部屋の形に合わなかったり、不要になったりしたカーペットを自分でカットできれば便利ですよね。しかし、そもそもカーペットを切るには「専用ハサミ」が、必要なのでしょうか?
この記事では、カーペットを切るハサミは100均で購入可能かといった身近な疑問から、ホームセンターで人気のカーペットを切るハサミはどれかまで、ハサミの選び方と切る前の確認事項を詳しく解説します。
さらに、カーペットを上手に切るコツとは何か、ハサミ以外にも必要な道具や注意点、そして切ったカーペットをそのまま捨てるのはNGなのかという、処分方法まで網羅します。
おすすめのカーペットを切るハサミをご紹介するだけでなく、DIYが不安なら信頼できるプロの業者に依頼する方法もご紹介。

失敗や後悔のないよう、ぜひ最後までご覧ください。
【記事のポイント】
1.カーペットを切るハサミの、正しい選び方
2.失敗しないための、カーペットの切り方とコツ
3.100均から専門品まで、おすすめのハサミ
4.切断後の処理や処分方法、業者の選び方
初心者向けのカーペットを切るハサミの基本知識


- カーペットを切るには専用ハサミが必要?
- ハサミの選び方と切る前の確認事項
- カーペットを上手に切るコツとは?
- ハサミ以外にも必要な道具や注意点
- 切ったカーペットをそのまま捨てるのはNG?
カーペットを切るには専用ハサミが必要?


カーペットを切りたいと考えたとき、多くの人がまず疑問に思うのは「専用の道具が必要なのか…?」と、いうことではないでしょうか。
結論から言うと、必ずしも専用ハサミが必須というわけではありません。しかし、作業のしやすさや仕上がりの美しさを考慮すると、カーペットの切断に適したハサミを用意することをおすすめします。
紙を切るような普通のハサミでは、カーペットの厚みや裏面の硬い素材に刃が負けてしまい、うまく切れないことがほとんどです。無理に力を入れると手が痛くなったり、切り口がガタガタになったりする原因にもなります。
一方で、布を切るための裁ちばさみや、厚紙や段ボール、針金なども切断できる強力な万能はさみであれば、多くのカーペットに対応可能です。
特に、刃に角度がついているタイプや、軽い力で切れるように工夫されたハサミを選ぶと、作業が格段に楽になります。



カーペット専用のカッターも存在しますが、価格が高く、使い方に慣れが必要なため、家庭で少しだけ切りたいという場合には、強力な万能はさみや裁ちばさみが現実的な選択肢と考えられます。
ハサミの選び方と切る前の確認事項


カーペットの切断を成功させる鍵は、適切な道具選びと事前の準備にあります。ここでは、ハサミの選び方と、作業を始める前に必ず確認すべき事項を解説します。
ハサミの選び方
カーペットを切るのに使える道具はいくつかあり、それぞれにメリットデメリットが存在します。用途に合わせて、最適なものを選びましょう。
種類 | メリット | デメリット | 価格帯の目安 |
---|---|---|---|
専用カッター | まっすぐきれいに切れる 厚さに合わせて刃の高さを調節できる | 価格が高い(10,000円前後) 使い方に慣れが必要 | 10,000円前後 |
裁ちばさみ | 比較的に安価で手に入りやすい 家庭にある場合も多い | 厚手のカーペットは切れないことがある 大きなものを切ると手が痛くなりやすい | 1,000円台~ |
万能はさみ | 様々な素材に対応できる 処分目的の解体作業にも便利 | 切れ味は製品による差が大きい 細かい作業には向かない場合がある | 1,000円台~ |
普通のはさみ | どこにでもある | 薄い不織布タイプ以外はほぼ切れない 刃が負けて危険なこともある | 100円~ |
切る前の確認事項
作業を始めてから後悔しないために、以下の3点は必ず確認してください。
1.カットして良いカーペットか確認する
カーペットには、切っても良いものと、切ってはいけないものが存在します。裏面を見て、表面と同じような柄が見える「織りカーペット」は、切ると端から糸がどんどんほつれてしまうため、絶対に切ってはいけません。「ハグみじゅうたん」のような、手仕事で作られた織り絨毯も同様です。
一方で、基布にパイルを植え付け、裏面をゴム(ラテックス)で固めている「タフテッドカーペット」「フリーカットOK」と表示されているものは、自分で切っても問題ありません。
2.正確に採寸し、印を付ける
フリーハンドで切ると、間違いなく歪んでしまいます。必ずメジャーや定規で切りたい場所の寸法を正確に測り、カーペットの裏面にチョークやボールペン、マスキングテープなどでまっすぐな線を引いておきましょう。この一手間で仕上がりが大きく変わります。
3.床を保護する準備をする
特にカッターを使う場合、刃が床まで貫通して傷を付けてしまう可能性があります。作業する場所には、カッターマットや厚手の段ボール、不要になった布などを敷いて、床をしっかりと保護することが大切です。



必ず作業を始める前に、チェックしてください。
カーペットを上手に切るコツとは?


道具と準備が整ったら、いよいよ切断作業です。少しのコツを知っておくだけで、初心者でもきれいに仕上げることが可能です。
カーペットの裏側から切る
最も重要なポイントは、「カーペットの裏側から切る」ことです。毛足の長い表面から切ろうとすると、毛が邪魔になってまっすぐ切りにくいうえ、毛足を巻き込んでしまい、切り口の長さが不揃いになる原因となります。
カッターは一気に引いて切る
カッターを使用する場合は、印を付けた線に沿って定規をしっかりと当て、一度で切りきるくらいの力で「一気に引く」のがコツです。ためらって何度も刃を入れると、切り口が荒れてしまいます。
ハサミも一気に切り進める
ハサミを使う場合も、少しずつではなく、刃を大きく開いて一気に切り進める方がきれいに仕上がります。特に毛足がループ状になっているタイプは、中途半端に切るとループが引っかかりやすいため、一気に断ち切ることを意識しましょう。
毛足の長いシャギーラグの場合は、少し特殊です。



ハサミで切る際に、カーペットを少し持ち上げるようにして、下地だけを切るイメージで進めると、毛足を巻き込まずにきれいにカットできます。
ハサミ以外にも必要な道具や注意点


カーペットを安全かつきれいに切るためには、ハサミやカッター以外にもいくつか揃えておきたい道具があります。また、作業中の思わぬケガやトラブルを防ぐための、注意点も押さえておきましょう。
あると便利な道具
1.定規(金尺など)
長くて丈夫な定規があると、まっすぐな線を引いたり、カッターを沿わせたりするのに非常に便利です。
2.筆記用具
カーペットの裏に線を引くためのチャコペンやボールペンを用意します。
3.カッターマットや段ボール
前述の通り、床を保護するために必須です。


4.軍手
刃物で手を切らないように、また、カーペットの裏地で手を擦らないように、必ず着用しましょう。
5.マスク
カーペットを切ると、細かい繊維やホコリ(ハウスダスト)が舞い上がります。これらを吸い込まないようにマスクをして作業すると安心です。
6.木工用ボンド
切断面のほつれを防ぐために使用します。詳細は後述します。
作業時の注意点
切断後の処理も、重要な工程です。特に、切りっぱなしのまま使用すると、いくつかの問題が発生する可能性があります。
切り口から出てくる遊び毛や繊維のクズは、丁寧に処理しましょう。指でなでるようにしてポロポロと落ちる毛を取り除いておくと、使用開始後にゴミが出続けるのを防げます。
また、カーペットの端は「オーバーロック加工」でほつれ止めされていることが多く、この部分を切ると糸が出てきやすくなります。
対策として、切り口の毛の根本部分(裏側)に木工用ボンドを薄く塗っておくと、ほつれ防止に効果的です。表面に付くと固まってしまうので、注意してください。
切ったカーペットを再度敷く場合は、端がめくれたり反り返ったりしやすくなります。



滑り止めシートを敷いたり、家具を置いたりしてしっかり固定し、つまずきによる転倒を防ぎましょう。
切ったカーペットをそのまま捨てるのはNG?


不要になったカーペットを処分するために小さく切る場合、その捨て方には注意が必要です。多くの自治体では、ゴミの分別ルールが定められており、カーペットもそれに従って処分しなければなりません。
一般的に、一辺が30cmや50cm(自治体により異なる)を超える大きなカーペットは粗大ごみとして扱われ、有料での回収となります。しかし、この規定サイズ以下に自分で小さくカットすれば、普通ごみとして捨てることが可能です。これにより、粗大ごみの手数料を節約できます。
ただし、普通ごみとして出す場合でも、「燃えるごみ」「燃えないごみ」かの分別が必要です。これはカーペットの素材によって決まります。
- 燃えるごみ: 綿、ウール、麻、い草といった天然繊維で作られたカーペット。
- 燃えないごみ: ナイロン、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維や合成繊維で作られたカーペット。また、裏面にゴム製の滑り止めが付いているものも、多くの場合「燃えないごみ」に分類されます。
お手持ちのカーペットの素材が分からない場合は、裏に付いている品質表示タグを確認しましょう。



ルールは自治体によって異なるため、捨てる前にお住まいの市区町村のホームページなどで、確認することが最も確実です。
カーペットを切るハサミの販売店情報とおすすめ商品


- カーペットを切るハサミは100均で購入可能?
- ホームセンターで人気のカーペットを切るハサミ
- おすすめのカーペットを切るハサミをご紹介
- DIYが不安なら信頼できるプロの業者に依頼
- カーペットを切るハサミでよくある質問
カーペットを切るハサミは100均で購入可能?


結論から言うと、100円ショップでもカーペットが切れる可能性のあるハサミを、購入することはできます。ただし、いくつかの注意点があります。
100円ショップで探す場合、文具コーナーにあるような普通のハサミではなく、工具や園芸コーナーに置かれている「万能はさみ」「強力はさみ」といった商品が候補になります。これらは刃が厚く、グリップも大きめに作られているため、ある程度の力には耐えられます。
しかし、その性能は製品によって大きく異なります。
薄手の不織布タイプのカーペットであれば切れるかもしれませんが、裏地がしっかりした厚手のカーペットを切ろうとすると、刃が負けたり、グリップが破損したりする可能性があります。
実際に「100均のハサミが折れた…」という、経験談も見られます。
したがって、100均のハサミは、あくまで「処分目的で薄手のカーペットを小さく解体する」といった、限定的な用途と考えた方が良いでしょう。



きれいに仕上げたい場合や、厚手のカーペットを切る場合には、より信頼性の高いハサミを選ぶことを強くおすすめします。
ホームセンターで人気のカーペットを切るハサミ


より確実な性能を求めるなら、ホームセンターで販売されているハサミがおすすめです。DIYやプロの現場で使われることを想定した製品が多く、切れ味や耐久性に優れたモデルが揃っています。
ホームセンターで人気があるのは、主に「万能はさみ」「金切りばさみ」といったカテゴリーの製品です。これらはカーペットだけでなく、段ボール、皮革、アルミ板、電気コードなど、様々な素材の切断に対応できるように設計されています。
ストロング万能はさみ AD
例えば、SK11の「ストロング万能はさみ AD」は、細かいギザ刃で素材を逃さず、カーブした刃でスムーズに切断できるのが特徴です。また、グリップの開きを調節できる機能も便利です。


富士和産業の「万能はさみ」
他にも、刃物の産地として有名な岐阜県関市で作られた富士和産業の「万能はさみ」のように、国内産の高品質なモデルも人気があります。



これらの製品は1,000円台〜3,000円前後で購入でき、一度入手すれば粗大ごみの解体やDIYなど、様々な場面で長く活躍してくれるため、コストパフォーマンスは非常に高いと考えられます。
おすすめのカーペットを切るハサミをご紹介


ここでは、目的別にどのようなハサミを選べば良いか、具体的なおすすめのタイプをご紹介します。
手軽さと価格を重視するなら
もし、ご家庭に裁縫用の「裁ちばさみ」があれば、まずはそれで試してみるのが良いでしょう。布を切るために作られているため、薄手から中厚程度のカーペットであれば切断可能です。持っていない場合でも、手芸店やホームセンターで1,000円台から購入できます。


きれいな仕上がりを求めるなら
お部屋の形に合わせてぴったり敷きたいなど、仕上がりの美しさを重視する場合は、切れ味の良い専用の道具が適しています。前述の通り、SK11の「厚物布・カーペット切鋏」のように、ハンドルに角度が付いていて切り進みやすい製品は、まっすぐきれいに切りやすいです。


また、カッターを使う場合は、カーペット専用のものを選ぶと、より正確な作業ができます。
処分目的でとにかく切りたいなら
捨てるために小さく解体するのが目的なら、切れ味よりもパワーと耐久性が大切です。この場合は、ホームセンターで販売されている「強力万能はさみ」が最も適しています。倍力機構などを採用したモデルは、軽い力で厚いものでもザクザク切ることが可能です。





また、ハサミでは歯が立たないような硬い裏地のカーペットの場合は、「廃棄物ノコギリ」といった小型のノコギリを使うのも有効な手段となります。
DIYが不安なら信頼できるプロの業者に依頼


自分でカーペットを切ることに少しでも不安を感じる場合や、高価なカーペットを失敗なく加工したい場合は、無理をせず専門業者に依頼するのも賢明な選択です。
もし自分で切って失敗してしまうと、新しいカーペットを買い直すことになり、かえって費用が高くつく可能性もあります。そのリスクを考えれば、プロに依頼する費用は決して高くないかもしれません。
カーペットのサイズ加工は、購入した店舗で相談できる場合があります。また、インターネットで検索すれば、カーペット加工を専門に行う業者も見つかります。
業者を選ぶ際には、複数の業者から無料で見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討することが大切です。
業者探しに便利な比較サイト
どのような業者に頼めば良いか分からない場合、リフォーム業者の一括見積もりサイトを利用するのも一つの手です。これらのサイトは厳しい審査基準を設けていることが多く、信頼できる業者を見つけやすいというメリットがあります。
1.リフォーム比較プロ
累計利用者数が30万人を超えるサービスで、専門家による診断も受けられる点が特徴です。
こちらの記事「リフォーム比較プロの評判は本当?口コミの本音と失敗しない注意点」では、口コミやメリットデメリットなど他、評判や特徴を徹底解説しましたので、是非参考にしてください♪
2.リショップナビ
加盟業者数が多く、カスタマーサポートが要望に合った業者を厳選してくれるため、安心して相談できます。
こちらの記事「リショップナビの口コミが気になる…メリットデメリットや注意点とは」では、口コミやメリットデメリットなど他、評判や特徴を徹底解説しましたので、是非参考にしてください♪



このようなサービスを活用し、納得のいく業者を見つけて依頼することをおすすめします。
カーペットを切るハサミでよくある質問


ここでは、カーペットの切断に関して、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 織りカーペットは本当に切れないのですか?
-
はい、ご自身で切ることは絶対におすすめできません。織りカーペットは、縦糸と横糸を織り上げて作られています。そのため、途中で糸を切ってしまうと、そこから織りの構造が崩れ、際限なくほつれてしまいます。もしサイズが大きい場合は、切るのではなく、余った部分を裏側に折り込んで調整する方法を検討してください。
- 切った後のほつれはどうすればいいですか?
-
タフテッドカーペットでも、切った直後は多少のほつれや遊び毛が出ます。まずは、指で優しくなでるようにして、ポロポロと落ちる繊維を取り除きましょう。その後、ほつれが続くのを防ぐために、切り口の裏側(毛の根本部分)に木工用ボンドを薄く塗って乾かします。これがコーティングの役割を果たし、繊維が抜けるのを防いでくれます。
- カッターとハサミはどちらが良いですか?
-
一長一短があります。カッターは、丈夫な定規とカッターマットがあれば、非常にまっすぐな線を切りやすいのがメリットです。一方、ハサミは場所を選ばず手軽に使え、柱の形に合わせてくり抜くなどの曲線的なカットにも対応できます。
作業のしやすさで言えば、床に置いたまま切り進めやすい角度付きハンドルのハサミが便利です。どちらかと言えば、初心者の方には、力の加減がしやすく安全なハサミの方が扱いやすいかもしれません。



よくあるQ&Aも、参考にしてください。
【総括】最適なカーペットを切るハサミを選ぼう
この記事では、カーペットを切るためのハサミの選び方から、具体的な切り方のコツ、注意点までを解説しました。最後に、重要なポイントをまとめます。
- カーペットには切れる種類(タフテッド)と、切れない種類(織り)がある
- 切る前には必ず裏面を確認し、カット可能か見極める
- 専用ハサミは必須ではないが、万能はさみや裁ちばさみがおすすめ
- 普通の文具ハサミでは、厚手のカーペットは切れない
- 100均のハサミは、薄手のものを処分目的で切る場合に限られる
- ホームセンターでは、切れ味と耐久性に優れたハサミが手に入る
- 作業時は必ず裏面から、印を付けた線に沿って切る
- 床の保護のために、カッターマットや段ボールを敷く
- ケガ防止のため軍手を着用し、ハウスダスト対策でマスクも有効
- ループタイプのカーペットは、一気に切り進めるのがコツ
- シャギーラグは、下地だけを切るように少し浮かせて切る
- 切り口のほつれ防止には、木工用ボンドが効果的
- 小さく切れば粗大ごみではなく、普通ごみとして処分できる
- 素材によって燃えるごみか、燃えないごみかを確認する
- DIYに自信がなければ無理せず、専門業者に依頼する選択肢も持つ
【参考】
>>フローリングのえぐれ傷補修は100均で可能?簡単DIY術をご紹介
>>クッションフロアのえぐれ補修は簡単?DIYで直す方法や予防策とは
>>カーペットを切るハサミの選び方って?上手に切るコツやおすすめ商品
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