エアコンの配管周りを埋めている、粘土のようなものがポロっと取れてしまい、どうすれば良いかお困りではありませんか。そもそもエアコンの防水パテとは何か、そしてエアコンのパテが取れた時の対処法について、詳しく知りたい方も多いと思います。
この記事では、エアコンのパテをDIYでも修繕可能なのか、またエアコンのパテは100均で購入できるのかといった疑問にお答えします。
さらに、エアコンのパテでおすすめの商品から、賃貸物件でエアコンのパテが取れたら修復はどのように進めるべきか、パテは室内と屋外では違うのかといった点も解説します。
加えて、補修後にエアコンのパテが固まらない原因や、パテ埋めを業者依頼する時の注意点まで、あらゆる角度から丁寧に掘り下げていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

お困りなら、きっと参考になると思います。
【記事のポイント】
1.パテが取れる原因と、放置した場合のリスク
2.自分でできるDIYでの、具体的な補修手順
3.業者に依頼する場合の、費用相場と注意点
4.賃貸物件における、トラブルのない適切な対処法
エアコンのパテが取れたら?放置するリスクと対処法


ここでは、エアコン配管パテの基本的な役割から、劣化した場合の対処法、ご自身で修理する方法、そして材料の選び方までを順を追って解説します。
- エアコンの防水パテとは?
- エアコンのパテが取れた時の対処法
- エアコンのパテをDIYでも修繕可能?
- エアコンのパテは100均で購入できる?
- エアコンのパテでおすすめの商品
エアコンの防水パテとは?


エアコンの配管を壁に通す際、壁に開けた穴と配管の間にはどうしても隙間が生まれます。その隙間を埋めるために使われる粘土状の充填材が、エアコンの防水パテです。一般的には、「エアコン配管用パテ」「シールパテ」とも、呼ばれています。
パテの主な役割とは
このパテの主な役割は、屋外からの雨水や風、ホコリ、害虫が室内に侵入するのを防ぐことです。また、隙間をきっちり塞ぐことで、室内の空気が外に漏れたり、外気が室内に入り込んだりするのを防ぎ、エアコンの冷暖房効率を維持する役目も担っています。
多くのエアコン用パテは、時間が経ってもカチカチに硬化しない「不乾性」という性質を持っています。これは、配管の微細な振動を吸収したり、後で修理や交換がしやすかったりするためです。
しかし、紫外線や雨風に長年さらされることで、パテは徐々に劣化します。
油分が抜けて硬くなり、ひび割れや肉痩せ(縮んで細くなること)を起こし、最終的には壁からポロリと剥がれ落ちてしまうのです。



一般的に、エアコンパテの寿命は設置環境にもよりますが、5年〜7年程度が目安と考えられます。
エアコンのパテが取れた時の対処法


エアコンのパテが取れているのを見つけたら、速やかに対処することが大切です。これを放置しておくと、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
放置するリスク
1.雨水の侵入
隙間から雨水が壁の内部に侵入し、壁材や断熱材を腐らせたり、カビの発生原因になったりします。最悪の場合、建物の構造自体にダメージを与え、大規模な修繕が必要になることもあります。
2.害虫の侵入
ゴキブリやクモ、ムカデといった害虫が、格好の侵入経路として利用します。ネズミやコウモリなどの小動物が入り込み、巣を作ってしまうケースも報告されています。
3.冷暖房効率の低下
隙間から外気が自由に出入りすることで、エアコンの効きが悪くなります。結果として電気代が無駄に高くなることにも繋がります。
主な対処法
対処法は、大きく分けて「自分でDIY修理する」「専門業者に依頼する」かの2択です。DIYは費用を安く抑えられるのが最大のメリットですが、高所での作業が必要な場合は危険が伴います。
一方、業者は費用がかかりますが、安全かつ確実に作業を完了させてくれます。



どちらの方法が自分に適しているか、状況を見極めて判断することが求められます。
エアコンのパテをDIYでも修繕可能?


はい、エアコンパテの補修はDIYでも十分可能です。作業は非常にシンプルで、特別な工具や高い技術力は、必要ありません。粘土遊びのような感覚で、多くの方が簡単に作業を終えられています。
DIY補修の基本的な手順
まず、壁に残っている古いパテを、手やヘラなどを使って丁寧に取り除きます。壁紙を傷つけないように注意しましょう。
パテが付いていた部分の壁と配管周りのホコリや汚れを、固く絞った雑巾などで拭き取ります。汚れや水分が残っていると新しいパテがしっかり密着しないため、この工程は丁寧に行い、その後よく乾かしてください。
新しいパテを袋から取り出し、耳たぶくらいの柔らかさになるまで手でよくこねます。温めるようにこねるのがコツです。
こねたパテを棒状に伸ばし、配管の周りに巻き付けるようにして隙間を埋めていきます。一度に全部を詰めようとせず、何回かに分けて、奥からしっかりと押し込むように充填するのがポイントです。
全ての隙間が埋まったら、指やヘラを使って表面を滑らかに整えて完成です。
DIYの注意点
高所での作業になる場合は、脚立を安定した場所に設置し、転落にはくれぐれも注意してください。



また、パテが手や服に付くとベタベタして取れにくいため、使い捨てのビニール手袋を着用し、汚れても良い服装で作業することをおすすめします。
エアコンのパテは100均で購入できる?


はい、エアコン用のパテは、ダイソーやセリアといった100円ショップでも購入することが可能です。「電工パテ」「すきま充てん材」といった商品名で、販売されていることがあります。
100均パテのメリットデメリット
最大のメリットは、何と言っても「その手軽さと価格」です。急に必要になった時でも、近所の100円ショップで簡単に入手できるのは非常に便利です。
一方で、デメリットも存在します。ホームセンターなどで販売されている専門メーカーの製品と比較すると、耐候性や耐久性が若干劣る可能性があります。特に、直射日光や雨風に直接さらされる屋外での使用には、あまり向いていないかもしれません。
また、100円ショップで売られている工作用の「紙粘土」「油粘土」を代用するのは、避けるべきです。
これらの粘土には防水性や耐候性がなく、すぐに劣化してひび割れたり、カビが発生したりする原因になります。必ず「エアコン用」「配管用」と、記載のあるパテを選びましょう。
以上のことから、100均のパテは、室内側での使用や、あくまで一時的な応急処置として利用するのが賢明と言えます。



長期間の安心を求めるのであれば、ホームセンターで専門のエアコンパテを購入することをおすすめします。
エアコンのパテでおすすめの商品


エアコンのパテを選ぶ際は、「エアコン配管用」と明記されていること、そして屋外でも使用できる「全天候型」であることが基本です。ここでは、信頼性が高く、多くの方に選ばれているおすすめの商品をいくつか紹介します。
商品名 | メーカー | 特徴 | 参考価格(200g) |
---|---|---|---|
エアコン用シールパテ AP-200 | 因幡電工 | 優れた粘着性と非硬化性で作業しやすい。定番商品。 | 150円~300円 |
不乾性充てん材 すきまパテ | セメダイン | 密着性が高く、様々な素材に使用可能。白色と灰色あり。 | 200円~400円 |
エアコン配管用パテ DZ-ECP2/W | オーム電機 | リーズナブルで電気絶縁性にも優れる。 | 100円~250円 |
耐火パテ | 各社 | 防火区画用。熱で膨張し延焼を防ぐ。 | 1,000円~ |






選び方のポイント
1.色で選ぶ
パテには主にアイボリー、ホワイト、グレーなどの色があります。外壁や室内の壁紙の色に合わせて選ぶと、補修跡が目立ちにくくなります。
2.量で選ぶ
一般的な家庭用エアコンの配管穴であれば、200gの製品一つで室内・室外の両方を十分に補修できます。失敗が心配な方や、他の箇所も補修したい場合は、少し多めに用意しておくと安心です。
3.機能性で選ぶ
寒冷地にお住まいの方は、低温でも硬くなりにくい製品を選ぶと作業がしやすくなります。



また、前述の通り、集合住宅では「耐火パテ」の使用が義務付けられている場合もあるため、規約などを確認するのも一つの手です。
エアコンのパテが取れた時の具体的な修繕ガイド


ここからは、賃貸物件での対処法や業者に依頼する場合の注意点、さらに一歩踏み込んだ専門的な知識やよくある質問について、解説していきます。
- 賃貸物件でエアコンのパテが取れたら修復は?
- エアコンのパテは室内と屋外では違う?
- エアコンのパテが固まらない原因
- エアコンのパテ埋めを業者依頼する時の注意点
- エアコンのパテに関するよくある質問
賃貸物件でエアコンのパテが取れたら修復は?


賃貸物件にお住まいの場合、エアコンのパテが取れていても、自己判断で勝手に修理するのは避けるべきです。まず初めに行うべきは、大家さんまたは物件の管理会社への連絡と相談です。
なぜ連絡が必要か
賃貸物件は、あくまで「借りているもの」です。設備の修繕に関する責任の所在は、賃貸借契約書に定められています。一般的に、入居者の故意や過失によらない設備の経年劣化については、その修繕義務は貸主(大家さん)にあるとされています。
エアコンパテの劣化は、多くの場合「経年劣化」と見なされます。そのため、修繕費用は大家さん負担で、大家さんが手配した業者によって修理が行われるのが通常です。
もし、良かれと思って自分で修理してしまい、万が一壁を傷つけたり、不適切な修理で新たな問題を引き起こしたりした場合、退去時に原状回復費用を請求される可能性もゼロではありません。
対処の流れ
パテが取れている箇所の状態をよく確認し、スマートフォンなどで写真を撮っておきましょう。管理会社や大家さんに状況を説明する際に役立ちます。
電話で状況を説明し、写真を送るなどして、どのように対処すれば良いか指示を仰ぎます。
大家さん側で業者を手配してくれる場合もあれば、「入居者さんの方で手配して、費用はこちらで持ちます」と言われる場合もあります。いずれにしても、必ず指示に従って行動してください。



このような手順を踏むことで、余計なトラブルを避け、スムーズに問題を解決できます。
エアコンのパテは室内と屋外では違う?


使用するパテ自体は、室内と屋外で必ずしも違う製品を使う必要はありません。市販されているエアコン用パテの多くは、室内・屋外兼用の全天候型です。しかし、設置されている環境の過酷さには大きな違いがあるため、その点を考慮する必要があります。
屋外のパテは、直射日光による紫外線、雨、風、雪、そして寒暖差といった厳しい自然環境に常にさらされています。このため、室内側のパテに比べて劣化のスピードが格段に速いのが特徴です。
したがって、特に屋外のパテを補修する際には、より耐候性や耐久性の高い製品を選ぶのが賢明です。
製品パッケージに「耐候性」「屋外用」といった表記があるものを選ぶと、より長持ちし、頻繁なメンテナンスの手間を省くことにつながります。
また、前述の通り、マンションなどの集合住宅では、火災時の延焼を防ぐ目的で、壁を貫通する部分に「耐火パテ」という特殊なパテの使用が消防法で義務付けられている場合があります。
見た目は通常のパテと似ていますが、熱を受けると大きく膨らんで隙間を塞ぎ、炎や煙の侵入を防ぐ性能を持っています。



ご自宅の状況が不明な場合は、管理組合などに確認してみるのも良いでしょう。
エアコンのパテが固まらない原因


DIYでパテを補修した後、「いつまで経ってもパテが固まらないけど、大丈夫?」と不安に思う方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、これは心配無用です。なぜなら、エアコン配管用のパテは「不乾性」であり、もともとカチカチには固まらないように、作られているからです。
この固まらない性質には、ちゃんとした理由があります。
理由1:緩衝材の役割
一つは、エアコンの運転中に室外機から発生する微細な振動を、この柔らかいパテが吸収し、壁や建物に伝わりにくくする「緩衝材の役割」を果たしているためです。
理由2:メンテナンスのしやすさ
もう一つの理由は、「メンテナンスのしやすさ」です。将来的にエアコンを交換したり、配管を修理したりする際に、パテがコンクリートのように固まっていると、取り除くのが非常に困難になります。いつでも剥がせる柔軟性を保つことで、後の作業が容易になるのです。
もし、お子様が触ってしまうなど、パテが柔らかいことで何か不都合がある場合は、パテや配管全体を覆う「配管化粧カバー」を設置するという対策があります。



これは見た目をスッキリさせる効果もあり、後付けも可能なので、検討してみる価値はあるでしょう。
エアコンのパテ埋めを業者依頼する時の注意点


高所での作業が不安な方や、DIYに自信がない方は、専門の業者に依頼するのが最も安全で確実な方法です。しかし、業者に依頼する際には、いくつか知っておくべき注意点があります。
DIYで修理 | 業者に依頼 | |
---|---|---|
メリット | ・費用が格安(数百円程度) ・思い立ったらすぐできる | ・安全で確実 ・仕上がりがきれい ・手間がかからない |
デメリット | ・高所作業は危険 ・手間と時間がかかる ・失敗のリスクがある | ・費用が高い(数千円~) ・業者を探す手間がかかる ・すぐに対応してもらえない場合がある |
費用相場
エアコンパテの補修のみを業者に依頼した場合の費用相場は、出張費や技術料を含めて4,000円〜10,000円程度です。パテ自体の価格が100円~数百円であることを考えると高額に感じられますが、これには専門家が現場まで来て作業を行うための人件費や交通費が含まれているため、ある程度の費用はかかります。
業者選びのポイント
1.相見積もりを取る
料金体系は業者によって様々です。1社だけでなく、必ず2~3社から見積もりを取り、料金と作業内容を比較検討しましょう。その際、出張費や追加料金の有無を事前に確認することが大切です。
2.実績と口コミを確認する
近所の電気店やエアコン工事業者、またはインターネットのマッチングサイトなどで業者を探せます。依頼する前には、その業者のウェブサイトで施工実績を確認したり、口コミサイトで評判をチェックしたりすると、信頼できる業者かどうかを判断する材料になります。
3.作業内容を明確にする
見積もりの際に、どのような作業を行うのかを具体的に説明してもらいましょう。



「パテを埋めるだけ」という曖昧な説明ではなく、古いパテの除去や清掃作業が含まれているかなどを確認することで、後のトラブルを防げます。
エアコンのパテに関するよくある質問


ここでは、エアコンのパテに関して、これまでに解説した内容以外でよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- パテの寿命や交換の明確な目安はありますか?
-
明確に「何年」と決まっているわけではありませんが、一般的には5年~7年が交換を検討する一つの目安です。ただし、日当たりの良い場所や雨風が直接当たる場所では、劣化が早く進むこともあります。
ひび割れ、硬化してカサカサになっている、壁との間に隙間ができている、といったサインが見られたら、年数にかかわらず交換のタイミングと考えて良いでしょう。定期的に目視でチェックする習慣をつけると安心です。
- パテの見た目が悪くて気になります。隠す方法はありますか?
-
パテの灰色や白色が壁の色と合わず、見た目が気になるという方も少なくありません。その場合、最もスマートな解決策は、前述した「配管化粧カバー」を取り付けることです。カバーで配管ごと覆ってしまうため、パテが完全に見えなくなり、室内が非常にスッキリとした印象になります。
もっと手軽な方法としては、フェイクグリーン(造花)を配管に絡ませてカモフラージュする方法があります。100円ショップなどでも手軽に入手でき、インテリアのアクセントにもなるため、試しやすいアイデアです。
- DIYで作業した後、パテが余ってしまいました。保管できますか?
-
はい、保管できます。余ったパテは、乾燥しないように元の袋に戻すか、ラップなどでぴったりと包み、さらにそれをジップロック付きの袋などに入れて空気を抜いて密閉します。そして、直射日光の当たらない涼しい場所(冷暗所)で保管しておけば、次回の補修時にも使用可能です。



よくあるQ&Aも、参考にしてください。
エアコンのパテが取れた時のポイント総括
この記事では、エアコンの配管パテが取れた際の原因から対処法までを、網羅的に解説しました。最後に、重要なポイントを改めてまとめます。
- エアコンのパテは、雨水や害虫の侵入を防ぐ重要な役割を持つ
- パテの寿命は一般的に、5~7年で経年劣化により脱落する
- パテの脱落を放置すると、雨漏りや冷暖房効率の低下に繋がる
- 対処法はDIYでの修理か、専門業者への依頼の2択
- DIYは費用を抑えられるが、高所作業には危険が伴う
- DIYの際は古いパテの除去と、清掃を丁寧に行うことが重要
- エアコン用パテは、100円ショップでも購入可能だが専門品が安心
- 業者依頼の費用相場は、4,000円〜10,000円程度
- 業者を選ぶ際は、必ず相見積もりを取ること
- 賃貸物件の場合は、まず管理会社や大家さんへ連絡・相談する
- 屋外のパテは、耐候性の高い製品を選ぶと長持ちする
- エアコン用パテは、固まらない「不乾性」が正常な状態
- パテが柔らかくて困る場合は、配管化粧カバーが有効な対策となる
- パテの見た目が気になる場合も、化粧カバーやフェイクグリーンで隠せる
- 余ったパテは、密閉して冷暗所で保管できる
【参考】
>>エアコンは1ヶ月つけっぱなしで壊れる?長時間運転の影響と最適手段
>>エアコン内部クリーンが終わらない原因って?対応策と機能の仕組み
>>エアコンのうるさいゴーゴー音の原因って?異音の種類や対処法とは
>>エアコン200vを100vに変換する費用って?工事内容や手順解説
>>エアコン14畳と18畳ならどっちを選ぶ?性能や後悔しないポイント
>>エアコン100vはアースなしで使用可能?必要性と対策や工事方法
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