの奥深くに広げるだけなので厳禁です。
そして、化学的な性質を利用したアプローチの使い分けも大切です。一般的な化学繊維であれば、弱アルカリ性の「セスキ炭酸ソーダ」や、消臭もできる「重曹」を駆使することで、血液を安全に分解できます。どうしても落ちない色素には「オキシクリーン」や「オキシドール」での漂白。
固まった古い汚れには、「大根おろし」やコンタクトレンズの洗浄液などの「酵素」を上手に取り入れることで、劇的な効果を得ることができましたね。
ただし、カーペットが「ウール」や「シルク」などの天然繊維でできている場合は、繊維自体も同じタンパク質なので、無理なセルフクリーニングは縮みや風合い破壊、最悪の場合は繊維がボロボロになって崩壊する大惨事を引き起こします。
そうした高級素材の場合や、1週間以上経ってカチカチに酸化してしまった頑固なシミについては、無理をせず専門のクリーニング業者へお願いしましょう。その際は、必ず血液のシミですと事前に伝えることを忘れずに!
いかがでしたでしょうか。不測の事態に焦ってしまう気持ちはとてもよく分かりますが、血液の性質とカーペットの素材をしっかり見極めて、正しいステップでアプローチすれば、きれいで清潔な元のカーペットを安全に取り戻すことができますよ。



ぜひ、おうちの状況に合わせて、まずは目立たない場所から優しくトライしてみてくださいね。
【参考】
>>フローリングのえぐれ傷補修は100均で可能?簡単DIY術をご紹介
>>クッションフロアのえぐれ補修は簡単?DIYで直す方法や予防策とは
>>カーペットを切るハサミの選び方って?上手に切るコツやおすすめ商品
>>フローリングのニス剥がれ補修のコツって?DIYやプロ依頼まで解説
>>クッションフロアのへこみの直し方は簡単?自分で出来る補修と予防策
>>フロアタイルのデメリット「カビ」を防ぐ!後悔しない対策法と注意点
>>カーペットを干す場所がない時の対処法って?室内での乾かし方のコツ
>>フローリングにカビキラーはNGって本当?正しい落とし方と予防策
>>クッションフロアのゴム汚染の落とし方って?原因や対処法のポイント
>>賃貸のフロアタイルはデメリットばかり?失敗しない選び方を徹底解説
>>カーペットの拭き掃除にウタマロクリーナーは最適?活用術や注意点
>>知らないと損!正しいフロアタイルの捨て方と処分のコツを徹底解説
>>カーペットで椅子が引っかかる悩みを解消したい…その原因と対策とは
>>フロアタイルの隙間を埋める方法って?DIYから業者依頼までを解説
>>カーペットの黄色い粉の原因と対処法が知りたい!掃除や予防策も解説
>>賃貸でフローリングにゴム跡がついた…消し方と退去費用の注意点とは
>>クッションフロアのワックス剥がれはどうする?原因と補修法を解説
>>カーペットの買い替え時期はいつなのか?寿命と交換サインを徹底解説
>>クッションフロアのボコボコの直し方って?凹みや浮きを修復する方法
>>フローリングで思いっきりゴロゴロしたい!痛くない床座生活を解説
>>フロアタイルを剥がした後の気になる…ベタベタやカビ対処法と費用
>>カーペットのへこみ防止は100均で可能?おすすめ対策とグッズとは












