エアコンを3台設置する際、どの程度のアンペア容量が必要になるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。契約しているアンペア容量が不足していると、エアコンを3台同時に使用した際にブレーカーが落ちる原因となる可能性があります。
本記事では、エアコンを3台契約する場合の適切なアンペア容量の目安や、アンペアの計算方法について詳しく解説します。また、現在契約しているアンペアを確認する方法や、アンペア容量が不足している場合の具体的な対処法についてもご紹介するので、参考にしてください。
さらに、代表的な家電製品の電気容量の目安や、世帯人数や住居条件によって必要なアンペア数、エアコン6畳用に必要なアンペア容量や、契約アンペアを見直すことで電気代を節約する方法についても取り上げています。

本記事を通じて、エアコン3台を安全かつ効率的に使用するための知識を深め、ご家庭に最適な電力環境を整えるお手伝いができれば幸いです。
【記事のポイント】
1.エアコン3台を使用する際の、アンペア容量の目安
2.契約しているアンペア数を確認する方法と、その重要性
3.アンペア不足による、ブレーカー落ちの原因と対処法
4.家庭内の電力使用状況に応じた、契約アンペアの見直し方
エアコン3台のアンペアに関する基礎知識


- エアコンを3台契約する場合のアンペア容量
- アンペアの計算方法とは?
- エアコン3台でブレーカーが落ちる原因
- アンペア容量が足りない時の対処法
- 契約してるアンペアを確認するには?
エアコンを3台契約する場合のアンペア容量


エアコンを3台契約する場合、契約アンペア容量を適切に設定しなければ、ブレーカーが頻繁に落ちる原因になります。そのため、エアコンの消費電力と、家庭で同時に使用する可能性がある家電製品を考慮した契約アンペアの見直しが必要です。
エアコン1台の消費電力は、機種や性能によって異なりますが、一般的な100Vエアコンの場合、冷房時の定格消費電力は500W~1000W、暖房時は600W~1500W程度です。これをアンペア(A)に換算すると、冷房時は5A~10A、暖房時は6A~15Aとなります。つまり、エアコンを3台同時に使用する場合、合計で15A~30A程度が必要になります。
しかし、エアコンだけではなく、電子レンジやドライヤー、冷蔵庫などの他の家電製品も併用することが一般的です。例えば、電子レンジ(約15A)、ドライヤー(約12A)、冷蔵庫(約3A)を同時に使用すると、それだけで30Aを超えてしまいます。
そのため、エアコン3台を同時に使用することを想定すると、最低でも50A、余裕を持たせるなら60A以上の契約が望ましいでしょう。
また、エアコンは運転開始時に一時的に高い電力を消費する特性があります。例えば、通常時は10A程度のエアコンでも、立ち上がり時には15A以上必要になることがあるため、一斉に起動すると想定以上の電力を消費する可能性があります。そのため、契約アンペアを決める際には、最大使用電力を考慮することが重要です。
契約アンペアを適切に設定することで、快適にエアコンを使用できるだけでなく、ブレーカーが落ちるリスクを減らせます。



特に、冬場や夏場のピーク時に安定して電力を使えるようにするためにも、事前に電力会社へ相談し、自宅の電力環境に適した契約アンペアを選びましょう。
アンペアの計算方法とは?
アンペア(A)とは、電流の強さを表す単位であり、電気の契約容量を決める際に重要な要素となります。エアコンや電子レンジなどの電化製品を安全に使用するためには、アンペアの計算方法を正しく理解しておくことが大切です。
アンペアの計算式
アンペアを求める計算式は、次の通りです。
アンペア(A)= 消費電力(W) ÷ 電圧(V)
この式を使うことで、特定の家電が使用する電流量を簡単に求めることができます。例えば、1000Wのエアコンを一般家庭の100V電源で使用する場合、計算は次のようになります。
1000W ÷ 100V = 10A
このエアコンを使用すると、10Aの電流が必要になるということです。これが3台になると、合計で30Aとなるため、契約しているアンペア容量を超えないか確認する必要があります。
また、電圧が200Vの家電を使用する場合は、電圧が異なるため計算も変わります。例えば、200V仕様で1500Wのエアコンを使用する場合は、
1500W ÷ 200V = 7.5A
となり、100Vのエアコンよりも必要なアンペア数が少なくなります。そのため、同じ消費電力の家電でも、電圧によって使用するアンペアが異なることを理解しておくことが大切です。
エアコンの電力を消費する特性
さらに、エアコンなどの家電は運転開始時に一時的に大きな電力を消費する特性があります。例えば、通常は10Aで動作するエアコンでも、立ち上げ時には15A~20A必要になる場合があるため、余裕を持った契約アンペア数を設定することが推奨されます。
このように、アンペアの計算方法を把握しておくことで、自宅の電力契約が適切かどうかを確認できます。



契約アンペアが不足すると、ブレーカーが頻繁に落ちる原因になるため、使用する家電の消費電力を事前にチェックし、適切な契約を結ぶことが重要です。
エアコン3台でブレーカーが落ちる原因


エアコン3台を同時に使用すると、ブレーカーが落ちてしまうことがあります。この現象が起こるのは、契約しているアンペア数を超えた電力を一度に使ってしまうためです。ここでは、主な原因を詳しく解説します。


1.契約アンペア数が不足している
家庭の電気契約には「契約アンペア数」が設定されており、この上限を超えるとブレーカーが作動して電気の供給が遮断されます。例えば、契約が40Aの場合、エアコン3台の合計消費電流が30Aを超えると、電子レンジやドライヤーなどの他の家電と併用した際に、簡単にブレーカーが落ちてしまう可能性があります。
2.エアコンの起動時に電力を大量に消費する
エアコンは、運転開始時に特に多くの電力を消費します。通常運転時は1台あたり7A〜10A程度の電流で済む場合でも、起動時には15A〜20A必要になることがあります。3台同時に起動すると、一時的に契約アンペア数を大きく超えてしまうことがあり、これがブレーカーが落ちる原因のひとつになります。
3.他の家電製品と同時に使用している
エアコンだけでなく、「電子レンジ(約15A)」「ドライヤー(約12A)」「IHクッキングヒーター(最大30A)」など、高消費電力の家電を同時に使用すると、契約アンペアを簡単に超えてしまいます。特に冬場は、電気ストーブやこたつなども加わるため、電力の消費量が増え、ブレーカーが落ちやすくなります。
4.ブレーカーの劣化や配線の問題
ブレーカーそのものが経年劣化していると、適正な電流範囲内であっても落ちやすくなることがあります。また、家の配線が古かったり、電気回路が適切に分配されていない場合も、一部の回路に過剰な負担がかかり、ブレーカーが作動しやすくなることがあります。
5.分電盤の回路が適切に分けられていない
家庭の電気は複数の回路に分けられていますが、エアコン3台が同じ回路に接続されていると、特定の回路に負荷が集中し、ブレーカーが落ちやすくなります。適切な回路設計がされているかを確認し、必要であれば電気工事士に相談して回路を分ける対応を検討しましょう。
エアコン3台を使用してブレーカーが落ちるのは、契約アンペア数の不足や、同時使用する家電の電力消費が大きいことが主な原因です。



ブレーカーの劣化や配線の問題も考慮し、必要に応じて電力会社や電気工事業者に相談し、適切な契約と配線環境を整えましょう。
アンペア容量が足りない時の対処法
エアコンをはじめとする電化製品を使っていると、契約しているアンペア容量を超えてしまい、ブレーカーが落ちることがあります。ここでは、アンペア容量が不足しているときの具体的な対応策を紹介します。


1.家電の使用タイミングを調整する
同じ時間帯に複数の家電を使うと、瞬間的に電力消費が増え、ブレーカーが落ちる可能性が高くなります。例えば、エアコンと電子レンジを同時に使用せず、電子レンジを使う間は一時的にエアコンの設定温度を下げるなど、使う時間をずらす工夫が有効です。
2.消費電力の大きい家電を把握する
家庭で使用する家電の中には、特に多くの電力を必要とするものがあります。例えば、「電子レンジ(約15A)」「ドライヤー(約12A)」「IHクッキングヒーター(最大30A)」などは、一度に使用すると契約アンペアを超えてしまうことがあります。これらの家電を使う際は、できるだけ他の電化製品との同時使用を避けるようにしましょう。
3.省エネ型の家電に買い替える
古い家電は新しいものと比べて消費電力が大きい場合があります。例えば、最新のエアコンはインバーター制御により効率的な運転が可能になっており、電力消費を抑えられます。また、LED照明への切り替えや、省エネ型の冷蔵庫・洗濯機への買い替えも、電力使用の最適化につながります。
4.契約アンペアを見直す
使用する電力の調整だけでは対応しきれない場合、電力会社に連絡して契約アンペアを増やすことを検討しましょう。例えば、現在30A契約でエアコンを3台稼働する場合、50A・60Aへ変更することで、より安定した電力供給が可能になります。
契約アンペアの変更は基本的に無料で行える場合が多いですが、電力会社や地域によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
5.分電盤や電気配線を見直す
家庭内の電力は、いくつかの回路に分けて供給されています。しかし、エアコンや電子レンジなどの消費電力が大きい家電が同じ回路に集中していると、一部の回路が過負荷になり、ブレーカーが落ちる原因になります。この場合、電気工事業者に相談し、回路を適切に分けることで、電力の負担を均等にすることが可能です。
アンペア容量が足りなくなったときは、まず家電の使用タイミングを調整したり、省エネ家電に切り替えるなど、電力消費を抑える工夫をしましょう。



電力の使い方を最適化することで、無駄な電気料金を抑えながら、快適に生活できる環境を整えることができます。
契約してるアンペアを確認するには?


家庭で使用できる電力量は、電力会社との契約アンペア数によって決まります。契約アンペア数を超えて電力を使用するとブレーカーが落ちるため、事前に自宅の契約アンペアを把握しておくことが重要です。
ここでは、契約しているアンペアを確認する方法を解説します。
分電盤(ブレーカー)を確認する
最も簡単な確認方法は、家の分電盤(ブレーカー)を直接見ることです。分電盤の中にある「主ブレーカー」には、契約しているアンペア数が記載されています。例えば、「30A」「50A」などと表示されている場合、それが契約しているアンペア数になります。
一部の電力会社では、契約アンペア数によってブレーカーの色が異なることもあります。例えば、東京電力では以下のような配色になっています。
- 30A:緑
- 40A:灰色
- 50A:茶色
- 60A:紫色
ただし、電力会社によって異なるため、分電盤にアンペア数の表示がない場合は、別の方法で確認しましょう。
検針票や電気料金の明細を見る
契約しているアンペア数は、電力会社から毎月届く検針票や電気料金の明細にも記載されています。「ご契約内容」「基本契約」などの欄を確認すると、「○○A契約」といった記載があるはずです。最近では紙の検針票を発行しない電力会社も増えているため、見当たらない場合は次の方法を試してください。
電力会社のマイページで確認する
多くの電力会社では、契約者向けにWebサイトやアプリで契約情報を確認できるサービスを提供しています。電力会社の公式サイトにアクセスし、契約者用の「マイページ」にログインすると、契約アンペアや使用電力量を確認できます。
ログインには「契約者番号」「お客様番号」が必要なことが多いため、検針票や過去の請求書を用意しておくとスムーズです。
電力会社に直接問い合わせる
分電盤や検針票、マイページで契約アンペアが確認できない場合は、契約している電力会社に問い合わせるのが確実です。電力会社のカスタマーサポートに連絡し、「契約アンペアを知りたい」と伝えれば、現在の契約内容を教えてもらえます。問い合わせる際は、契約者名や住所を準備しておくとスムーズです。



自宅の電力使用状況を把握し、契約アンペアが適切かどうかを定期的に見直すことが大切です。
エアコン3台のアンペア目安と電気代節約のコツ


- 代表的な家電製品の電気容量の目安
- アンペアを見直して電気代を節約する方法
- エアコン6畳用で必要なアンペアって?
- 世帯人数や住居条件によって必要なアンペア数
- エアコンのアンペアでよくある質問
代表的な家電製品の電気容量の目安


家庭で使用する家電製品には、それぞれ異なる電気容量(アンペア数)が必要です。そのため、各家電の電気容量を把握し、適切に使い分けることが重要です。
家電製品ごとの消費電力と必要なアンペア数
以下に、一般的な家電製品の消費電力と、それに対応するアンペア数の目安を紹介します(電圧100Vの場合)。
家電製品 | 消費電力(W) | 必要なアンペア(A) |
---|---|---|
エアコン(6畳用) | 約470~600W | 約4.7~6A |
エアコン(10畳用) | 約600~1000W | 約6~10A |
電子レンジ | 約1000~1500W | 約10~15A |
ドライヤー | 約1200W | 約12A |
冷蔵庫(400L) | 約200~500W | 約2~5A |
炊飯器(5.5合) | 約1000W | 約10A |
掃除機 | 約1000W | 約10A |
テレビ(42型 液晶) | 約100~200W | 約1~2A |
アイロン | 約1400W | 約14A |
IHクッキングヒーター | 約2000W | 約20A |
食器洗い乾燥機 | 約1200W | 約12A |
このように、家電によって必要なアンペア数は大きく異なります。特に、エアコンや電子レンジなどの高消費電力の家電は、契約アンペア数を超えないよう注意が必要です。
家電の同時使用による影響
例えば、40A契約の家庭でエアコン3台(合計30A相当)を同時に使用している状態で、電子レンジ(15A)やドライヤー(12A)を使うと、合計で50Aを超えてしまい、ブレーカーが落ちる原因になります。このような状況を防ぐためには、高消費電力の家電を同時に使用しない工夫が必要です。
電圧が異なる場合の計算方法
家庭用の家電は通常100Vで使用されますが、一部のエアコンやIHクッキングヒーターは200V仕様のものもあります。この場合、消費電力が同じでも、必要なアンペア数は少なくなります。例えば、200Vのエアコンで消費電力が1200Wの場合、計算式は以下のようになります。
1200W ÷ 200V = 6A
このように、電圧が異なるとアンペア数の計算も変わるため、使用する家電の仕様を事前に確認することが重要です。
代表的な家電製品の電気容量を把握することで、契約アンペアを超えないよう適切に管理することができます。



また、電圧が異なる家電ではアンペア数の計算方法も変わるため、購入時や設置時にしっかり確認することが大切です。
アンペアを見直して電気代を節約する方法
家庭で使用する電気代の基本料金は、契約しているアンペア数によって決まります。そのため、実際の電力使用量に合ったアンペア数に見直すことで、毎月の電気代を節約することが可能です。
ここでは、アンペアの見直し方法と節約のコツについて解説します。
契約アンペア数が適切かを確認する
契約しているアンペア数が実際の電力使用量よりも大きい場合、無駄に高い基本料金を支払っている可能性があります。まずは現在の契約アンペアを確認し、必要な容量を見極めることが重要です。
契約アンペア数の目安として、一般的な世帯ごとの推奨アンペア数は以下の通りです。
世帯人数 | 契約アンペアの目安 |
---|---|
1人暮らし | 20~30A |
2~3人世帯 | 30~40A |
4人以上 | 40~60A |
大家族・オール電化住宅 | 60A以上 |
例えば、2人暮らしで50A契約している場合、40Aに下げることで基本料金を節約できる可能性があります。
契約アンペアを下げるメリットと注意点
アンペアを下げることで、毎月の基本料金を減らすことができます。例えば、東京電力の一般的な料金プランでは、契約アンペア数ごとの基本料金は以下のようになっています(2025年2月時点)。
契約アンペア | 基本料金(円/月) |
---|---|
30A | 約935円 |
40A | 約1,247円 |
50A | 約1,560円 |
60A | 約1,870円 |
例えば、50A契約から40A契約に変更すれば、月々約313円、年間で3,756円の節約になります。
ただし、契約アンペアを下げることで、一度に使える電力の上限が減るため、電化製品の同時使用には注意が必要です。ブレーカーが頻繁に落ちるようになると不便に感じるため、適切なアンペア数を選びましょう。
家電の使い方を工夫して電気代を抑える
契約アンペアを下げても、上手に電気を使うことで快適な生活を維持できます。以下の方法を実践すると、より効果的に電気代を節約できます。
1.家電の同時使用を避ける
エアコン、電子レンジ、ドライヤーなどの高消費電力の家電は、できるだけ時間をずらして使用することで、契約アンペアを抑えても問題なく生活できます。
2.省エネ家電を導入する
最新の省エネ型エアコンや冷蔵庫、LED照明を導入することで、電力消費を減らし、ブレーカーが落ちるリスクも低減できます。


3.待機電力をカットする
使っていない家電のプラグを抜いたり、電源タップのスイッチをオフにすることで、無駄な電力消費を防ぐことができます。
契約アンペアの変更手続き
契約アンペアを見直す場合は、電力会社に連絡して変更の手続きを行います。多くの電力会社では、スマートメーターを導入しているため、遠隔操作で簡単に契約アンペアを変更できます。
ただし、ブレーカーの交換が必要な場合は、工事費が発生することもあるため、事前に確認しておくと安心です。
契約アンペアの見直しは、電気代の基本料金を節約する有効な手段です。



契約の変更は電力会社に依頼するだけで簡単にできるため、一度自宅の電力使用状況を確認し、最適な契約プランを検討してみましょう。
エアコン6畳用で必要なアンペアって?


6畳用のエアコンを使用する場合、どのくらいのアンペアが必要なのかを知っておくことは重要です。ここでは、6畳用エアコンのアンペア数の目安と計算方法について解説します。
6畳用エアコンの消費電力とアンペア数の目安
6畳用エアコンの消費電力は、機種やメーカーによって異なりますが、おおよそ以下の範囲に収まります。
使用モード | 消費電力(W) | 必要なアンペア(A)※100Vの場合 |
---|---|---|
冷房運転時 | 約470~600W | 約4.7~6A |
暖房運転時 | 約500~750W | 約5~7.5A |
最大消費時 | 約1000W | 約10A |
通常運転時は4.7~7.5A程度で収まりますが、エアコンの立ち上げ時には瞬間的に10A以上の電力を消費することがあります。そのため、使用する環境によっては、一時的に高いアンペア数が必要になる場合があります。
6畳用のアンペア数の計算方法
6畳用エアコンの消費電力が600Wで、電圧が100Vの場合、計算式は以下のようになります。
600W ÷ 100V = 6A
この計算から、通常の冷房運転時には約6Aの電力を消費することがわかります。一方で、暖房時や最大消費時には消費電力が上がるため、さらに多くのアンペア数が必要になる可能性があります。
契約アンペアとの関係
6畳用エアコンを使う際、家庭の契約アンペア数と照らし合わせて、ブレーカーが落ちないか確認することが大切です。
例えば、契約アンペア数が30Aの場合、エアコンが6Aを消費すると残り24Aになります。この状態で電子レンジ(15A)やドライヤー(12A)を同時に使用すると、合計33Aとなり、契約アンペアを超えてブレーカーが落ちる可能性があります。
そのため、エアコンを使用する際には、他の電化製品の使用状況にも注意しながら電力管理を行うことが重要です。
200Vの6畳用エアコンはどうなる?
一部の6畳用エアコンには、200V仕様のモデルもあります。200Vエアコンの場合、同じ消費電力でもアンペア数が半分になるため、より効率的に電力を使用できます。
例えば、消費電力が1000Wのエアコンを100Vと200Vで比較すると以下のようになります。
100Vエアコン: 1000W ÷ 100V = 10A
200Vエアコン: 1000W ÷ 200V = 5A
このように、200Vエアコンは電圧が高いため、同じ消費電力でも必要なアンペア数が少なくなります。ただし、200Vエアコンを使用する場合は、専用の電源工事が必要になることがあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
6畳用エアコンの必要なアンペア数は、通常運転時で約4.7~7.5A、最大消費時には約10A程度となります。



エアコンのスペックや契約アンペア数を把握し、快適な電力管理を行いましょう。
世帯人数や住居条件によって必要なアンペア数
家庭で使用する電気の契約アンペア数は、世帯の人数や住居の種類によって適切な値が異なります。ここでは、世帯人数や住居条件に応じた必要なアンペア数の目安を解説します。
世帯人数別の契約アンペア数の目安
家族の人数が増えると、「エアコン・冷蔵庫・電子レンジ」などの電化製品を、同時に使用する機会が増えます。そのため、単身世帯と大家族では適切な契約アンペア数が大きく異なります。以下は、一般的な家庭で推奨されるアンペア数の目安です。
世帯人数 | 推奨アンペア数(A) |
---|---|
1人暮らし | 20~30A |
2~3人家族 | 30~40A |
4人家族 | 40~50A |
5人以上の大家族 | 50~60A |
オール電化住宅 | 60A以上 |
例えば、1人暮らしの場合は20~30Aあれば十分ですが、4人家族になるとエアコンの使用台数や家電の同時使用が増えるため、40A以上が推奨されます。また、電気温水器やIHクッキングヒーターを使用するオール電化住宅では、60A以上の契約が一般的です。
住居条件によるアンペア数の違い
住居の種類によっても、契約アンペアの適切な値は異なります。
1.集合住宅(アパート・マンション)
集合住宅では、建物全体で使用できる電力が限られている場合があります。特に築年数の古い物件では、30A・40Aが上限になっていることもあります。そのため、エアコンを複数台同時に使用する際は、家電の使用時間をずらすなどの工夫が必要です。
2.戸建て住宅
戸建て住宅は、比較的自由に契約アンペア数を増やせる場合が多く、40A~60Aで契約している家庭が一般的です。特に、広い家では部屋ごとにエアコンを使用するため、契約アンペア数を多めに設定することで快適に過ごせます。
3.オール電化住宅
ガスを使用しないオール電化住宅では、電気給湯器やIHクッキングヒーターなど、高消費電力の家電を多く使用するため、60A以上の契約が必要になることが一般的です。家庭内の家電をすべて電気でまかなうため、契約アンペアを抑えすぎると、日常生活に支障が出る可能性があります。
電化製品の使用状況による契約アンペアの選び方
世帯人数や住居条件だけでなく、使用する家電の種類や同時使用の状況によっても契約アンペアの適正値は変わります。例えば、以下のような家庭では、高めのアンペア契約が推奨されます。
- エアコンを3台以上同時に使う家庭(50A以上推奨)
- 電子レンジ、IHクッキングヒーターなど高消費電力の家電を多く使う家庭(50A以上推奨)
- リモートワークでパソコンや照明を長時間使用する家庭(40A以上推奨)
- 電気温水器や床暖房を使用するオール電化住宅(60A以上推奨)
契約アンペアの見直し方法
現在の契約アンペアが適切かどうかを判断するには、電気の使用状況を確認することが大切です。まずは、家庭でよく使用する家電のアンペア数を把握し、それを合計して契約アンペア数と比較してみましょう。
もしブレーカーが頻繁に落ちるようであれば、契約アンペアを上げることを検討し、逆に常に余裕がある場合は、契約アンペアを下げることで電気代の基本料金を節約できます。契約変更は電力会社に依頼すれば簡単に手続きできます。
契約アンペア数は、世帯人数や住居の種類によって適切な値が異なります。



現在の使用状況を把握し、必要に応じて契約アンペアを見直すことで、電気を効率よく使いながら電気代の節約にもつながります。
エアコンのアンペアでよくある質問


エアコンのアンペアに関する疑問は多くの人が持っています。特に、契約アンペアとの関係や、エアコンの消費電力に関する質問がよく寄せられます。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
- エアコン1台に必要なアンペア数はどのくらい?
-
エアコン1台の必要なアンペア数は、機種や使用環境によって異なりますが、目安として以下のようになります。
部屋の広さ 冷房時(A) 暖房時(A) 6畳 約4.7~6A 約5~7.5A 8畳 約5~7A 約6~8.5A 10畳 約6~8A 約7~10A 12畳 約7~9A 約8~12A 14畳 約8~10A 約9~14A ただし、エアコンは起動時に通常の2~3倍の電力を消費するため、ブレーカーが落ちることがないよう注意が必要です。
- エアコンを増設するときに契約アンペアは変更すべき?
-
エアコンを増設する場合は、現在の契約アンペア数と家庭内の総消費電力を確認することが大切です。例えば、40A契約の家庭で、エアコンを3台同時に稼働すると合計30A以上を消費することがあります。そのうえで電子レンジ(約15A)やドライヤー(約12A)を使うと、ブレーカーが落ちる可能性が高くなります。
エアコンを増やす場合は、事前に契約アンペアの見直しを検討し、電力会社に問い合わせるのが安心です。
- 100Vと200Vエアコンではアンペア数に違いはある?
-
はい、違いがあります。エアコンは電圧(V)が高いほど、同じ消費電力(W)でもアンペア(A)が少なくなります。例えば、100Vのエアコンで1000Wの消費電力がある場合、計算式は以下のようになります。
1000W ÷ 100V = 10A
一方、同じ1000Wのエアコンを200Vで使用すると、
1000W ÷ 200V = 5A
となり、必要なアンペア数が半分になります。
下記の記事も、参考にししてください。
「エアコン200vを100vに変換する費用って?工事内容や手順解説」
「エアコン100vはアースなしで使用可能?必要性と対策や工事方法」 - ブレーカーが頻繁に落ちるのはなぜ?
-
ブレーカーが頻繁に落ちる原因として、以下のようなことが考えられます。
- 契約アンペアを超える電力を同時に使用している
- エアコンの起動時の電力消費が大きい
- 漏電や配線のトラブル
- エアコンを複数台使用しているが電気代を抑える方法は?
-
エアコンを効率的に使うことで、電気代を節約できます。以下の工夫を取り入れてみましょう。
- 設定温度を適切に調整する(夏場は26~28℃、冬場は20~22℃が目安)
- フィルターを定期的に掃除する(ホコリが溜まると効率が悪化)
- 断熱効果を高める(カーテンや断熱シートを活用)
- エアコンの使い方を工夫する(つけっぱなしの方が省エネになる場合も)
特にエアコンの設定温度を見直すだけでも、消費電力を抑えることができます。
エアコンのアンペアに関する疑問は、使用する電力の計算や契約アンペアの確認をすることで解決できます。



エアコンを増設する場合や、ブレーカーが落ちやすい場合は、契約アンペアの見直しを検討しましょう。
エアコン3台のアンペア容量と契約のポイント総括
記事のポイントを、まとめます。
- エアコン3台を同時に使う場合、契約アンペアの見直しが必要
- 一般的な100Vエアコンは、1台あたり5A~15Aの電力を消費する
- エアコン3台の合計消費電力は、15A~30Aが目安
- 他の家電と併用すると、契約アンペアを超えやすい
- 電子レンジやドライヤーと同時使用すると、ブレーカーが落ちる可能性が高い
- エアコンの起動時は、通常時より多くの電流を消費する
- 50A以上の契約があれば、エアコン3台でも比較的安定する
- 分電盤のブレーカーに、契約アンペア数が記載されていることが多い
- 契約アンペアは、電力会社のマイページや検針票でも確認できる
- 100Vと200Vエアコンでは、必要なアンペア数が異なる
- 200Vエアコンは同じ消費電力でも、必要なアンペア数が少なくなる
- 家電の使用時間を調整することで、ブレーカーが落ちるリスクを減らせる
- 省エネ型エアコンに買い替えると、消費電力を抑えられる
- 契約アンペアを上げると、基本料金が高くなるため慎重に検討すべき
- 電力会社に連絡すれば、契約アンペアの変更が可能
【参考】
>>エアコンは1ヶ月つけっぱなしで壊れる?長時間運転の影響と最適手段
>>エアコン内部クリーンが終わらない原因って?対応策と機能の仕組み
>>エアコンのうるさいゴーゴー音の原因って?異音の種類や対処法とは
>>エアコン14畳と18畳ならどっちを選ぶ?性能や後悔しないポイント
>>エアコン排水レールは100均で入手可能?選び方や注意点と取付方法
>>エアコンのキュルキュル音を放置したら…原因や正しい対処法とは
>>エアコンをつけると湿度上がる理由?原因や仕組みと効果的な防止策