食洗機を設置する際に、アース線はいらないのではとお悩みの方も多いのではないでしょうか。しかし、アース線を接続することにより、安全に使用するための適切な対策について理解していないと、思わぬリスクが生じる可能性もあります。
本記事では、アース線の正しい付け方と接続方法について詳しく解説し、もしアース線が届かない場合の対処法や延長方法についてもご紹介します。さらに、アース線を延長するために必要な物や具体的な手順を説明し、安全に接続するためのポイントを分かりやすくまとめています。
また、食洗機を設置したい場所にコンセントが届かない場合、適切な延長コードの選び方についても確認しておきましょう。特に賃貸住宅では、アース線対応のコンセントがないこともあり、そうした場合にどのように対処すればよいのか、具体的な解決策をお伝えします。
とはいえ、状況によってはアース線の接続が難しい場合もあります。そこで代替え品として人気のビリビリガードの仕組みと効果もご紹介。アース線コンセントの設置工事費用の相場や、コンセントを増設することで得られるメリットについても詳しく解説します。

適切な電源環境を整えることで、食洗機をより安全かつ快適に使用できるよう、是非参考にしてください。
【記事のポイント】
1.食洗機のアース線をつけないと、様々なリスクがあること
2.アース線の接続は、一部の家電で義務付けられていること
3.アース線の正しい付け方や、届かない場合の延長方法
4.賃貸やコンセント環境に応じた、安全な対処法
食洗機のアース線はいらない?安全性とリスクを解説


- 食洗機のアース線をつけないとどうなる?
- アース線を付けるのは義務なのか?
- アース線の正しい付け方と接続方法
- アース線が届かない時の対処法と延長方法
- アース線を延長するのに必要な物と手順
- コンセントが届かない場合の延長コードの選び方
食洗機のアース線をつけないとどうなる?


食洗機のアース線をつけない場合、漏電時に感電するリスクなどが高まります。特に水回りで使用する家電は、漏電の可能性があるため、アース線を適切につないで安全対策をすることが重要です。
本来、アース線は家電から漏れた電気を地面へ逃がす役割を持っています。もしアース線をつながずに食洗機を使用すると、漏電した際に電気が逃げる経路がなくなり、食洗機の外装部分に電気が溜まることがあります。この状態で本体に触れると、感電してしまう可能性があります。
さらに、長期間アース線なしで使用していると、電気がわずかに漏れ続けることによって、周囲にホコリが溜まりやすくなります。このホコリに湿気が加わると、発火しやすい環境が生まれリスクもあります。特にキッチンのような火気を扱う場所では、一度火がつくと大きな被害になりかねません。
また、アース線を接続していないことで、万が一漏電が発生した際にブレーカーが作動せず、電気が流れ続けるケースもあります。これによって漏電が気づかれにくくなり、電気代の無駄が発生したり、より大きな事故につながったりする可能性もあるでしょう。
安全な食洗機の使用には、アース線の接続が欠かせません。



たとえ短期間であっても、アース線をつながない状態での使用はリスクが伴うため、設置の際には必ず確認するようにしましょう。
アース線を付けるのは義務なのか?
アース線の接続は、一部の家電において法律で義務付けられています。特に水回りで使用する電化製品は、感電や火災のリスクを低減するために、アース線をつなぐことが求められます。
電気設備の技術基準を定めた「内線規程」によると、台所や洗面所などの湿気が多い場所では、アース端子付きのコンセントの設置が義務化されています。これは、漏電が発生した場合に電気が地面に流れる経路を確保し、感電や火災のリスクを防ぐためです。
また、食洗機のように水を使用する家電には、アース線の接続が推奨されているだけでなく、メーカーの取扱説明書にも「必ず接続してください」と明記されていることが一般的です。これは、安全性を確保するための最低限の対策であり、アース線を接続しないことでメーカーの保証対象外になるケースもあります。
ただし、すべての家庭用家電でアース線の接続が法律で義務化されているわけではありません。例えば、電子レンジや冷蔵庫などの家電については、アース線の接続が望ましいとされるものの、罰則が伴う義務とはなっていません。
しかし、実際にはアース線をつなぐことで安全性が向上するため、特に水回りで使用する家電では積極的に接続することをおすすめします。
仮に設置場所にアース端子付きのコンセントがない場合は、電気工事を依頼してアース付きのコンセントに交換するか、アース線を延長して適切な場所に接続する方法が考えられます。また、「ビリビリガード」のようなプラグ型の漏電遮断器を活用することで、一定の安全対策を講じることも可能です。
いずれにしても、アース線の接続は、義務であるかどうかにかかわらず、食洗機を安全に使用するための重要なポイントです。



設置の際には、アース線の有無をしっかり確認し、適切な処置を行うことが大切です。
アース線の正しい付け方と接続方法


アース線を正しく接続することで、食洗機の漏電による感電や火災のリスクを軽減できます。特に水回りで使用する家電では、アース線の接続が重要です。ここでは、正しい手順と接続方法について解説します。
1.アース線の接続先を確認する
まず、設置する場所にアース端子付きのコンセントがあるか確認しましょう。一般的に、キッチンのコンセントには「アース端子」が付いている場合があります。
もしアース端子付きのコンセントがない場合は、以下の対応を検討してください。
- アース端子付きのコンセントに交換する(電気工事が必要)
- 近くにある別のアース端子へ延長して接続する
- ビリビリガードなどの漏電対策製品を併用する(完全な代替にはならない)
2.アース線の先端を加工する(必要に応じて)
食洗機に付属しているアース線は、すでに接続しやすい形になっていることが多いですが、場合によっては先端を加工する必要があります。
もしアース線の先端がカバーで覆われている場合は、ワイヤーストリッパー(またはカッター)を使って、約1.5cmほど銅線を露出させましょう。
3.アース端子へ接続する方法
アース端子の種類によって接続方法が異なります。主なタイプは、以下の3つです。
- 端子のつまみを緩める
- アース線の先端を巻きつける
- つまみを締めて固定する
- ふたを開け、ネジをドライバーで緩める
- アース線の先端をネジ部分に巻きつける
- ネジを締め、ふたを閉じる
- 端子のレバーを押し上げる
- アース線の先端を差し込む
- レバーを戻して固定する
4.接続後の確認
接続が完了したら、アース線がしっかり固定されているか確認しましょう。緩んでいると、万が一の際に正しく機能しない可能性があります。
また、アース線が床を這っている場合は、配線カバーを使って見た目を整えたり、足を引っかけないように工夫すると安全性が向上します。
5.アース線の延長が必要な場合
もしアース線の長さが足りない場合は、市販のアース線や接続用コネクタを利用して延長できます。正しく接続するためには、圧着端子や絶縁テープを使用して、しっかりと接続部分を保護することが大切です。
アース線の接続は難しくありませんが、誤った取り付けをすると本来の安全性が損なわれます。



必ず正しい手順で接続し、安全に使用できる環境を整えましょう。
アース線が届かない時の対処法と延長方法
食洗機のアース線が設置場所のコンセントまで届かない場合、いくつかの対処法があります。適切な方法を選ぶことで、安全性を確保しながらアース線を接続できます。ここでは、具体的な対策と延長方法について解説します。
近くのアース端子を探す
まず、食洗機を設置したい場所の近くにアース端子付きのコンセントがないか確認しましょう。例えば、以下の場所にアース端子が付いていることがあります。
- 電子レンジや冷蔵庫の近くのコンセント
- 洗濯機置き場やトイレ内のコンセント
- キッチンのガスコンロ下や収納スペース内の隠しコンセント
もし近くにアース端子付きのコンセントがあるなら、食洗機の設置場所を少し調整することで、アース線が届く可能性があります。
アース線を延長する方法
アース端子までの距離が長く、現在のアース線では届かない場合は、適切な方法で延長することが可能です。アース線の延長には、以下の2つの方法があります。
1.アース線を付け替える
食洗機に付属しているアース線を取り外し、市販の長いアース線に交換する方法です。この方法であれば、接続部分の劣化や緩みのリスクを抑えることができます。
- 長さが適切なアース線(ホームセンターや通販で購入可能)
- ドライバー(食洗機の端子に接続するため)
- 食洗機本体のアース線を取り外す
- 長いアース線を端子に接続する
- コンセント側のアース端子に固定する
2.アース線を延長して接続する
現在のアース線をそのまま使用し、別のアース線を継ぎ足して延長する方法です。コネクタや圧着端子を使用すれば、安全に接続できます。
- 延長用のアース線
- 差し込み型コネクタ(工具不要)または圧着端子
- 絶縁テープまたは熱収縮チューブ
- 延長するアース線の先端を、ワイヤーストリッパーで1.5cmほど剥く
- 食洗機のアース線と延長用アース線を、コネクタや圧着端子で接続する
- 絶縁テープで金属部分を保護し、安全性を高める
- 延長したアース線をアース端子付きコンセントに接続する
配線モールでアース線を保護する
アース線を延長した場合、床に直接這わせると、足を引っかける危険があったり、見た目が悪くなったりします。そのため、配線モールを活用して壁や床に沿わせることで、安全かつすっきりとした仕上がりになります。
アース端子付きコンセントの増設を検討する
もし、延長しても適切な接続先がない場合は、電気工事業者に依頼してアース端子付きのコンセントを増設するという選択肢もあります。工事費用は5,000円〜10,000円程度が一般的ですが、設置環境によって異なります。
ビリビリガードの活用(応急処置として)
どうしてもアース線の接続が難しい場合は、ビリビリガードのようなプラグ型漏電遮断器を使用する方法もあります。ただし、ビリビリガードは漏電時に電源を遮断する仕組みであり、アース線の役割とは異なります。完全な代替にはならないため、あくまでも応急処置として考えるとよいでしょう。
アース線が届かない場合は、「設置場所の調整・アース線の延長・アース端子の増設」などの方法で対処できます。



可能な限り、長いアース線に交換するか、安全な方法で延長することをおすすめします。
アース線を延長するのに必要な物と手順


アース線が設置場所のコンセントまで届かない場合、安全に延長することで問題を解決できます。適切な部品を使い、正しい手順で接続すれば、感電や漏電のリスクを抑えながらアース線を延ばすことが可能です。
ここでは、アース線を延長するために必要な物と具体的な手順について説明します。
項目 | 内容 |
---|---|
延長に必要な物 | 1. 延長用のアース線(緑色または黄色) 2. 接続用コネクタまたは圧着端子 3. ワイヤーストリッパー(またはカッター) 4. 圧着工具(圧着端子を使用する場合) 5. 絶縁テープまたは熱収縮チューブ |
延長手順(方法①) | 差し込み型コネクタを使う(簡単・工具不要) |
延長手順(方法②) | 圧着端子を使う(強固に固定する場合) |
アース線を延長するために必要な物
アース線を延長するには、以下のアイテムを準備しましょう。
1.延長用のアース線(緑色または黄色のもの)
適切な長さのものを選びます。長すぎると絡まりやすくなるため、必要な長さを測って購入しましょう。
2.接続用コネクタまたは圧着端子
- 工具不要で簡単に接続できる「差し込み型コネクタ」
- 強固に固定できる「圧着端子(要工具)」
3.ワイヤーストリッパー(またはカッター)
アース線の先端の被覆を剥くために使用します。
4.圧着工具(圧着端子を使用する場合)
圧着端子をしっかり固定するために必要です。
5.絶縁テープまたは熱収縮チューブ
接続部分の金属部分を覆い、安全性を高めるために使用します。
これらの材料はホームセンターやオンラインショップで手に入れることができます。特に差し込み型コネクタを使用すれば、工具なしでも簡単に接続可能です。


アース線の延長手順
アース線を延長する方法は、大きく分けて「差し込み型コネクタを使う方法」「圧着端子を使う方法」の2種類があります。
方法①:差し込み型コネクタを使う(簡単・工具不要)
ワイヤーストリッパーまたはカッターを使い、食洗機側のアース線と延長するアース線の先端を1.5cmほど剥きます。
- 食洗機側のアース線の先端をコネクタの片方に差し込みます。
- 延長用のアース線の先端を、コネクタのもう一方に差し込みます。
軽く引っ張っても抜けないことを確認しましょう。
接続部分にホコリや水が入り込まないよう、絶縁テープで覆います。
方法②:圧着端子を使う(強固に固定する場合)
ワイヤーストリッパーで、アース線の先端を1.5cmほど剥きます。
食洗機側のアース線と延長用のアース線、それぞれの先端を圧着端子に差し込みます。
圧着工具を使い、しっかりと端子を圧着します。
金属部分をしっかり覆い、接続部分の安全性を確保します。
延長後の配線処理
アース線を延長した後は、配線を整理しておくことで見た目を整え、安全性を高めることができます。
床に這わせる場合は、配線モールを使って壁沿いに固定すると邪魔になりません。
壁沿いに固定すると、コードが絡まるのを防げます。
延長が完了したら、アース線の先端をアース端子に接続します。端子の種類によって接続方法が異なるため、適切な手順で接続しましょう。
端子のネジを緩め、アース線を巻きつけてからネジを締める。
レバーを開いてアース線を差し込み、レバーを戻して固定する。
最後に、接続が正しくできているか確認しましょう。アース線がしっかり固定されていることを確認したら、食洗機を使用し、異常がないかチェックします。
アース線の延長は、差し込み型コネクタを使う方法と圧着端子を使う方法の2つがあります。どちらも適切な工具と手順を守れば、安全に延長することが可能です。



接続後は、絶縁テープでしっかり保護し、配線が邪魔にならないよう整理すると良いでしょう。
コンセントが届かない場合の延長コードの選び方
食洗機を設置する際、コンセントまでの距離が足りない場合は延長コードを使うことが検討されます。ここでは、安全に使用できる延長コードの選び方を解説します。


1.食洗機の消費電力に対応した延長コードを選ぶ
食洗機は、電力を多く消費する家電のひとつです。一般的な食洗機の消費電力は1000W以上になることが多いため、延長コードもその負荷に耐えられる仕様を選ぶ必要があります。
- 定格容量が15A・1500W対応のものを選ぶ
- 電源コードが太めのものを選ぶ
2.差し込み口が1つの延長コードを選ぶ
延長コードには複数の差し込み口が付いたタイプがありますが、食洗機には1口タイプの延長コードを使用するのが安全です。
3.延長コードの長さは適切なものを選ぶ
延長コードを選ぶ際、必要以上に長すぎるものを選ばないようにしましょう。コードが長すぎると、以下のようなデメリットが発生します。
- 電圧降下が発生し、食洗機の動作に影響を与える
- コードが絡まりやすく、断線のリスクが高まる
適切な長さの目安として、食洗機の電源コードの長さは約1.9mが一般的です。コンセントまでの距離を測り、必要な長さだけ延長するようにしましょう。目安としては、3m以内の延長コードが推奨されます。
4.防水・耐熱仕様の延長コードを選ぶ
食洗機は水回りで使用するため、防水や耐熱性の高い延長コードを選ぶとより安全に使えます。
- 防水・防滴加工がされているもの(キッチンや水回りの使用を想定したもの)
- 耐熱素材を使用しているもの(発熱しにくく、耐久性が高いもの)
- トラッキング防止プラグが付いているもの(ホコリや湿気による発火リスクを低減)
5.PSEマークが付いた安全性の高い延長コードを選ぶ
日本国内で販売されている電気製品には、安全基準を満たしていることを示す「PSEマーク」が付いています。延長コードを購入する際は、PSEマークが付いた信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。
食洗機を延長コードで使用する場合、安全に使えるものを選ぶことが最優先です。また、防水・耐熱仕様のコードを選び、トラッキング防止の対策もしておくとより安全です。



適切な延長コードを選んで、安心して食洗機を活用しましょう。


食洗機のアース線はいらない?賃貸や設備がない場合


- 賃貸でアース線対応してない場合の解決策
- ビリビリガードの仕組みと効果
- アース線コンセントの設置工事費用相場とは?
- コンセントを増設することによるメリット
- 食洗機のアース線に関するよくある質問
賃貸でアース線対応してない場合の解決策


賃貸住宅では、食洗機を設置したい場所にアース端子付きコンセントがないことがよくあります。ここでは、賃貸でも可能なアース線の接続方法を解説します。
1.近くのアース端子付きコンセントを探す
まず、キッチン以外の場所にアース端子付きのコンセントがないか確認しましょう。例えば、「冷蔵庫置き場・洗濯機置き場・電子レンジ用コンセント」には、アース端子が付いていることが多いです。もし別の場所にアース端子がある場合は、アース線を延長することで接続可能です。
2.アース線を延長して対応する
設置場所からアース端子が遠い場合は、アース線を延長することで対応できます。
- 長いアース線に交換する(最も安全)
- アース線をコネクタで接続して延長する
- 配線カバーを使用してアース線を整理する
3.コンセントをアース対応に交換する(大家・管理会社の許可が必要)
持ち家なら、アース端子付きのコンセントに交換する工事が可能ですが、賃貸では管理会社や大家の許可が必要になります。以下が、コンセント工事のポイントです。
- 工事費用は5,000円〜10,000円程度が相場。
- 電気工事士の資格が必要なため、自分での工事は不可。
- 大家の許可が下りれば、原状回復の義務なしで工事できることもある。
事前に大家や管理会社に相談し、許可が得られる場合は、専門の電気工事業者に依頼するのが確実です。
4.どうしてもアース線が使えない場合の注意点
アース線が接続できない状況で食洗機を使用する場合、次の点に注意してください。
- コンセントの差し込み部分をしっかり固定し、水やホコリがかからないようにする。
- 延長コードを使用する場合は「定格15A・1500W対応」の安全なものを選ぶ。
- 漏電を感知する「ビリビリガード」を併用する。
- 使用中に異常(焦げ臭い・動作不良など)があれば、すぐに使用を中止する。
賃貸でアース線対応のコンセントがない場合、アース線を延長する方法が最も確実な対策です。延長が難しい場合は、コンセント交換の相談やビリビリガードの活用を検討しましょう。



可能な範囲で安全対策を行い、安心して食洗機を使用できる環境を整えてください。
ビリビリガードの仕組みと効果
ビリビリガードは、コンセントに直接差し込んで使用できるプラグ型の漏電遮断器です。通常、アース線は家電製品から漏れた電流を地面へ逃がす役割を持っていますが、ビリビリガードは漏電を検知した際に電源を自動的に遮断することで、感電や火災のリスクを低減します。
ビリビリガードの仕組み
ビリビリガードは、コンセントの電流の流れを常に監視し、漏電が発生すると即座に電源を遮断する機能を持っています。


1.電流のバランスを監視
通常、電源プラグの2つの端子(ホット・コールド)には、電流が均等に流れています。
2.漏電を検知すると電源を遮断
家電が故障したり、水がかかったりして漏電が発生すると、流れる電流のバランスが崩れます。ビリビリガードはこの不均衡を検知し、電源を瞬時にオフにしましょう。
3.感電や火災のリスクを軽減
電源を遮断することで感電するリスクや、火花による火災の発生を防ぎます。
ビリビリガードの効果とメリット
ビリビリガードを使うことで、アース線がない場合の漏電対策として一定の効果を期待できます。特に、アース端子がない賃貸住宅や古い建物で食洗機を使用する際に有効です。
- アース線がなくても漏電対策ができる
- コンセントに差し込むだけなので、工事不要で手軽に使える
- 感電リスクを軽減し、事故を未然に防ぐ
- 食洗機だけでなく、電子レンジや洗濯機などにも使用可能
ビリビリガードは、特に賃貸住宅でアース線を取り付けられない場合の代替手段として便利です。
ビリビリガードの限界と注意点
ただし、ビリビリガードはアース線の完全な代替にはなりません。アース線は漏電した電流を地面へ逃がす役割を持っていますが、ビリビリガードはあくまで漏電を検知して電源を遮断するだけです。
- 漏電が発生してから電源を遮断するため、瞬間的に電気が流れる可能性がある
- 水回りでの使用を想定していないため、防水対策が必要
- すべての家電で必ずしも使用可能とは限らないため、メーカーの推奨を確認すること
ビリビリガードを使用している場合でも、食洗機の設置場所にはできるだけ水がかからないようにすることが重要です。また、長期間使う場合は定期的に正常に作動するかチェックし、劣化が見られたら早めに交換しましょう。
ビリビリガードを使用すべきケース
ビリビリガードは、次のような状況で特に役立ちます。
1.アース端子付きのコンセントがない
賃貸住宅や古い物件で、アース線を接続する場所がない場合。
2.工事ができない環境
持ち家でないため、コンセントの交換工事が難しい場合。
3.一時的な漏電対策が必要な場合
旅行先や仮住まいなど、一時的に食洗機を使用する際の安全対策として。
ビリビリガードは、アース線がない場合の漏電対策として有効な手段です。コンセントに差し込むだけで使用できるため、特に賃貸住宅や古い家での食洗機使用に適しています。



ただし、アース線の完全な代替ではなく、漏電発生後に電源を遮断する仕組みであるため、根本的な安全対策としてはアース線の延長やコンセント交換を検討することが望ましいでしょう。


アース線コンセントの設置工事費用相場とは?


アース線コンセントの設置工事費用は、工事の種類や住宅の設備状況によって異なります。一般的な相場としては5,000円~30,000円程度が目安ですが、詳細な費用は以下のポイントによって変動します。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
アース端子付きコンセントへの交換 | 5,000円~10,000円 |
分電盤からアース線を引く工事 | 10,000円~30,000円 |
新規にD種接地工事を行う | 15,000円~30,000円 |
1.アース端子付きコンセントへの交換(5,000円~10,000円)
既存のコンセントにアース端子がない場合、アース端子付きのコンセントに交換するだけで対応できることがあります。この場合、部品代と交換作業費込みで5,000円~10,000円程度が相場です。
- 施工時間が短く、数十分程度で完了する
- 比較的安価で対応できる
- 工事後すぐに使用可能
元の配線にアース線が通っていなければ、別途アース線の配線工事が必要
2.分電盤からアース線を引く工事(10,000円~30,000円)
アース線が配線されていない場合、分電盤からアース線を引いて各コンセントに接続する工事が必要になります。費用は、10,000円~30,000円程度が一般的です。
- 確実にアースを確保できる
- 他の家電にもアース接続が可能になる
- 既存の配線によっては壁内の工事が必要になるため、費用が高くなることがある
- 賃貸の場合、管理会社や大家の許可が必要
3.新規にD種接地工事を行う場合(15,000円~30,000円)
新築住宅やアース設備のない建物では、地面にアース棒を埋設して接地するD種接地工事が必要になります。これは、電気工事士による専門工事となり、15,000円~30,000円程度が相場です。
- しっかりとしたアース接地が可能
- 安全性が高まり、漏電時のリスクを軽減できる
- 工事には1~2時間程度の時間がかかる
- 住宅の構造によっては施工が難しい場合がある
4.費用を抑えるためのポイント
アース線コンセントの設置工事費用を抑えたい場合、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 複数の業者から見積もりを取る
- 賃貸なら管理会社に相談する
- DIYは危険なので避ける
アース線コンセントの設置工事費用は5,000円~30,000円の範囲で、工事内容によって費用が異なります。



安全に使用するためにも、資格を持つ電気工事士に依頼し、適切な工事を行いましょう。
コンセントを増設することによるメリット
コンセントを増設することで、家電の配置や使い勝手が向上し、安全性も高まります。特に食洗機のような消費電力の大きい家電を使用する場合、適切な電源環境を整えることが重要です。
ここでは、コンセントを増設することで得られる具体的なメリットを紹介します。
メリット | 説明 |
---|---|
家電の設置場所の自由度が上がる | コンセントの数が増えることで、設置場所を柔軟に変更できる |
ブレーカーが落ちるリスクを減らせる | 特定の回路を分けることで、電力オーバーを防げる |
火災や感電のリスクを軽減できる | タコ足配線や延長コードの使用を減らせる |
家電の性能を最大限に引き出せる | 安定した電力供給で、家電を適切に動作させられる |
将来的な家電の追加にも対応 | 新しい家電を導入しても、コンセント不足の心配がない |
1.家電の設置場所の自由度が上がる
コンセントの数が増えることで、家電を好きな場所に設置しやすくなります。たとえば、食洗機を設置したい場所の近くにコンセントがない場合でも、新たに増設すればコードを延長せずに済みます。
- 設置の自由度が上がることで、キッチンのレイアウトを最適化できる
- 延長コードを使わずに済むため、見た目もスッキリする
- 配線工事が必要になるため、事前に業者へ相談が必要
- 賃貸物件の場合、管理会社や大家の許可が必要
2.ブレーカーが落ちるリスクを減らせる
既存のコンセントに複数の家電を接続すると、ブレーカーが落ちるリスクが高まります。特に「食洗機・電子レンジ・炊飯器」などの、消費電力が大きい家電を同時に使用すると、電力オーバーになりやすいです。
- 専用回路を設けることで、ブレーカーが落ちるのを防ぐ
- 特定の家電だけで回路を分けることで、安全性を向上できる
コンセントを増やすだけでは解決しない場合があり、専用回路の工事が必要なケースもある
3.火災や感電のリスクを軽減できる
コンセントが不足していると、延長コードを使う機会が増えます。しかし、延長コードはホコリが溜まりやすく、プラグ部分が劣化すると発熱や発火の原因になることがあります。コンセントを増設すれば、こうしたリスクを軽減できます。
- タコ足配線を避けることで、火災のリスクを低減
- 延長コードの劣化によるトラブルを防げる
- コンセント増設は必ず電気工事士に依頼すること(DIYは違法)
- 定期的にコンセントの状態をチェックし、劣化していないか確認する
4.家電の性能を最大限に引き出せる
食洗機や電子レンジなどの家電は、安定した電力供給が必要です。タコ足配線や延長コードを使うと、電圧が不安定になり、機器の性能が十分に発揮されない場合があります。コンセントを増設することで、各家電に適切な電力を供給し、長持ちさせることができます。
- 電圧が安定することで、家電の寿命を延ばせる
- 食洗機や電子レンジなどのパフォーマンスが最大限に発揮される
- 家電の電源コードを直接コンセントに差し込むのが理想的(延長コードはできるだけ避ける)
- 消費電力の大きい家電は専用コンセントを用意するとより安心
5.コンセント増設により、将来的な家電の追加にも対応できる
コンセントの数が少ないと、新しい家電を追加するときに困ることがあります。例えば、食洗機を導入した後に電気ケトルやホットプレートなどの家電を増やしたい場合、コンセントが不足すると不便です。あらかじめ増設しておくことで、将来的な家電の追加にも柔軟に対応できます。
- 今後のライフスタイルの変化にも対応しやすくなる
- 家電の買い替え時にも、適切なコンセント配置が可能になる
- 必要な場所に適切なコンセントを増設する計画が重要
- 余裕を持った数のコンセントを設置することが推奨される
コンセントを増設することで、将来的な家電の追加にも対応できるため、今後の生活を考えて計画的に増設を検討することをおすすめします。



ただし、コンセントの増設工事は資格が必要な作業なので、必ず電気工事士に依頼しましょう。
食洗機のアース線に関するよくある質問


食洗機のアース線について、多くの方が疑問に思う点をまとめました。アース線の必要性や接続方法、設置に関する注意点など、よくある質問に対してわかりやすく解説します。
- 食洗機にアース線は必ずつける必要がありますか?
-
アース線は、食洗機の漏電による感電や火災のリスクを軽減するために重要な役割を持ちます。法令上も、水回りで使用する家電にはアース線の接続が推奨されており、特に湿気の多い環境では義務とされるケースがあります。
アース線がない状態で使用すると、漏電時に感電の危険があるため、安全のために必ず接続することをおすすめします。
- 食洗機のアース線が届かない場合はどうすればいいですか?
-
アース線の長さが足りない場合、延長する方法が2つあります。
- アース線を長いものに交換する(既存のアース線を外し、新しく長いものに取り替える方法)
- アース線を延長する(コネクタや圧着端子を使用し、既存のアース線に延長ケーブルを接続する方法)
ただし、アース線の延長には正しい接続方法が求められます。電気絶縁用テープや圧着工具を使用し、接続部が露出しないようにしましょう。
- 賃貸でアース線を接続できるコンセントがない場合は?
-
賃貸住宅では、アース端子付きコンセントがないこともあります。この場合の対処法は以下の通りです。
- 管理会社や大家に相談し、アース付きコンセントへの交換工事を許可してもらう
- 既存のアース付きコンセント(冷蔵庫・洗濯機用など)からアース線を引っ張ってくる
- アース線の代わりにプラグ型漏電遮断器(ビリビリガード)を使用する
- アース線を水道管やガス管に接続してもいいですか?
-
絶対にNGです。水道管やガス管は、アースの代替にはなりません。水道管の多くは樹脂製であり、電流を正しく逃がせない可能性があります。また、ガス管に接続すると、ガス漏れや爆発のリスクが高まるため大変危険です。
- 延長コードを使って食洗機のコンセントを延ばしてもいいですか?
-
食洗機の説明書には、多くの場合「延長コードの使用は禁止」と記載されています。
- 食洗機のアース線は冷蔵庫や電子レンジのアース線と同じ端子に接続しても大丈夫?
-
同じ端子に複数のアース線を接続することは可能です。例えば、食洗機と電子レンジのアース線を一つのアース端子にまとめて取り付けることができます。ただし、アース端子の設計によっては、接続できる本数が限られている場合もあるため、事前に確認が必要です。
- 食洗機のアース線をつなぐコンセントがない場合、工事費用はいくらかかる?
-
アース端子付きのコンセントに交換する場合、5,000円~10,000円程度の費用がかかります。もし、アース線自体が配線されていない場合は、分電盤から新しくアース線を引く工事が必要になり、10,000円~30,000円程度の費用がかかることがあります。
特に、キッチンは水を使う環境のため、漏電の影響を受けやすく危険です。そのため、アース線を正しく接続することが推奨されています。



安全に食洗機を使用するために、正しい方法でアース線を接続しましょう。
食洗機のアース線はいらない?安全性と設置の総括
記事のポイントを、まとめます。
- 食洗機のアース線をつけないと、感電や火災のリスクが高まる
- アース線は漏電時に、電気を地面へ逃がす役割を持つ
- 水回りの家電はアース線の接続が推奨されている
- 内線規程では湿気の多い場所の、アース端子設置が義務化されている
- アース線が未接続だと、ブレーカーが作動しない可能性がある
- アース線が届かない場合は、長いものに交換するか延長する
- 延長時は圧着端子や、差し込み型コネクタでしっかり接続する
- 食洗機用のコンセントが遠い場合は、専用の延長コードを選ぶ
- 賃貸でアース端子がない場合は、管理会社に相談するのがベスト
- ビリビリガードはアース線の代替ではなく、補助的な対策となる
- アース端子付きコンセントの設置工事は、5,000円~30,000円程度が相場
- コンセントを増設すると家電の配置が自由になり、安全性も向上する
- アース線を水道管やガス管に接続するのは、危険なので厳禁
- 同じアース端子に、複数の家電を接続することは可能
- アース線を正しく接続すれば、食洗機を安全に使用できる
【参考】
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